第48話おままごとガチ勢

11時物資が届いた。

東京は人口密度が多く、職がないと食いっぱぐれるので、高校に避難している人たちは安全になるまで高校にいてくれと自衛隊の人からお達しがあった。


高校の敷地の際のところに家屋などでバリゲートを作っているので、ゴブリンの1匹や2匹は大丈夫だろう。


まだできていないのでなんとも言えないが…


皆が協力しあってお互いを守ろうとしているので、作業などは効率良くできるし、炊き出しなどもしてくれているから、それぞれの役割分担をしっかりできていて僕個人としては好印象だ。


「おに―ちゃん!遊ぼ!」


小学生中学年ほどの子が何人かで僕を遊びに誘ってきてくれる。


「良いよ。何して遊ぼうか?」


「おままごと!」


「マジですか?」


「マジだよ!」


そんなこんなで僕はおままごとをすることになってしまった。


「玲奈!芽依!ちょっと来てくれ!」


おままごとをするという1年1組教室に行くときに芽依と玲奈を見つけたので、みちず…一緒に遊ぼうと誘った。


何をするかは言っていない。

道連れにさせてもらうが悪く思うなよ。





「あなた、毎日こんな遅くまでどこほっつき歩いてんのよ。」


「今日は会社の飲みで」


「嘘よ!どうせこの子もその女の子供なんでしょ…」


おいおい、小学生のする内容じゃないと思うぞこれは。


これほんとにおままごとか?普通にドラマを見ているようにしか見えないんだが…


「ママとパパ喧嘩しないで〜ううぇーん」


あるぇ?

僕の知っているおままごとと違う‥


僕の知っているおままごとはこんなにドロドロしていないし、食べ物とかもガチ(本物)を使ったりせずに泥とか葉っぱのイメージがあるんだけど。


しかもこの子たち演技うますぎない?

どこかの子役かな?

演技で涙流すのは普通に凄いんだが…


芽依と玲奈も話についていけずほおけているし。


「ほらほら泣いてばかりいないでポチと遊んできなさい」


「わがっだ…」


泣いていた女の子は立ち上がり僕(ポチ)の方へ歩いてきた。


「ポチ…パパとママが…」


「よしよしなかないで…」


流石に泣かれると困るので泣き止まそうとすると。


「犬は言葉しゃべんないでしょ!」


さっきまで泣いていた女の子にすごい形相で怒られた。

切り替え早くない…


「えっと‥ワン?」


「犬は『えっと』なんて言わない!もう一回!」


「ワン!!」


「だめ!」


なんで!?

今回はちゃんとワンって言ったよね!?


「なんでですか先生」

「なんでだと思う?」


すいません先生その返し方は答えづらいです…


「わかるまで後ろで見ていて。犬交代」


皆の視線が一斉に芽依方へ向く。


「私!?」


話を振られると思っていなかった芽依は自分に指を指しながら驚いた。


「やってください。アクション!」


「ワ。ワン?」


「次」


芽依は倒れた。


「ワン」


「なんか違う…」


玲奈も倒れた。


「お兄ちゃんとお姉ちゃん…おままごとなめてるの?」


さっきまで泣いている演技をしていた少女は怒っていた。


その後演技の指導が始まり、探索の時間になっても出てこないから気になって見に来たお父さんに「頑張れ!」と言われて今日の探索においていかれた。




_________________

もう少しで星500ですね?

(/ω・\)チラッ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る