第50話ドミニカ2

『ドゴンッ!!』


テレビの向こう側から大きな音ととともにテレビの画面が途絶えた。

途切れる寸前に、アナウンサーの身体に魔法陣のような紋が浮かび上がっていたのでつまりそういうことだろう。


私はこれを行って者が何を思って何をしようとしているのかが理解ができないで呆けていた。


快楽殺人者   

そうなのであればわかりやすい。

人を殺すのに理由を一切持っていないのだから。

だが、わかりやすいだけで質も悪い。


人を殺すのに躊躇がなく、止めるまでに被害が沢山出てしまう。


もしこの無差別殺人が快楽によるものであれば…





私はこれに近い事件の情報を集めていく。


この事件は今アメリカで一番怒っている事件だそうだ。

場所はニューヨーク、ワシントン(D.C.ではない方)の2箇所で、何度も何度も起きている。


おそらくその2箇所にこのスキルを持っている人がいるのだろうか…


だが、ピンポイントで、このスキルを持っている人同士が、協力のように連携を取り、他人を操作する魔法を使うことができるのか?


だが、わからないことばかりだ。

私は考察することを諦めた。





「はじめまして」


「誰だ!?」


私以外がいないはずの部屋に知らない人がいた。

驚かないはずがないだろう。


「契約」


「何を言っている?」


「契約」


何だ!?

この女は!?何をさせたい?


「だから何だ!?」


「だから契約」


「契約が何だというのだ!」


私はわけのわからない女に怒りに任せて言ってしまった。

この女に言ってはいけない


「ふふっ。私の勝ち」


「だからなんだというのだお前は!?」


「スキル【死の契約】スキルを発動させた状態で対象に『契約』と言わせることで契約が成功する。つまり私の勝ち。」


ついさっき怒りに任せて契約と言ってしまったことを後悔した。


そしてなぜこの少女は勝ちにこだわるのか理解ができなかった。


「じゃあ契約ないよう言うね

1つ契約ないように違反した場合は自殺すること。」


その少女は右手を横に広げて言った。

そしてそのまま左手を横に広げて


「2つ私が【血の契約】によって与えるスキルのことを言わない。」


その少女は何が面白いのか少し笑いながら


「3つ毎日1人に私が与えるスキルを付与し、あなたが死んだ場合近くにいる人にスキルを使うこと」


少女は気がつけば私の後ろにまわっていて


「4つあなたのせいで死んだ人の記憶をすべてその身に宿し、死んでもあなたたちの記憶だけはそのみが滅びても朽ちることを許さない」


「次が最後の一つね。これとっておきなんだ~前のセカイでもこれのせいで魔王って言われたんだっけ?」


少女はまた目の前

至近距離にいて、一言。


「私はあなたが逃げるのを許さない。」


「何度泣こうが、何度も逃げようが、何度も死のうが、何度も殺されようが、何度も壊れようが」


「私の作ったゲームから逃げることを許さない」


「友を殺し、家族を殺し関係のない赤の他人すらも巻き込んで殺し、自分を殺し、自分を壊そうともこの敗北も勝利もないゲームからは逃れられず」


「何度生を捨てようが0から何度も人生をやり直せ」


ふぅ

その少女は少女の皮を被った化け物はそう言って息を整える。


「【血の契約】」


『スキル死の呪いを取得しました』


その化け物は


――――――君が何度で壊れ、何度で諦め、何度でそのスキルを生き甲斐にするのか楽しみにしておくよ



都だけ言い何処かへかき消えた。


【死の呪い】

一人を選択しその者に[狂暴][快楽][身体強化][殲滅の呪い]をかけ近くにいる人を無差別で攻撃する。

[自殺願望]をディレイで付与

使用者の生命を30%削る

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