第2話 学園編2

「コウ、早く。」


俺が校門で感慨にふけっているとユーナが声をかけてきた。


「ごめん。いま行く!」

「何してたの??」

「いやぁ、入学できてよかったなぁって染み染みしてた。」

「そっか。コウは頑張っていたから入学できて当然だよ。」


そう言ってユーナは微笑んだ。ところで唐突だがこのユーナさん。当然のように美人さんである。小さい頃は特に意識はしていなかったが、気づけばなんかめっちゃ美人さんになっていてビビった。子供の成長は早い。


そんな美人さんが校門で可憐に微笑んでいるもんだから周りからチラホラ視線を感じる。俺の方の容姿もまぁ悪くはないとは思うけど、、、


「ありがと、ユーナ。体育館行こっか。」

「そうだね、早くしないと入学式始まっちゃうよ」


俺たちが体育館にたどり着いた頃には大方の新入生たちが既に体育館に集まっていた。そして始まる入学式。校長先生の挨拶、生徒会長の挨拶、諸注意事項、、、この辺りはどこの世界でも変わらないらしい。


特に何事もなく入学式は終わる。そしてクラスごとに分かれて説明。授業は来週から。言い忘れていたがここヴェルムス学園は帝都に存在している。なので俺もユーナも学生寮に住むことになった。


その後もそれなりに色々あったものの、特に大きな事件もなく、可もなく不可もなく日々は過ぎていく。。。かに見えた1学期の中盤。ついに事件は起きた。


「ちょっと待てよ。」


その日もいつものように授業が終わった。今日は特に部活も無かったので寮に帰ろうとしていたところ、チャラそうな男に絡まれた。


「ん??何ですか?」

「あんたがコウ・サギサワか?」

「そうですけど。あなたは?」

「ドゥニ・カラックス。あんたに話がある。ちょっと来てくれないか?」


そう言ってチャラ男ことドゥニに部活棟の方に連れて行かれた。授業も終わったばかりでまだこの時間は人もそう多くない。空いていた多目的室に二人で入った。


「で、何の御用ですか??」

「突然わりぃ。ただあんたの噂を聞いたから少し確かめたくて。」

「噂?」

「そうだ。」

「どんな噂ですか?」

「とある新入生が生徒会長と取引して学校の購買を改革。そしてボロ儲けした。」

「へぇ。。。面白い噂ですね?」

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