第38話兄妹の時間〜デートスポット編〜

深い眠りから目を覚ます。


「ん、ん〜」


「お兄ちゃん起きた?」


目の前に妹の顔がある。

僕の頭に温かい感触が…

は!僕は玲奈に膝枕をされていた。とっさに起き上がろうとすると


「はい、だ〜め」


頭を抑えられてうまく起き上がれない。


「起き上がりたいんだが…」

「だめお兄ちゃんはすぐ無理するから今日は無理禁止!時間になるまでっココから動けません!メッだよメッ!」

「俺わ子供か…ま、いいか一日ぐらいこういう日があっても。」


「わかればよろし。お兄ちゃんの悪いとこだよ、なにかにスゴークのめり込むのは。」

「心配かけてたのか?すまないな」


こういうことをしていると昔を思い出すな…

立ち位置が逆だけど‥


「お兄ちゃんはね、いつも無理してる。小1のあってすぐのときに私が図鑑みて綺麗っていった花を山まで取りに行ってくれたし。帰ったときは驚いたよ知らない娘も一緒にいて。」


あのときか。懐かしいな…

今の父母が再婚するときに、お母さんの家に挨拶に行ったときのあれか

花を取りに山に行ったら花じゃなく女の子を連れてきたんだ驚くのも無理ない。

本当はあの娘に道を聞こうとしていたんだが、お互い山の中で迷子になっててあのときは焦った。


見えを張って案内したが、とりあえず太陽のない方向にひたすら進んだだけなんだがな…

見えは張るもんじゃない。もしあのとき「僕も迷子だ」と、言っていたら収集がつかなくなりそうだったな。


「ま、いい経験だと思えばいいよ。」

「女の子をたぶらかすことを?」

「おいおい、冗談でも笑えないぞ。」


「お姉ちゃんから命令です。無理をしてはいけません!わかった?」

そう言って僕の顔を覗き込んでくる。

「僕が兄だぞー」

「そんなに変わらないじゃん」

「変わるぞ1ヶ月」

「誤差です!」

「いや違うね。年度またいでるからけっこう大きい」


この言い争いに飽きたのか

「もういい。プンプン。妹様はご立腹です。」

「今度は妹か…もともと妹か」


ふと僕の頭に手をおいてなでてくる。

少しくすぐったいが悪い気はしない。たまにはありだな。


「たまには私に甘えてくれたっていいんだぞ。」

「たまにはそうするよ。」

「毎日でもいいよ。」

「それは遠慮しておく」

「なんでよ〜」


兄を何年もやっていると意地というものができるのだ。これだけは変えられない。


「今日はココ1ヶ月分の兄妹の時間を取り戻しましょう」

「わかったよそうするでなにするんだ」


「んー」

玲奈は振り子のように動いている。

そんなに動かれると頭の位置が不安定になって首が痛いんだが。


「そうだ!やっぱりココは初心に帰って一緒にオフロに入って一緒に寝ましょう」

「何いってんの!?」

「お風呂と添い寝だけど?」

あれ?おかしいのって僕かな?

おかしくないよね?何当たり前だけどみたいな雰囲気出してるの?


「よしならするかそれ。」

「フフェ!?」

「何驚いてんだ?そっちが最初にするって言ったんだろ」

「言ったけど…言ったけど…心の準備が(ゴニョゴニョ)」

「すまん最後のとこ聞き取れなかった」

「一緒に入ろうって言ったの!」


あ、やべ、困らせて遊ぼうと思ってたのに一緒に入る流れになってしまったぞ。

最大添い寝まですることのレベルを落とさないと。

またお母さんたちに勘違いされて誕生日とかに結婚届をもらう羽目になりそうだ。


「やっぱ添い寝だけにしないか?」

「拒否権なし!一緒に入るよ!」


こうして一緒にお風呂に入ることが決定してしまったのだ。




僕は帰り際に少しでも恥ずかしい思いをしないために頭をフル回転させるのだった。





_________________

職業【自宅警備員】なので引きこもっても合法ですよね

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