第9話
CM明けに、視聴者による水着審査の結果が発表される。これは男性が選ぶ彼女にしたいNo.1と女性が選ぶ同姓が憧れるNo.1の2つだ。先に同姓が憧れるNo.1のトップ10が発表されて行き、いよいよ1位の発表だ。
「お待たせしました!
それでは、同姓が憧れるNo.1は…
ユミカさんです!!」
… 出たぁ…審査関係ないちゅ~の、目立つなって …
「すごい嬉しい!みんなありがとうー! でも、これはオーディションとは別の審査なんで間違えないで下さいねぇ。私はあくまでもサポーターオーディションの審査員ですから」
視聴者による水着審査は次に、彼女にしたいNo.1のトップ10が次々に発表され残すところ一位のみになった。
「男性が選ぶ、彼女にしたいNo.1は…やはりこの人、桜さんです!!」
「ありがとうございます!これからも応援お願いします」
余興も終わり二次審査の結果発表の時が来た。僕は、6人を選んでユミカに選考用紙を渡した。後はユミカが何となく世間が納得する様に調節する。
見学に来ている大量のスタッフの歓声に包まれて2日目のオーディションは終了した。例によって僕達3人は第一会議室に集まった。
ニジTV 第一会議室
「ねぇ…亮介は、あの6人の中から決めるんでしょ?」
「あぁ…そうだよ。ユミカは10人残したけどだいたい決まってるの?」
「まぁね、綺麗どころを……でも1人迷ってる」
僕はユミカの選考が迷ったところでブスはブスと特に気にしなかった。残り16人だけど、僕にとってはあくまでも自分で選んだ残り6人だ。
「お疲れ様」
美麗が会議室に入って来た。
「やったわ!今年の最高視聴率間違い無しね」
「良かったね。 亮介の下半身も大喜びだったし…ブッ」
ガッハッハハハァ~!!
キャハハハァ~!
… ちっ、好みのタイプを話してから、めちゃいじられるな …
僕で爆笑した後、ユミカのスタイルやダイエットなど女子バナで盛り上がっていたので僕は2人を置いて先に帰宅した。
AM2:00
亮介 自宅
夜中にスマホが鳴った。ユミカからだ…
「ごめん、寝てた?」
「大丈夫、起きてたよ」
「ちょっと話があるんだけと…」
「なに?」
「今、近くだから行って良い…」
「別に構わないよ」
電話を切ってちょっとしたらユミカがやって来た。僕はリビングに通して話を聞こうとしたが何も喋らないユミカ…
「なんか話があるんじゃ無いの?」
ユミカは立ち上がると寝室に向かった。
「こっちに来て」
「えっ…?」
ユミカが服を脱ぎ出した。
誘ってる! 逆転世界でユミカは美女…突然来て脱ぐのは美女の特権! だが!だがしかし!!僕からしたら恐るべしブスの嫌がらせなのだぁガビィ~~ン!
「どっどうしたの…らしくないな」
「そういう気分なの…寄りを戻そうとかじゃないから」
「あっいや、ありがたいけど…今はオーディションの事で頭がいっぱいって言う感じで…」
「なによぉ~、らしくないのは女好きの亮介君じゃない」
「えっいや、明日は2人ともオーディションラストに体力温存と言うことで…」
「いいのよ亮介は寝てるだけで、オーディションの時見たいに下半身膨らませれば」
ユミカがとうとう全裸になった。ユミカにとって僕はブス専だが、僕にとってはユミカとヤルと本当にブス専になると言う事になる…あぁ、ややこしい…
ユミカが僕の手を引っ張ってベットに倒れ混む。
「楽しみましょう」
彼女の手が僕の股間をまさぐって来た。
「立ってない…」
僕にとってユミカはブスだが、流石に触られると反応しだす…こりゃもうヤルしかないのかと思った時にユミカが離れた。
「本当にブス専なのね…そうは言っても興奮すると思ってたのに……触らないと駄目なんて…」
僕の反応がショックだったのかユミカは服を着出した。
「ごめんね…帰る…」
… 助かった! 明日から良い女とヤリ放題だから、ユミカなんかとヤってる場合じゃ無いんだけど、元カノとしてはショックだったのかな …
「ユミカ違うんだ、本当に僕の感覚が変わっちゃって…」
「そうね…気にしないで、明日ガンバろうねぇ」
ユミカが笑顔で帰って行った?何しに来たんだ?? でも笑顔だったから多分大丈夫だろう…僕は深く考えずにそう思った。
最終オーディション ニジTV
第一会議室
「2人とも本番前には10人決めといてよ」
「亮介はほぼ決まってるから大丈夫。私は単なる帳尻合わせだし問題ないよ」
「そう、じゃあ後は本番盛り上げてね」
亮介が元気良く答える。
「まかしてよ!最高に盛り上るぞぉ~~!!」
「頼むわよ。でも亮介…本番中に股間は盛り上げないでね」
ギャハハハハッハァー!
