第7話 戦闘訓練
朝目覚めたセリカは思う、今日は召喚から何日経ったのかしら?と。今日は気分がすっきりしていて、数日前からの、まるで媚薬を盛られたふしだらなもやもやした感情が消えていてほっとしている。
毎朝トイレで陰部を確認し、まだ純潔なままか確かめないと怖い位に強烈だったのだ。
セリカはお兄さんに抱かれる妄想で催淫衝動を乗り切っていた。どんな風にキスをするか、どんな風に愛し合うか等だ。
流石におかしいとは感じていて、精神支配をしようとしているのかも?と感じていた。
そう言えば完全に意識が無かったのは数日前に丸二日間有った。己を取り戻した時に、自分の格好に驚いた。セクシーランジェリーを身に付けていたのだ。あり得ない位に恥ずかしかった。部屋のクローゼットの中の下着の大半はセクシーランジェリーだ。誰がいれたのかため息しかでなかった。
しかし、その後は数日間麻薬を盛られた症状だった。
昨日の話だと明日から実戦訓練を行う。最近オーガという中級の魔物が出た森に騎士団と行く。魔物を倒し経験を積む為と。最近オーガ騒ぎでかなり一般市民が困っているというからだ。
そして今日はこれから上級冒険者に訓練をして貰うそうだ。
騎士や兵士と違い、実戦で鍛えた本物の戦士と。しかも自分のグループは男3女7と、女子が多い。
その為女性の多いパーティーに依頼しているから、特に女子は良い経験になると言われていた。
装備は明日からの実戦で着ていく真新しい皮鎧や武器を身に付けている。
そして騎士団の練兵場に向かった。
若い騎士に先導されて練兵場に着いたが、既に騎士団長と冒険者がいた。
騎士団長はとても綺麗なキリッとした女性だ。鍛えられていて女の自分から見ても素敵な女性で、25~30歳と思われた。セリカは素直に格好良い女性だなと思うのだ。
170cmには過ごす足りないが女性としてはかなりの身長だ。
セミロングのブロンズで大人の女性だ。鎧は着ておらず、動きやすい感じの騎士団の制服を着ていた。
スタイルはすらっとしているが、胸は自分と同じ位だと感じていた。
冒険者は男性が一人、女性が7人だ。しかも皆さん美人揃いときた。
男の顔は見えなかった。ヘルムで見えないからだ。
ただ、漂う雰囲気や仕草、堂々とした仕草からはただ者では無いのがなんと無く分かった。かなりの強者だと。
どうやらこのパーティーのリーダーで、この女性達は彼のハーレムの女性で、絶大な信頼を得ているのが分かる。また一緒にいる女性をとても大切に扱っていてお互い尊敬しあっているんだなと羨ましく思えた。
皆が集まったのを確認した団長が説明を始めた。
「勇者諸君よ、よく来た。明日からの城外での実戦訓練前に本職の冒険者に来て貰った。君達の訓練をしてくれる。騎士の剣技とは違う実際に魔物と戦っている冒険者の剣技を身をもって感じてくれ。今日皆を指導してくれるのは今王都にいる中では最強のA級冒険者のランスロット殿とそのパーティーメンバーだ。ランスロット殿は私より強いぞ。S級以上はダンジョンの攻略等で不在で来て頂いた。」
とリーダーを紹介する。
そして戦闘訓練がはじまった。セリカ達は話にならなかった。剣で本気で打ち込んでもかすりもしない。空振りで倒れない為に剣で受けてくれていた。正に剣道数倍段だ。こちらが宝剣、向こうが木の枝でもかすり傷一つ追わせられないだろうと確信していた。
セリカの最初の相手はシェリーという美少女とだったが、その優しそうな可愛らしい顔とは裏腹に剣は強く、色々な指導をされていた。不思議と悔しくはない。同じか一つ位年下に感じる。彼女もそうだが目が違う。なんと言ったら良いのか、薙刀の師範から感じられる雰囲気を持っていたのだ。
そこから何人かと手合わせをした後にリーダーとの番が回ってきた。
普通に打ち合い数合打ち合っていると彼が話し掛けてきた。
「そのまま悟られないように打ち合え。大事な話をする」
と言うのだ。
声があのお兄さんそっくりなのだ。セリカは興奮を抑え
「まさかお兄さんですか?」
と言うと頷き
「そうだ。放逐されたが何とかしぶとく生きている」
「良かった。あのですね、出来たら助けて欲しいんです。」
と小声で話す。
「君以外に正常な奴は?」
と聞かれたのでセリカは首を振り
「あたしだけ」
「分かった。この後渡す指輪を填めろ。念話が出来る。アクセサリーとでも言えば良い」
と打ち合いを終えて握手を交わして握っている指輪を渡たされた。久し振りにその手に触れてセリカは涙を堪えるので精一杯だった。
お兄さんはセリカに指導しているように話をし、セリカが指輪をするのを周りから隠してくれた。
程なく別れて他の女性まとの訓練を行っていたが、まさかの再開にセリカの心臓はばくばくし、今にもお兄さんに抱きついて泣きたかった。ただ、驚いたというか呆れたのは召喚から僅か2週間ばかりで追放された0の状態だった筈なのに、生き残るのも大変なのに、7名のそれも皆モデル張りの綺麗な女性ばかりでハーレムを作っている。いったい何故か?また彼は何者なのか疑問が一杯で嫉妬の感情が無かった。
周りのクラスメイトもセリカと同じで同じような歳の冒険者達に歯が立たないレベルではなく、子供のようにあしらわれていた。
各自適度に休憩を入れていて、セリカが休憩に入った時にお兄さんから念話が入ったのであった。
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