第137話『不器用な君に贈る星空』

「――」


 セレーネの言葉を聞き届けて、ペレットは表情を曇らせる。


 ハクラウルの説得は成らなかった。想定していたことではあったが、まさかその場でセレーネへの呪力供給が断たれるとまでは思っていなかった。


 今すぐ彼女を迎えに行きたいが、呪力の供給を断たれたという報告はこうして録音で送られてきたため、それがどれくらい前のことなのかがわからない。そして、自分でも嫌になる想像だが――多分もう、間に合わないだろう。

 間に合ったとしても、いま外出をすればフィオネと交わした約束を反故ほうぐにすることになる。そうすればどのみちセレーネの無事は保証されない。


 ――元より、命を懸けて挑んだことだ。


 ペレットかセレーネ、あるいはそのどちらも死ぬ可能性は覚悟していた。

 でも、これではあまりにもセレーネが報われない。ペレットだけが、本懐を遂げてここにいるなんて不相応極まりない。


 このやるせない気持ちを、どうしたら晴らせるのだろうか。


「どうした、ペレット」


 目元に影をさして歯を噛む少年に、部屋に残っていたギルが声をかける。


 たった今、部屋にはペレットとシャロ以外に、ギルとノエルが残っていた。

 ジュリオットはエラーの被害者以外の採取班が持ち帰った、薬品の材料の調合を進めると言い、フィオネは情報を司令部に持ち帰ると言って出て行ったのだ。


 ペレットが録音を聞いている間、ギルは部屋のどこかにあったらしい星について書かれたパンフレットを読み、ノエルは死んだように眠るシャロに暗い眼をして付き添っていたのだが、ペレットの様子に気づいてそれぞれが顔を上げた。


「……いえ、なんでも」


 双方から緋と黒の視線を受けて、ペレットは首を横に振る。だが、その声音には明らかに力がなかった。


 ギルとノエルは、顔を見合わせた。


「……なァ、ペレット。さっき言ってたお前の協力者ってさ。アンラヴェルのとこで会った、金髪の女のことか?」


「……そうです、あの時は、あの人に記憶を消されていたので、誰だかわからなかったんですが……本当は、物心ついた時から一緒に居た仲間だったんです。姉みたいな感じで、何かと支えてくれて……今回も、そうだったんです」


「――」


 ペレットの語りを聞いて、これまでになく表情を固くしたのはノエルだった。

 ペレット達は知らないが、ノエルはセレーネに対して恨みがある。親友であり、憧れの人だったフロイデを殺された恨みだ。セレーネを思い出すことであの惨事も連鎖的に思い起こされ、あらゆる感情が胸中を吹き荒れた。

 だが、ノエルは利口な子供だった。余計な口を挟むことはせず、自分の手をもう片方の手でぎりぎりと握りしめることで気を逸らしていた。


「けど、アイツって殺されてなかったか? カジノんとこで」


「はい、1度あの人は死んでいます。でも、ハクラ――ヘヴンズゲートの呪術師の力で擬似的に蘇らされていたんです。本当に蘇ったわけじゃないんですけど、生前みたいに動いていました。それが、先程本人から連絡が入って――」


「はァ、なるほどねェ。大体察したわ」


 椅子の背もたれにぐっと体重を預け、ギルは喉元を掻く。一方、ノエルは世界で1番憎い相手の死を悟って、複雑な心境になってしまったのだろう。居づらそうな顔をして席を立ち、眠るシャロに目配せをして静かに部屋を出て行った。


 ぱたん、とドアが閉まる音。


 沈黙が降りた空間で、シャロの寝息がうっすらと聞こえた。


「……まァ、なんでもいいけどよ。後追いはしねェ方がいいって言っとくわ」


「しませんよ、そんなこと。後追いなんてしたら、セレーネさんやジュリさん……シャロさん達の努力や厚意を全部ドブに捨てることになる。それにもう、生き急ぐような真似もしないって決めたんス。だから――」


 そう言いかけた、その時だった。


 不意に、ノイズ音がした。無線機からのものではない。

 ギルとペレットは、揃って音のした方向を振り向いた。目線の先は、部屋の天井の角。そこに取り付けられていた、館内放送用のスピーカーだった。


《――あ、あ。聞こえるかしら?》


「あ、フィオネの声だ」


《各々、作業をしながら聞いて頂戴。ヘヴンズゲートの第二拠点を発見したわ。生存者がそこに避難しているみたい。今日中に態勢を立て直して、明朝そこへ突撃しましょう》


「第二拠点……?」


 自分も知らない言葉が飛び出し、ぽつりと呟くペレット。


 スプトーラ学院以外にも拠点があったのか。その存在を知らされていないのは、元々上層部でしか共有されていない極秘の情報だったのか、それともはなからペレットはアド達に信用されていなかったのか。


