第36話二人の時間Ⅰ

「ただいま」


「おにーちゃんおかえり!ってその傷大丈夫!?」


「ああ、大丈夫だ…もう直してもらっているから。」


ついを思い出して顔が熱くなる。


「ムー」


何故か玲奈は怪訝そうな目で見ている。言っとくが何もしてないからな!(まだ何もしていない)


「お兄ちゃん先お風呂入りなよ。死ぬほど生臭いよ。とゆうかその格好で電車に乗ったの?」


ヤベッ僕の身体には自分自身の血が沢山付着している。その血を放置していたので、とても生臭い。今回は電車ではなくタクシーに乗って帰ったので、そこまで多くの人に迷惑をっかけていないと思う。

多分…


僕は玲奈に言われたとおりに風呂に入った。







玲奈side


お兄ちゃんが血まみれになって帰ってきたときは心臓が止まるんじゃないかと思った。

だって身体の正面が真っ赤に染まっているんだよ。


お兄ちゃんは千葉ダンジョンでドロップするクモ糸を編んで作った白い服を着ている。

白と言っても純粋な白ではなく魔石を溶かし込んで作ったらしく薄く紫がかっている。


その薄紫の服が赤黒っぽい血で染まっていたのだから驚かないほうがおかしい。


ダンジョンができてからお兄ちゃんはすごく頑張っている。

2日に一度しか寝ていないのだ。

常にルームの中にこもっていて、寝るとき、食事をするとき、ダンジョンに潜るとき以外は常にルームの中で【錬金術】をしている。


最近はご飯を食べるときと今こうやって帰ってくるときにしか話せれていない。

私達がまだあったばかりの頃は毎日遊んでいたのに…


毎日こうも無理をされていては私は心配してしまう。


お兄ちゃんとパーティーを組めば、少しでもお兄ちゃんの負担を減らせれるのかな?

後でお兄ちゃんに聞いてみよパーティー組んでいいか。


お兄ちゃんと一緒にダンジョンに潜りたいだが、明日と明後日ぐらいはお兄ちゃんに休んでもらわないと。無理やり休ませるのも手だが、そうしたら絶対ルームの中に籠もり、また体に無理をさせてしまう。


無理をさせず二人でできること…

だめだ思いつかない…いつもヒャッハーしているので、そういう落ち着けるような遊びが思いつかない。


あ、そうだ。

お兄ちゃんに私のお気に入りの場所に連れて行ってあげよう。

思い立ったが吉日だ。私は芽依に明日一日お兄ちゃんを借りることを連絡した。








海side


「お兄ちゃん〜おっはよー!」

玲奈のダイブで、目を覚ます。


「痛い…」


「ははは…ごめんごめん。お兄ちゃん行くよ。」


「どこに?」


「それはもちろんダンジョンだよ!」


「芽依と待ち合わせしているんだが。」


「ふっふっふっ。ちゃんとめいちゃんには話を通しているから安心なすって」







ダンジョンにつれてかれた。

いつものダンジョンで、玲奈と一緒にダンジョンに潜る。玲奈とダンジョン潜るのは久しぶりで興奮している自分がいる。


「お兄ちゃんこっちこっち」


玲奈が手招きして僕を誘導する。


「お兄ちゃんココに来るのは初めてかな?」


玲奈はそう言って何故かドヤ顔をしている。


まあ、ココに来るのは初めてだし、この施設自体すごく『THEテクノロジー』という感じでなんか凄い。うん、なんか凄い。


「お兄ちゃんココはじめからあったのに、なんで知らないの?冗談のつもりだったのに…」


ギルド内にこんな施設(どんな施設?)があるなんて知らなっかたし、いつも依頼出して終わりだからしょうがないだろう。


「ふふふ、、、これはね、『テレポーターなんだよ。』」


「おお〜!おお?」


よくわかっていない僕を見て楽しいのか、


「ま、とりあえず使ってみよ。」


若干笑いながら言ってきた。


ダンジョンの5階層が攻略されて使えれるようになったらしいこの施設は、ダンジョンの好きななところ、まあ攻略しているところだけに限るが、自由に転移することができる。

対価として魔石が必要だが。


僕たちはその真ん中の魔法陣の上に立ち、玲奈が装置の魔石を入れるところに魔石を入れていく。一つの階層移動するのに魔石が1個いるらしい。

なんともまあコスパがいい機械なんだろう。

玲奈がそこに26個の魔石を入れる。


え、まって、26割る人数で13階層。

「チョット玲奈ストープ!」


「ごめんもう起動した」


僕の叫びは虚しく、装置は起動した。


目の前に赤色のひかりが迸り、気がついたら、ねずみ色の土の目立つ墓場に来ていた。



_________________

闇烏の能力を知らない描写に変更しました。ご確認を。

次は明日の12時更新です

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