第20話


神様の角には返信が出来なかったネットやSNSで色々な検索をしたけど成果はない…やっとつかんだ表の世界の元住人、どうしても会いたかったが、今は土曜日の夏希とのデートに心踊らせる僕なのだ。





金曜 9:00



Eveエンタープライズ所属 タレント


ナナ



介護師


藍川 愛




金曜担当のナナと愛も時間通りにやって来た。何時も通りリビングでサポータールールを説明したが僕はもうサポーターの削減を考えていた、その事はユミカと美麗にも伝えたが特に反対はされなかった。





「それが記憶喪失の治療になるならナナさんには申し訳ないですけど私は従います」



ナナ


「愛、もうさん付けはなしよ。私はそんなの気にしないから愛も気にしないで! ねっ亮介」



亮介


「そうだな…ナナは今日も元気だねぇ」



ナナ


「えっ…なんか、それだけが取り柄見たいに言わないでよ」



みんなで笑った。昨日とは違い良いムードだ。




しかし、能天気見たいに言われたナナだが自分の目的の為に週刊紙の記者を呼んでスタンバイさせるという用意周到さを持っていた。


 狙いは熱愛報道の偽装だが本人は、本気で亮介と付き合いたいと思っている…


 週刊紙の偽装は外堀から固めるつもりでいるからで恋愛的作戦の1つだ。






ナナ


「今日は亮介行きつけのアウトレットで買い物しよう」



亮介


「そんなのがあるんだ…」



ナナ


「亮介のお気に入りのブランドとか私が教えるから、少しでも何か思い出したら良いね」




ナナが無邪気に予定を話すが、別人の僕に思い出す事は何も無い…少し心が傷んだ。



亮介


「そうだな…」






僕達は、日本最大のアウトレットに向かった。




千葉の郊外に立てられたアウトレットショップはディズニーの様なアミューズメントパークと隣接されていて高速からの眺めは圧巻だった。




ナナ


「どう? この景色何か感じない」



オーディションの時は只の売名でやって来たと思っていた亮介だが、本気で記憶喪失を治そうとしてるナナに感動していた。



… 凄い調べたんだろうな…僕の為に、この圧巻の眺めに何か思い出すかも知れないと今日の事を計画したのか …




亮介


「ごめん…」



ナナ


「やだぁ~気にしないで、あたしが結果を急いだ見たいじゃない。ぜんぜん想定内です!


 ねぇ、愛」




「そうです。本番は、これからだから…亮介は楽しむ事だけ考えて」




愛は、ナナが何故ここに連れて来たのか想像がついた。逆転世界で亮介ファンなら誰でも知ってる人がこのアウトレットにいる。



その男なら亮介の記憶を呼び起こすかも知れない、ナナと愛はその男に期待した。




亮介達が乗ってる車がアウトレットの入り口にやって来た。


 入り口にはオシャレに洋服を着こなしたその男が出迎えていた。






…?


「亮介、やっと来たな…」



この男がナナと愛が記憶を呼び戻す起爆剤になるかもと期待した男だ。






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