おまけ さん
「数学ってどうなってるのかさっぱりわからない」
「あんた、国公立行きたいんでしょ?必須よそれ」
「みはるちゃん、苦手そうだもんねー、私も苦手ー」
「かなは完全に文系だもんね、私もそうだけど」
「というわけで、私たちにも教えてあきのせんせー」
「はいはい、分かったから、手動かして」
「そもそも問題文が難しくない?記号ばっかりでさっぱりなんだけど」
「理解できれば、割とわかること書いてあるから。今読んでるやつはようするに1・3・5・7っていうふうに数列が進んでますよって話だから」
「あー、最初っからそう書いてくれればいいのに・・・」
「まあ、それを読み解くのも問題だから。あんた頭は回るしいけるいける」
「いえーい、わたし賢ーい」
「「あきのせんせー、私たちはー?」」
「あんたらは数Ⅱはいらんでしょうが・・・、英語しといたら?」
「うえーん」「ふびょうどうだー」「赤点とるぞー」
「そこまでやばいの・・・?あんたら」
「ううん、別に?」「結構やばいかも」
「じゃあいいじゃん、かなはしらん」
「うぐわー」
「ぬーん、わからーん」
「あー、一次関数から順繰りにやっていったほうがいいかもね、これは」
「たのむー、神様、仏様、あきの様」
「ダメだ―、英語あきたー」「ヘルプ―」
「早すぎるでしょ・・・」
「しかたないので私はみはるちゃんをかわいくすることにするわ・・・」「仕方ない、私も付き合うわ・・・」
「なんで・・・?」
「そりゃあ、いい素材が料理されてないのはもったいないじゃん?」「今更だけれど、高校生でちゃんってやばない?」「いや、みはるちゃんは、なんかちゃんって感じがする。小動物的な」「あー、わかりみ」
「というわけで、私たちはメイクしとくんで勉強してて」「て」
「え?」
「わかった」
「いやあ、素材はいいよね。ただ若干、メイク下手だよねー」「言う人がいなかったんだねー」
「ええ?」
「あー、私も中学くらいの頃はこんなメイクだった。なんかよくわかんないままやるよね」
「でもこの時点でそこそこかわいいよね、これはもっと磨けば光りますよ奥さん」「ですわね、奥様。これは、やりがいがありますわ、やはりかわいい系で行きましょうか?」「ありですわね、元の顔色も明るいし美人系のあきのとはまた違ったいじりがいがありますわね」
「あきの、これ・・・助けて」
「諦めなさい、私もさんざんやられたから。あと・・・」
「・・・あと?」
「あんたが振り回されてるのを見るのは面白い」
「ぬわー!味方がいねー」
「覚悟ー」「とりゃー」
「手は動かしなさいよー」
「おわー!」
「いやあ、しかし机にカッター突き立てた子と同一人物とは思えないよね」「あの時、私ちょっと死ぬかと思った」「わかりみ」
「ね、だからメイクでいいようにされてると、面白いわ」
「「わかるー」」
「改めて話題に出されると、ちょっと照れるわ」
「ほめてねえ」
「喋ってみると、かわいいところあるよね」「しっかりしてるしねー。そういえば、悪口言ってごめんねー」「ほんとごめーん」
「え?うん?いい・・・よ?へへ」
「ちょろ」
「あー、かなせんせー、あきのちゃんがえらそーぶって、謝ってませーん」「むむ、これはいかん。あきのちゃん、ちゃんと謝らないといけないよ、ぷんぷん」
「いや、今更だし・・・」
「うえーん、あの時、私本当につらくて・・・」
「よしよし、辛かったねえ」「あ、メイクずれるから顔は下げないでね」
「はあ・・・」
「あ・や・ま・れ」「あ・や・ま・れ」
「泣いて許しを請いなさい」
「もう、今後教えないわよ・・・」
「「「すいません調子のりました、ほんとすいません」」」
「あー・・・うん。ごめん。悪かった。もうしないわ」
「ははは、気にしてないよ」
「謝りましたわ奥さん、プライド高い系のあきのさんがあやまりましたわよ」「これはこれは希少ですわね、メイクで手が塞がってなければ録音しましたのに」
「あんたらねえ・・・」
「ははは」「とりあえず、こんなもんかなあ」「髪も触りたくない?」「ありよりのあり」
「うえ?どうなったの?」
「まあ、とりあえず鏡どーぞー」「どぞどぞ」
「え?え?変じゃない?」
「はは、かわいいかわいい」
「やっぱ、素材がいいよねー」「よきよき」「私的にはここのアイラインが力作」「傷が見えにくくなる丁度のファンデーションを持ってたのも神がかってたねえ」「さすが相棒」「ほめてつかわす」「いえー!」
「うーん、なつめさんほめてくれるかなあ」
「ははは、家出先の人だっけ?どんな人だったの?」
「「その話、詳しく」」
勉強はあんまり進まなかった。だけど、久しぶりに良く笑った気がする。
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