第32話山岳での遭難壱
今日はいつもと違うダンジョンに来ている。
今来ているのは秋葉原ダンジョンだ。
ダンジョン出現に歓喜して連日お祭り騒ぎだとかなんとか。
なぜ僕たちがわざわざ秋葉原ダンジョンに来たかというと、僕たちが普段通っている渋谷ダンジョンの11階層以降のステージが墓場だったからだ。
ダンジョンの11階層からはダンジョンごとにテーマが決められていて、それに沿ってダンジョンが構成されている。
つまり11から15までは渋谷ダンジョンのステージは墓場となりゴーストやゾンビ、スケルトンなどのアンデットが闊歩している。
まあ、何がいいたいかと言うと僕たちは両方とも無理だったということだ。
ホラーが…
だから15階層のボス部屋までの最短ルートが出回るまで別のダンジョンに行こうということになったのだ。
そこで選ばれたのがココ秋葉原ダンジョンだ。
ココは一番近いダンジョンで11階層からのバイオームが、山岳なので、移動が大変だろうけどアイテムなども多そうという理由で選んだ。
◆
「た~まや~」
『『た~まや~』』
やまびこが返ってくる。
スタート地点が山の上で、見渡す限り山、山、山。
山しかない。
街に住んでいると山など見ることが減ってきたのでなんか新鮮な感じがしていい。
「これ、いるやつだ。」
僕は山に自生していた青い花を取る。
【英霊花】
ポーションの材料になる花。
効果を増幅する。
これをポーションに使うだけで(おそらく)効果が強くなり少しでも高い値段で売れるだろう。
◆
『キーーーー』
この階層のモンスターである『バッドイーグル』だ。
このモンスターは上空からの急降下による突進と、地面に落ちている石などを拾って落とす。
などをしていて嫌われているモンスターだ。
『ハントベア』の糞を拾って落としてきて頭が臭くなった人もいるみたいだ。
だがドロップする羽には軽量化の効果があるので、お守りとして持ち運ぶ人もいるくらいだ。
ギルドで150円で売れるらしい。
売らないけど。
僕は標準をあわせて、バッドイーグルを撃ち抜いた。
10発で‥
地味に早いせいで全然当たらなかったのだが、一気に5発撃ったら倒すことができた。
回避の手段のある敵はガバガバエイムの僕には少しだけきつい。
「グギャァ!」
次は『闇烏』という見た目死にかけの烏のモンスターだ。
このモンスターは何故か傷だらけの状態でマッチングするという謎過ぎるモンスターで、
羽や脚が欠けているせいで、大体がたどり着く前に尽き果てるのだ。
その上見た目とは裏腹に凄く美味しいらしく、倒したら確定で落とす烏肉が、100グラム5000円とあり得ない値段で売られていた。
だが今回は気がついたときには倒れてしまった。
この闇烏にはもう一つドロップがあり、そのドロップは倒せなかったときのみ落とす 。
「芽依!離れるぞ!」
が、もう芽依は離れていた…
闇烏の倒れたところから黒い煙が吹き出す。
◆
僕達はその煙に飲まれてしまった。
僕たちは知らなかった。
闇烏の確定ドロップが高値で取引される理由は…
この煙に30分間全てのスキル、効果を封じる効果を有してるから誰も戦おうとしないからだ。
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