第3話
「私は、貴方に影響されて目標が出来た…」
「僕に…?」
「そうよ、そのうち記憶も戻ると思うけど前の貴方は自信の塊で何でも思い道理にしていた」
「僕が、自信の塊……」
なんだか、この世界の僕に無性に会いたくなった…同じ僕なのに、まるで違う僕なんだろうな…そんなことを思いながらユミカに話を促す。
「教えてよ、どんな風に影響されたの…」
「私はもともと見た目以外取り柄の無い女だった」
自分が美人だと言うスタンスのブスに突っ込みたくなるが、逆転世界ではユミカは美人だ…そしてブサイクな僕が美男子なのだ。
「貴方は、そんな私に次の世界に行こうって言ったの」
… なっなんですとぉ~~!!!
どうなってんだぁ…こっちの僕は世界が2つだと知っていたのかぁ? …
「次の世界…?」
「“君は下ばかり見てる、下を見るのは先ず上に上がってからだ”貴方はそう言って私を上に、この世界に導いた……上流階級、人を導く側の世界に」
「人を導く……」
頭を強く殴られたようなショックを受けた…僕は、人を恨んだり妬んだりしかして来なかった。でも、こっちの僕は何だ人を導くだ…
何で同じ僕でこんなにも差があるんだ…僕の心は、こっちの僕に会いたいと言う憧れを通り越して激しく嫉妬した。
「私は今、日本では美のカリスマ…だけど目指してるのは美のカリスマとして世界No.1になること」
「それが…目標……」
「そう、貴方のお陰で一人でも頑張れるようになった…感謝してるわ」
明日の朝、美麗と病院に行く事をユミカに伝えると…その後に番組の打合せをしようと言うので明日ニジTVで落ち合う事にした。
AM8:00
美麗がやって来た。
「昨日の内に脳科学の先生に連絡してあるから…きっとすぐに良くなるわ」
僕は何の障害も無い…脳科学の先生に診られ嘘がバレる可能性があるが、何とかなるだろう。
「脳なんて10%も解明されて無いんでしょ…無駄だと思うよ」
「そうね…でも1%でも何もしないよりましでしょ…私は出来る限りの事をしたいの」
やっぱり僕の事、本気で心配してるんだな…そう思った。
「何で……そんなに親切にしてくれるの?」
「私はあんたに恩を感じてる…貴方は私の人生を輝かせてくれたから」
この女にも…こっちの僕は影響していた。
「どう言う事か、聞かせてよ」
「そうね、何か思い出すかも知れないし…良いわよ。カリスマブロガーのあんたとはプライベートでも良い関係だった…ある時、同期がプロデューサーに昇格した話をしたの…まぁ、愚痴見たいな感じね。
そしたらあんたが、何で美麗はプロデューサーにならないのって聞いてきた」
あの時の、貴方に私は動かされた……
逆転世界亮介
「だから美麗もプロデューサーになれば良いじゃん」
美麗
「そんな事、あたしが決めることじゃないし…」
亮介
「なりたいんだろ…俺だったら直談判するね」
美麗
「無駄よ…逆に目を付けられるは」
亮介
「大丈夫だよ。そいつより美麗の方が結果出してるのは間違い無いんだろ?」
美麗
「そうよ!」
亮介
「TVは素人だけど会社は何処でも利益優先だ。美麗が勝ってるならアピールして上に行けよ…俺ならちょっとくらい負けててもアピールするぞ」
美麗
「男社会の業界で女が目立てば叩かれる…」
亮介
「怖いのか?いいじゃん、目立って叩かれて…そして叩かれないとこまで上がれよ」
美麗
「叩かれないところ…叩かれないポジション…そんな事、出来ると思うあたしに…」
亮介
「あたしに…? それは違うよ、俺は美麗だから出来ると思う」
「そんな話や価値観を植え付けてくれたのがあんたなのよ……」
… やっぱり、こっちの僕はなんか凄いな…おんなじ僕の筈なのに …
「まぁ、他にも色々あるけどあの時からあたしは、本気で上を目指して今ではニジTVの代表てっわけ」
「えぇ~~!!! 社長なのぉ~!!」
「そう、もう誰にも叩かれない…まだ43だから異例の出世だよ…これも貴方のお陰だと思ってるわ」
… マジか、TV局でイジメるのは無しだぁ~くそぉ… しかし43か、思ったよりババアだ …
「そろそろ行くよ」
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