第13話 ボス戦

志郎がボス部屋に入る順番を決めていた。順番を志郎が告げていた


 「俺、シータ、セリカ、シェリー、クレア、ブラックスワン、ニーベルング、ナンシー、エリシス、フレデリカの順で突入する。万が一途中で分断された場合に備えて戦力を分散させるので俺が先頭でフレデリカが最後なの外す事は出来ないぞ。いいな?」


 皆頷き志郎に続く。セリカはシェリーにくっついていく。いつ襲われるか?と身構えたが、拍子抜けした。全員入れたのだ。


 石造りのテニスコート二面位の部屋で部屋に入ると一瞬光り輝き中央にオーガが3匹出た。


 志郎が一匹を相手にする。

 フレデリカ達ムーンストーンがもう一匹。

 ブラックスワンとナンシーがもう一匹。

 シェリーにはセリカの護衛と状況を見て加勢に向かうように志郎が指示を出していく。


 志郎が太刀で打ち合っている。

 10合位だろうか。

 右手を切り落とした。そこからはあっという間に左腕を切り落とし、首を刎ねた。


 セリカはぽかーんと志郎が戦う様を見ていた。


「素敵。やっぱり強くて格好いいなと!彼氏だったらな」


 と呟いて見いっていた。


 もう二匹も既に満身創痍でトドメを待っている。

 順調に行っていが、何故か皆止めを刺さない。志郎が止めを刺して回っていた。


 赤毛の子がが吹き飛ばされて脚を折ってしまったようだが他には怪我をしている者は居なかった。セリカは出番とばかりに駆けだして赤毛の娘、トリシアを治療していた。


「えっと初めまして。セリカって言います。直ぐに治しますからねーエイ!」


 トリシアの苦悶の表情が和らぐ。


「ああ、助かった!あたしはトリシアってんだ。聖女様宜しくね」


 オーガ3匹を倒すと魔石とドロップがあった。

 ドロップはオーガの皮鎧だった。早速セリカとニーベルング、ライトアイに着 るように志郎が渡す。今は市販品のを着ているが、遙かに防御力が高いという。


 ライトアイと言われた剣士とニーベリングがその場で着替え始めた。セリカは着替えようとしたが脱ぎ方が分からない。ナンシーとシェリーが手伝って着替えさせてくれた。


「えっとナンシーさん、シェリーさんありがとうございます」


 深々とセリカはお辞儀する。ナンシーとシェリーは軽く手を振って大した事はしてないよと笑顔だ。


 ボス部屋を出た後階段に向かうが、今日の目標まで来れたのでここで一泊する事になった。セリカは思い出した。10階までは行きたいと言っていたと。


 志郎がテントを出して3帳設置する。既に組み立てており中に布団を置いて皆に整えて貰った。


 セリカは驚いた。アイテムボックスは要領制限の為そんな使い方は無理が在るのだ。


 1つのテントで4-5人位寝れる。

 テント割りを志郎が告げる。

 ブラックスワンで1つ、ムーンストーンで一つ、ナンシーとシェリーと志郎とセリカで一つと。


 セリカはぱっと明るくなった。他の子もいるが、志郎と一緒のテントなのだ。少し頭が痛いが、大変な1日だったから、疲れかな?寝れば治るよねとセリカは思い、心配掛けまいと顔に出さないようにしていた。


 食事をするとなった。食事を摂ると言っても収納から出来合の物を出す簡単なお仕事だと志郎はいう。


 温かい物が出る。セリカはおかしいと感じる。保存食ではなく、店で出るような皿に盛られている。どう見ても容量制限を越えている筈だ。


 一通り食べた後、休む事になり、今回は3人一組で見張りをすると。

 志郎が一番最後になつまた。途中をするというと皆に却下され、そもそも見張りに加わるのを皆が猛烈に反対したが、志郎は押し切っていた。

 有難い事に、セリカだけは不慣れで全員一致で見張りから外した。セリカは申し訳なさそうにペコペコしていたが、トリシアが


「気にすんなって。ヒーラーは黙って寝てな。皆が傷ついた時に頼みの綱はヒーラーだかんね。期待してるよ聖女セリカっち」


 とみなざっくばらんに気にするなと言ってくれた。


 そして見張りの組み合わせをフレデリカが発表していた。志郎の当番はライトアイとニーベルングと一緒だった。セリカは志郎の事しか気にしていなく、他の番はスルーしていた。


 そして見張り以外はテントに入って行く。セリカは志郎のマントの端を掴んで離さなかったのであった。

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聖女だけど異世界でテレポーターしてます!~愛されて皇帝の本妻に? 鍵弓 @keybow5963

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