第22話
幸之助との対面を済ませた僕達は、アウトレットでショッピングをする。
ナナ
「ほらあれディンラバ、亮介お気に入りの幸之助さんのブランドよ」
… なんだこの下品な感じ…これが逆転世界のトップブランドか、こわっ …
僕はゾッとしたティンラバは店構えから受け入れがたいセンスだ、逆転世界の亮介はこれの何処が良かったのだろう…
亮介
「こっこれは、なかなか」
ナナ
「そうでしょ、すごく人気なのよ」
ナナは亮介とは真逆な反応でテンションを上げる。
愛
「私には高くて手が出ないけど」
… 愛は逆転世界の人間だからナナと一緒でこんなのが好きなのかなぁ …
亮介
「何でも買ってあげるからいろいろ選んで」
金持ちの中年オヤジ見たいな台詞が自然と出たのに軽く自分で驚いたが、この世界の生活に馴染んできたと言うことだろう。
ナナ
「やったぁ-! 見に行こう」
… お前には言ってないと目でツッコんでから店内に入る僕なのだ …
ナナは、亮介を引っ張り回して服を選ぶが愛は遠慮してるのか、それを遠目で見てるだけだ。
亮介
「ナナ、ちょっと1人で選んでて」
ナナ
「なんでぇ~」
亮介
「また後でね」
亮介は、ナナを振り切って愛の下へ行く。
亮介
「なんか探しなよ?」
愛
「どうせ、似合わないし高いから…」
亮介
「僕が払うからお金は気にしないで良いよ」
愛
「でも…」
逆転世界では表の世界の可愛い子はみな一様に卑屈だ… 表の世界のブスもこんな感じで自分を抑えて生きてるんだなと思ったら何かセンチメンタルな気分になった。
今までブスの事など考えなかったが逆転世界でイケてるブスとの接触が頻繁でブス慣れしてるのかも知れない。
… まぁブスは、ほっといて愛を相手してやらなと …
亮介
「僕の友達の服だよ、僕のサポーターの制服だと思って着てみて」
愛は、ブスにも優しい亮介を人としても尊敬する。愛の中で亮介のカリスマ性がワンランク上昇した。
愛
「わかった…でも…亮介が選んで」
自分で選ぶとブスが無理してとかブランドが可哀想だなどイジられるのを恐れて、亮介に服の選択を頼む愛。
亮介
「いいよ、まかせて!」
亮介は売り場に振り返ると焦り出した。
… しまったぁー! 僕の感覚だとこっちのダサイセンスなんだ…どうしよう …
困った亮介はディスプレイやマネキンを見て何となくイメージをわかして選ぶ事にした。
マネキンと似たコーディネートを愛に勧めた。
亮介
「どう…こんな感じ?」
愛
「服は素敵だけど、私には似合わなくない…」
亮介
「そうかなぁ~」
… よし、僕のセンスを試して見よう …
亮介は表の世界のセンスで服を選び出した。
亮介
「これなんか、どう?」
亮介の選んだ服に微妙な顔をする愛。
… 高級ブランドの服だから良いやつなんだろうけど…何か、変なデザインだなぁ …
自分のセンスに逆転世界の愛がどう反応するか、興味津々の亮介。
… どうだ、さっきのがいまいちなら僕のセンスはどうだ!イケるかダメか! どっちかなぁ~ …
興味津々に愛を見る亮介に違和感を感じた愛は卑屈に考え出した。
… なに、あの顔…何か企んでる…私、試されてる?さっきのとこれとでは全く違うデザイン…私のセンスを試してる…違う、からかわれてるのかも …
愛
「私は亮介が選んでくれた物なら何だって良いの…だから亮介が決めて」
… 私のセンスを試してるなら私に決めさせようとするはずだけど…やっぱりからかってるだけかなぁ …
… 可愛い事言うなぁ~でも、どうするか迷うな …
亮介
「値段気にしないで好きなの選んで良いだよ」
愛
「亮介が選んだ服が良いの…」
亮介
「よし…じゃーこれにする」
愛が微妙に感じたダサイ服を亮介が選んだ…愛は亮介が自分をからかっていると思いショックを受ける。
一連の流れを盗み見していたナナは、亮介に服を選んでもらった愛に嫉妬する。
… なんで、あんなブスに優しくして私は、ほったらかし …
すねてるナナに店内に潜む盗撮カメラマンがOKサインを出して姿を眩まして行く。
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