ダッハァハハッハァ~!
… またこれだ、僕は逆転世界のトップ美男子だぞ! まぁこの展開もう慣れたけど …
そして本番がスタートした。これが終れば僕のハーレムが完成する美女とブスの館でヤリ放題だ。
美麗には股間を膨らますなって言われたけど考えただけでパンパンになる僕なのだ。
オーディションは1人づつ合格したらまず何をするかをラストアピールとしてプレゼンする。
柳ハルナ
「私は亮介さんが記憶喪失のプレッシャーから逃れられる様にマンションを癒しの空間に変えて心身のリラックスを提供します」
「具体的にはどうやって癒しの空間を作るの?」
僕が選んだハルナにユミカがツッコんだ。
… 何はりきってんだよユミカは、昨日僕にフラれたくせに、僕担当の子に絡むなっちゅうの …
「風水やアロマなどですが心療内科の医者なのでメンタル面もカバーしたいと思っています」
「凄いですね。今の亮介君にそう言うものが必要だと私も思います」
… なっ…まさかハルナが医者だと知ってて世間にアピールしてくれたのか…変なこと思ってすみませんユミカさまぁ~ありがとう~ …
ユミカは僕好み(美・逆転世界のブス)が合格しても世間が納得するように仕向けてくれていた…頼もしい限りだ。
次にユミカ担当の逆転世界の美女(ブス)が登場、アメリカ人だ。
「私は、ミュージカルをやってるので歌や躍りで亮介さんを励まして…いつか一緒にステージで踊りたいです」
「日本語が上手ですね」
「亮介さんと話したくて頑張って覚えました」
「亮介君に対する情熱は伝わりましたが、サポーターに選ばれたら仕事はどうしますか」
「当然、亮介さんを優先してサポートします。残念だけど仕事は後回しです」
「……あなたは今評価が上がって来てますね…もし、亮介君が2年3年と記憶が戻らなくても寄り添えますか?」
「それは…」
「今はミュージカル女優として大事な時期だと思いますが…」
「でも…私にとって亮介さんは大事な人です…この世界に入ったのも亮介さんへの憧れからです…だから私は亮介さんに寄り添います」
最後に上手く取り繕ったが、視聴者の印象は良くないだろう…ユミカは質問で印象操作をしている様だ。
CM休憩
「さっきの子、僕に憧れてこの世界に入ったって言ってたけど僕は芸能人なの?」
「最近ミュージカルをやってる見たいだけど、あの子のベースはモデルよ。この世界って言うのはファッション業界の事ね」
「そう言う事か…」
「そろそろCM終るよ」
「…次は桜のばんだよ」
「はぁ、だから」
… こわっ、やっぱり桜にはピリピリしてるな…こりゃあ大人しく傍観するか …
「別に何もないよ、おっ始まるぞ」
CMが終り、審査が再開される。
「それでは、お待たせしました桜さんの登場です」
ひときは大きな歓声が上がる。
「私は、亮介さんの記憶が戻らなくても亮介さんの本質を取り戻そうと思ってます」
「具体的には、どうやるつもりですか」
「お医者さんと密に接してメンタルのケアを中心に考えてます」
「精神面の支えになると言う事ですね」
「と言うか、記憶がなくても本人は本人…以前のように自信に満ちたファッションリーダーとして歩いて貰いたいので眠ってしまった才能を呼び覚ましたいと思ってます」
「記憶が戻らなくても…才能があるから亮介君は大丈夫と言うのは私も賛成です」
… えっ?桜を肯定した…!どういう心境の変化なんだ…少し接してユミカも桜に魅力を感じてるのかぁ …
今日の桜vs.ユミカは、特に盛り上りもなく終わって審査は他の応募者で盛り上る。
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