第39話兄妹の時間~お風呂編前編~

「ただいま」「たっだいまー」


結局いい案が思いつかないまま、家についてしまった。


「玲奈、海、風呂沸いてるわよ」

お母さん、手が早すぎる。

「今日は一緒に入るんでしょ。お母さんたち風呂の音聞こえないから好きにしていいよ」

なんで知ってる?玲奈がグッと手をこっちに向けてきた。

「思春期の二人のためにちゃんと水着買っておいたわ!

だから裸が恥ずかしいなんて言わないでよ。

ふふっ、若いって良いわねー」


ちゃんと逃げ道まで塞がれている。









「なにこれ」

いやおかしい。だって水着と言っていたから海パンだと思っていたのに僕が受け取った水着は、極限まで布面積を減らしたであろう、競技用のブーメランパンツみたいな水着だったからだ。


「おにーちゃん先風呂に入ってて」

「わかった。」

ココから僕の勝負が始まる。

玲奈が入ってくるまでにからだを洗って風呂場から出る。

1秒でも風呂場に一緒にいれば一緒に入ったと言い訳ができるので、玲奈が風呂場に入った瞬間に風呂場から出れるように僕は速攻で体を洗い始めた。


「玲奈が入ってくるより早く終わらせないと」

「お兄ちゃん背中洗ってあげるよ。」

「ありがとう」

少しでも早く…


「玲奈!?」

「残念お兄ちゃんの考えなんてお見通しだよ。というより私トイレ行ってただけだし」


玲奈はシンプルな黄色を基調としたビキニタイプの水着を着ている。

白色のレースが付いていて、玲奈にはすごく似合っていると思う。


(ちなみにこの水着は紐タイプです。紐タイプです。大事なので2回いいました。)


「はい、お兄ちゃん背中向けて…」

おとなしく背中を向ける。今、お母さんを味方につけている玲奈から逃げるわけには行かない。

もし逃げたら逃げなくなるまで毎日一緒に風呂に入る羽目になりそう。

お母さんなら本気でそうしそうだ。


「ヒャァ!?びっくりした…」

玲奈は素手で背中を洗ってくる。

「お兄ちゃんくすぐったい?」

凄いくすぐったい。時折指一本で『つー』と背中をなぞってきてくすぐったい。


「ギュー」

玲奈が急に抱きついてきた。

「ちょ!?」

「聞こえる?私の心臓の音」

「何やって!?聞こえるけど」

ドクドクと心臓の音が背中に感じる。

玲奈の心臓はすごく早く動いている。


ダメだ…

(心頭滅却心頭滅却心頭滅却…)

玲奈は小さい方とはいえ女の子だ。

当然背中に柔らかいものが当たる感じがする。





玲奈side


ダメダメ…なにやってるんだよー私…

私の心臓すごいドキドキしてるし、こんなの押し当てるだなんて恥ずかしがってますって言ってるようなものじゃない。


「はい、体洗うの終わり。流すよ。」


でも、このあとすることの成功のために少しでもお兄ちゃんをかき乱さないと。

ごめんねお兄ちゃん。

もう少し私のわがままに付き合ってもらうよ。

だって私はお兄ちゃんのことが世界で一番大好きなんだから。


「次はお兄ちゃんの番だよ。体洗って」

だからぽっと出のやつになんか絶対に譲れない。

お兄ちゃんは私のなんだ!





海side


「次はお兄ちゃんの番だよ。体洗って」

は!?

身体洗うって何を!?

「さっき私が洗ったんだから次はお兄ちゃんの番だよ。」

「つっ、わかった。体洗うの取って。」

「お兄ちゃん、女の子の身体はデリケートなんだから、て、手で洗わないと、」


手で…つまり玲奈の素肌を触らないといけないわけだ。

さっき、抱きつかれたせいで変に意識してしまっている。

妹とはいえ女の子なのだ。抵抗がないわけがない。

僕はボディーソープを手に取り、玲奈の背中を洗っていった。


玲奈の身体はスポーツをしていることも相成り少し筋肉質な体つきをしている。

だが筋肉質だとしても、女の子の身体は僕が思っている以上に柔らかい。

さっきのことがあったので意識しない訳がなく…


「ッ……………クッ……………ン…」

くすぐったいのか笑いをこらえるのにのに必死見たいで、そのせいで余計に意識してしまう。


玲奈の身体を全部洗いきり、

「体洗うのおしまい。流すぞ。」


シャンプーに伸ばそうとした僕の手首をつかみ、顔を赤らめながら…

「ま、まだ、前…洗ってない…」


…そう言った。



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新作小説【自宅警備員】よろしくお願いします。

『しゅう4投稿のモチベのため、是非フォロー、★を…』と、ルイ(男)は顔を赤らめながら言った。誰得⁉と思った方是非★を。

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