 何にせよ生存者がいるということは、セレーネと隠し回ったあの爆弾で仕留められなかった人間がいるということだ。少年は少し悔しい気持ちになる。

 ハクラウル以外を爆殺して、戦争屋への手土産にしようと思っていたのに。


《――これが最後の戦いよ。この戦争は、アタシ達の勝利で終わらせる。だから、自分を最高の状態に保っておいて。いいわね》


《せわ……》


 その言葉を最後に、放送はぷつりと音を立てて切れた。最後、ノートンらしき声が遠くから聞こえたのは、きっと気のせいではないのだろう。


「だってよ、ペレット。少し寝た方がいーんじゃねェの?」


「え、俺も駆り出されるんスかねこれ。怪我は塞がってますけど、体力の方はまだ3割も戻ってないっスよ。逆に足手まといじゃないっスか?」


「その辺はほら、根性だろ」


「エ。ギルさんって根性論とか語るような人でしたっけ……まぁ、わかりました。コキ使われる準備はしておきます」


 そう言って肩をすくめ、マットレスに背を投げるペレット。

 ゆっくりと目を閉じる。瞑目しているのをいいことに、何か悪戯をしかけられる気がしていたのだが、ギルからのアクションは何もなかった。


 ふぅと息を吐いたギルが、部屋を出て行く音が聞こえた。


 ――静かになった。


 耳を澄ませると、少し弱まったらしい雨が、窓を叩く音が聞こえる。

 それをずっと聞いていると、あらゆる感情がない混ぜになって荒れていた心も、少しずつ落ち着いていくような心地がした。





 誰かが、泣く声が聞こえた。


 ペレットは順繰りと周囲を見回した。


 何故か、草原のど真ん中に立っているようだ。だが、ペレットは驚かなかった。導かれるように歩いて、泣き声を発している人物を見つける。


「……!」


 それは、セレーネだった。


 しかし、何故だか小さい。

 記憶にあるよりもずっと小さな――8歳かそこらに見える姿の彼女は、近づいてきたペレットをキッと睨みつけた。

 濡れた翡翠の瞳が、射抜く勢いで強くペレットに突き刺さる。


「信じてたのに。愛してたのに。どうして? どうして私を裏切ったの」


「――」


 状況はわからないが、彼女の口から出た言葉は、ペレットの胸を鋭く穿った。


「……ごめんなさい」


 目を伏せる。

 ペレットには、そう返すことしか出来なかった。





 目が覚めた。

 視界に飛び込んできたのは、真っ暗な部屋だった。カーテンの向こうがわずかに光っていて、それが唯一の光源になっているが、自分の手元もよく見えない。

 どれくらい時間が経ったのだろうか。外はだいぶ暗くなっているようだ。


 ペレットは、ベッドから降りた。


 身体はもう動くようになっていた。多少関節が痛み、体力も普段に比べるとだいぶ少ない自覚があるのだが、歩行に問題はない。

 そろそろ腹も限界である。下の階に行ったら、何でもいいので、何か腹に入るものをもらえるだろうか。そう考えたところで、ペレットは気がついた。


 隣のベッドにいたはずの、シャロが居ない。

 見間違いかと思って隣のベッドに近づくが、やはり彼のシルエットは――。


「ッ!」


 突然、部屋のドアが弾くように開かれて、ペレットは震えた。どうやら、人の気配を察知する力も衰えているらしい、とうっすら考えつつ、


「ペレット、来て」


「……シャロさん」


 探していた人物がタイミングよく現れて、ペレットは息を詰まらせた。

 しかし、シャロはペレットの胸中などお構いなしに少年の手首を引っ掴み、彼を廊下へと引っ張り出した。


「……どこ行くんスか」


「わかんない」


 嘘だ。絶対わかっている。わかっている足取りをしている。でも、わからないと嘘をついたということは、ペレットを連れるには不都合のある場所なのだろう。

 この建物の中に、そんな場所があるのかはわからないが。


 何もかも不明なまま、異様な空気を引き連れて、ペレットはシャロに引っ張られるまま進んでいく。

 いつものように皮肉や嫌味を言って会話を繋ぐことも出来ず、ただ2人の足音だけが静かな廊下に響いていた。


「……ここ」


「あっぶ」


 突然、ぎゅいんと進行方向が変わって、ペレットはつまづきかける。


 案内されたのは、とても広い部屋だった。ペレットは行ったことがないのだが、劇場?のような造りをしている。暗くて奥までは見えない。が、30人分ほどの座席がずらりと並べられているように見えた。

 ただ、肝心のステージらしきものは、全く確認できなかった。


「なんスか、ここ……」


「とりあえず、その辺に座ってよ」


 質問には答えてもらえず、隣接する小部屋に入っていくシャロに指示をされ、ペレットは言われた通り適当な場所に座る。おおよそ部屋の中央だ。と、何かのリモコンを手にしたシャロが戻ってきて、ペレットの前の座席に座った。


