第13話
火曜日 午前9時
栞アイドルとハルナ心療内科医が時間通りやって来てた。
アイドルの栞は朝からハイテンションだが、ハルナは栞の後ろに隠れる様にしている。
「おはようございまぁ~す。
栞で~す! 今日から宜しくお願いします」
ハルナが気後れしながらも後に続く。
「柳ハルナです。宜しくお願いします」
ハルナがリビングを見渡す。少しでも何か亮介の役に立とうと昨日から自分が何をすれば良いか色々と考えていた。
「亮介さん、部屋を風水的な配置に替えても宜しいですか」
「えっ? あぁ…てをも、その前に2人とも座って」
亮介は、やはりフランクに呼び捨てで敬語は使わない様に頼んだ。
「さんせぇ~~!」
栞が元気に返事をする。ハルナも亮介の希望に従う事がベストだと納得した。
「じゃ~栞って呼んでみて」
現役アイドルの地位を捨ててサポーターになった栞が何を考えてるか分からないが他人の懐に入り込むのは天性の物があるようだ。あって間もないが親しみを感じる。
「栞はアイドル辞めたみたいだけど仕事はどうするの?」
「亮介のお嫁さん!」
僕からしたら、とんでもないブスの告白!!!
だが、逆転世界ではアイドル…この子が、表の世界で生まれてたら絶対に口にしないだろうセリフだ。
「ハハッ まだ僕は遊び盛りだよ」
「亮介の女好きは有名だからねぇ~。でも何時かは結婚するでしょ?」
「40までにはしたいけど…まだ27だし」
「子供が欲しいとか無いの?」
ハルナの問いに何故か、栞が元気に応える。
「はい!はぁ~ぃ! 亮介の子供が欲しいぃ~!!」
… なんだか…今日はヤれそうな気がするぅ~~!(エロ詩吟風) …
「今は、とくに無いけど。 それより僕の女好きの話なんだけど…世間にどう思われてるの?」
ハルナ
「最初の頃は、マスコミが派手に騒いでだけど…」
栞
「結局、当事者が何も言わない…むしろ亮介を叩くマスコミを非難してたよ」
ハルナ
「亮介はいろんな女性に手を出したけど女性達はみんな亮介を擁護した…亮介を叩いたマスコミはあなたに負けた」
栞
「そんな感じで亮介の女好きは世間に公認されたんだよ」
… 驚いた。このご時世で浮気を肯定させたのか…何て偉いんだ逆転世界の亮介、男の鏡だ! …
「そっそれって、僕は複数と付き合っても許されるって事なの?」
ハルナ
「う~~んっ、多分それとはちょっと違うと思う亮介は許されるじゃ無くて…亮介と関係を持った女がみんな亮介を許してるって事なの」
栞
「不思議よねぇ~どんなトリックなの? みんな納得して別れる…何で揉めないんだろう」
ハルナ
「それが分かるまでは女遊びは危険だと思うよ」
亮介
「そっそんなァー!」
栞
「心配しないで私は何時でもOKよ」
… イッエェ~イ! って僕にとってお前はブスすぎるんだよ…しかしこのノリは最高、ハルナもこんな感じにならないかな …
ハルナ
「こう言うのが一番危ないわね」
栞
「なによ、どうせ相手にされないからって僻まないでオバサン」
「なっ…私はまだ二十代何だけど!」
「えぇ~ごめんなさぁ~い、アラフォーに見えたから間違えちゃった」
「…世間では可愛いと思われてる見たいだけどあんた21でしょ」
「だからなに」
「その程度の可愛さなら5年もしたら見向きもされないわよ…もっと人間力上げなさい」
「私は今を生きてるの過去にも未来にも影響されない100%NOWよ!」
カッコいんだか悪いんだか分からないセリフを決め仁王立ちの栞に、ハルナが圧倒された。
亮介
「ちょっとちょっと!2人とも親睦を深めるのはそのくらいにしてくれる」
そんなの深めてない!と2人が盛大に突っ込むが、亮介のぬるっとした仲裁でムキになるのが馬鹿らしくなった2人は矛を納める。
揉め事が収まると亮介が予定を話し出した。
「よし!それでは、今からプールに行きまぁ~す」
ハルナが見学を希望する。
「ごめん亮介、水着無いから私は見学するわ」
そんなことは分かってるとばかりに亮介か栞に話しかける。
「栞も水着何て持って来てないよね」
「うん。聞いて無かったから」
「水着は僕が用意してるから、大丈夫」
ハルナは水着でブスが露になるのを嫌がっていたが、ハルナの容姿は表の世界なら女優レベル…亮介の目的ははなからハルナの水着姿だった。
プールの更衣室で戸惑う2人、亮介に渡された水着がダサイ…
「ちょっと、なにこれ…ダサっ!」
さっきまで揉めていた2人が水着のダサさで意見が合った。
「亮介に聞いてくるわ」
ハルナが僕の所にやって来た。
「わざとだと思うけど、このダサイ水着はどんな意味があるの?」
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