第9話 胸を触られた

 休憩後にフレデリカとセリカの打ち合いが始まる。


「セリカさんだね。私はフレデリカだ。我が主の想い人に恨みは無いが、生き残る為に敢えて痛い思いをさせてしまう事になる。先に謝っておくよ。すまない。過度に痛くはさせないが、痛いのには変わり無いですからね。セリカさんは中々見所が有りそうだね。本来の得物とは違うようだけども」


「はい、加減なくお願いします。私は剣は不慣れですが、槍に似たのは得意です。胸をお借りします。それではいざ参ります」


 打ち合いが始まったが、暫くするとセリカの絶叫が木霊した。


 フレデリカが情け容赦なく切り結ぶんで来ていて、セリカの攻撃は一度頬をかすったが、それだけだったのだ。


「いったーい!い痛い痛いよ!」


 と演技ではなくセリカは本気で叫んだ。どうやら腕の骨が折れたみたいだ。


 すると志郎が


「俺はヒーラーも兼ねている。治してやる」


 と叫び駆けつける。志郎の所の女性陣達が駆けつけて周りの視線を遮った。その隙にセリカの首に着けられていた首輪に触れ奴隷の主人を書き換たようだ。セリカにも分かった。


 首輪は魔法の補助道具として装着していた。デザインも凝っていたので何も疑わず、しかも志郎に言われるまでこれが隷属の首輪だとは全く気が付かなかったのだ。しかも、特殊な作りで、本当に魔法の補助具を兼ねていたのだ。


 そうすると志郎の手がセリカの服の中に入ってきて左胸を掴かまれた。


 セリカは一瞬びくんとなり、痛みより胸を直接触られた恥ずかしさで一杯だ。ただ、志郎は紳士だと感じだ。それは胸を揉まなく、ただ掴んだだけだったからだ。実際は違うのだ。志郎はむっつりスケベて、セリカにも嫌われたくないから揉まなかっかたが、五感の全てで、掴んだ時の感触を堪能していた。確かに揉まなかったから紳士と言えば紳士なのだが。


 セリカはただ彼に触れられた満足と温もりに涙を流した。周りには痛みで涙が出たと思うのだろうが、そうではないのだ。


 そしてスキルが付与さる。

 志郎がセリカに付与するのは隠密と肉体再生、トランスフォームだ。セリカはビクンビクンと体を反りやはり失禁した。


 そう、セリカは性的に感じていた。聞いていたがエクスタシーに達したのだ。勿論初めての事で、失禁もし、恥ずかしさで穴があったら入りたい位だった。


「はああ」


 とセクシーな声を思わず上げていた。そうすると志郎がクリーンを唱え、すかさずヒールを唱えてくれた。すぐに腕はくっつき回復する。しかし息が荒い。


 セリカは痛みで自分にヒールを使えなかった。魔法を発動する為の集中が出来なかったのだ。


 セリカはスキル付与の影響で動けなかった。

 志郎は団長に少し休ませるよう説明をして、シェリーにセリカを近くのベンチに寝かせるように指示をして、セリカを運んで寝かせていた。念の為にシェリーがセリカに付いていてくれるのでセリカは志郎の事をシェリーに聞いていた。


 セリカは1時間で回復し、訓練に戻っていく。シェリーが唸っていた


「流石転移者ですね。今まで肉体再生を与えられた者は私を含めて皆数時間は動けなかったのですよ。セリカさんは1時間程で回復って凄いですね。セリカ山門ランスの事を好きなんですよね!私達良いソウルメイトになれそうね」


「うん。私彼の事まだよく知らないけど、素敵な人よね」


 と短い時間でセリカはシェリーと交友を深めた。


 夕方近くになり訓練は終わったのである。セリカは珍しく機嫌良く城に戻るのであった。

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