第14話


僕のセンスで選んだ水着はやっぱり逆転世界ではダサ過ぎた見たいでクレームを入れられた。


 僕はその場しのぎで乗り切る。


 



「たいした意味は無いけど…僕のサポーターがどんな風に着こなすかと思ってね」



「そんな…そんなの私には無理だよ! こんな顔だし…」



僕にとって美人のハルナは逆転世界で自分をブスだと思っている…そんなハルナについ本音が出てしまった。



「僕はハルナがとても美人だと思ってる…だから自信を持ってその水着を着てよ」



ハルナは亮介が自分の事を美人だと言った事に困惑したが、医師の観点から亮介に従う事を選んだようだ。



「正直…亮介の考えてる事が分からない。でも貴方がそう言うなら着るわ」




プールで待つ僕の下へ2人がやって来た、僕の渡した水着を着ている。



 ハルナは予想通り可愛いが恥ずかしそうにしている。それにくらべ何故か自信まんまんの栞…これが逆転世界の現実だ。




「何のテストか分かんないけど、亮介と私が一緒ならみんなこの水着に意味があると思ってオシャレだと思うんじゃないの…」



ファッションリーダーの奇抜な格好を真似して恥をかいた人は多いだろう…でもこれは、あのファッションリーダーと同じだと言うと皆黙る、結局個人の感性は他人の評価なしに語れない。


 となると逆転世界で評価のある亮介が変な格好をしても世間はファッションだと認めると言う論理の栞…でも亮介は欲望のまま自分の好みを着せただけだった。



亮介


「ハルナ、クロールの練習しようよ」



ハルナ


「私は大丈夫だから亮介は好きに泳いで」



「ハルナに教えたいんだ…僕の望み通りが精神的に良いんだよね」



亮介は完全にセクハラモードに入っていた。



「えっ…そうだけど……わかったわ」




「あたしも教えてぇ~」



「栞は後でね、今は好きにしてて」



「はい、はい、そうしますよ」



案外あっさり引き下がった。栞が事務所のマネージャー達とプールサイドでミーティングを始めると、邪魔が居なくなったと俄然セクハラモードに拍車がかかり指導する亮介なのだ。



「もっと足を真っ直ぐ」



そう言って足首から太ももをさわる。



… この太ももの弾力たまら~ん!最高だぁ~~! …




そのままお尻も少し触ってみた。



「ここで、腰を上げない様に身体を真っ直ぐ」



… お尻やらかぁ~い!あぁ~立って来た…でも水の中だか大丈夫か …



「あっ! ちょっと亮介1回休憩しよ」



… やだぁ、あたし濡れてる…ちょっと足触られたぐらいで…水の中だからバレないと思うけど …



「休憩…」



… 不味い、今はプールから出られない…どうしよう …



栞が亮介達の下へやって来た。



「亮介、ごめんちょっと仕事で2時間ぐらい出掛けるね」



… ナイスタイミングだ栞!その顔で勃起が萎えるぜぇ~これでプールから上がれる …



「あぁ分かった取材?」



「雑誌の撮影」



「えっ撮影?2時間で終わるの」



「終わらすのよ」



「…それって僕のサポートに戻るため」



「そうだよ亮介第一だから」



「ありがたいけど…僕の為なら仕事は尚更ちゃんとやって貰いたいな。僕に関わって自分の価値を落とさないで貰いたいんだ」



… こういうとこが女に恨みを買わない理由かな、やっぱり亮介は興味深いわ …



「分かった…撮影は全力でやって来る。だから帰って来たら沢山誉めてねぇ」



「あぁもちろんだ、頑張れよ」




… やりぃ~!ハルナと2人だぁ!これはセクハラチャンス、なんか理由つけてマンションに戻るか …



お互いに良い意味にとらえる2人だった。






僕は水着テスト、終わりって言ってマンションに帰る事にした。


 ハルナはどんなテストだったのか聞いてきたが僕の影響力を感じて見たかったからだとなんのこっちゃ的に答えてごまかした。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る