 シャロがリモコンのボタンを押すと、天井が淡く青色に光って、ようやくこの部屋の全貌がはっきりする。

 どうやらこの謎の部屋は、円柱の形をしていて、全体的に壁が黒く、天井がドーム状のモニターになっているようだった。


 ここは一体――と問うよりも先に、シャロが口を開いた。


「……ペレットってさ、馬鹿だよね」


「はい?」


 急に惜しげもなく罵倒されて、ペレットの声が上ずる。

 馬鹿――確かに、最近改めて自覚したことではあるが、会話の最初にそう言われると拍子抜けしてしまう。


「……あんなにカッコつけて、ウチらのこと拒んだ癖にさ。傷ついて、苦しい思いして、死にかけて。馬鹿で、本当に不器用だよね」


「……それは、認めますけど。一応、あぁしなきゃいけない理由はあったんスよ」


「それは、セレーネを助けるため?」


 こちらを振り向きもせず、シャロは遠くの方を見ているような姿勢で尋ねた。


「……なんで、知って」


「……ペレットがギル達と話してる途中、ちょっとだけ意識があったの。それで、セレーネが蘇ったって話を聞いて。なんとなくそう思っただけ。2人は、その……家族みたいな感じ、だったんだよね」


「――」


 何かを知っている素振りのシャロに、黙り込むペレット。


 今シャロが得ている情報は、どう考えても知り得ないものだ。ペレットの視点から見れば、シャロがセレーネと関わったのはアンラヴェルでの一件でのみ。

 そしてあの時点のペレットにはセレーネの記憶がなく、セレーネもギルとマオラオの前でこそ本性を明かしかけていたが、シャロはあの場に居なかったので、彼が2人の関係を家族に等しいものであると推察するのは、かなり至難なはずなのだ。


「……アンタ、どこまで知ってるんスか」


 ペレットが問いかけると、シャロは少しの沈黙のあと振り向いて、背もたれに胸を預けるようにして座席に座り直した。


 真っ直ぐに、2人は視線を交換する。


「ほぼ、全部。セレーネ本人から聞いたの」


「……どういうことです?」


「あとでちゃんと話すよ。今は先に、謝らなきゃいけないことがあるんだ」


「……?」


 怪訝な顔をするペレットの前、シャロは俯いて次の言葉を探し始める。


 こんなにしおらしいシャロを見たのは、本当に久しぶりだった。

 別に謝られる覚えはなかったのだが、存外に彼が真面目な顔をしていたので、ペレットも神妙な面持ちをして彼からの言葉を待った。と、


「その……ごめん、実はセレーネのこと殺したの、ウチ、みたいなんだ」


 歯切れを悪くさせながら、シャロは告白する。

 怒られるかもしれない、と思っているのだろうか。その声には、罪悪感と不安さが滲んでいた。だが、ペレットは怒りも驚きもしなかった。


「知ってますよ。けど、なんでそんな曖昧なんスか」


「エッ、知って……!? いや、その。ウチはその時のことよく覚えてなくて……人伝に聞いて、ようやく知ったくらいで。でも、ごめん」


「まぁ……聞いた話によると、殺そうとしてたのはお互い様っぽいですし、その辺に関しちゃあそんなに気にしてませんよ」


 そう言うと、シャロは居心地が悪そうに『そ、そっか』と身を縮こめる。


「でも、セレーネのこと、蘇らせたいって思ったんだよね」


「……はい。向こうの組織についてから色々考えて、まだ彼女を死なせるわけにはいかないって思って。それで、ヘヴンズゲートの『神様』と再契約を交わしたんです。殺戮兵器1800体を製造したら、セレーネさんを蘇らせてもらうっていう」


「せん、はっぴゃくって……お、多すぎない?」


「マジで、頭いかれるかと思いましたよ。でも、必死でやりました。ほぼ不眠不休みたいな感じでしたね。ただ、たった数日でしたから。流石、ジュリさんは格が違うなぁって思いました。あの人は毎日みたいなもんなのに、よく動けますよ」


 そう言って、乾いた声で笑うペレット。

 実際、ジュリオットには薬で体調をいじる技術があり、そもそも条件が違うので一概には比べられないのだが、それでも毎日フル稼働できるあの青年の凄さというのか人外さというのか、とにかく自分との違いを思い知った瞬間だった。


 ――と、笑い話にしようと思ったのだが、


「どうして、そんなに無理したの。ウチ、ペレットに死んでほしくないよ」


「……え?」


 シャロの反応は、意外にも真摯なものだった。というか、意外すぎてもはや、人そのものが違うように思えた。

 自分の知っているシャロは、弱ってもペレットには優しい言葉をかけない。


 どうしたのだろう、と思っていると、シャロが自分の座席の背もたれを倒した。


 シャロの顔が、すぐ目の前に迫る。


 間近に見える琥珀の目が、一瞬緑に見えたのは、天井のモニターのせいだろうか。さておき、吐息がかかるほどの至近距離に、ペレットはパニックに陥った。

 彼は、混乱から来る歪んだ笑みを浮かべながら、頭を座席の背もたれの上に乗せ、限界まで距離を取ろうとした。


「しゃ、シャロさん?」


「今回は、死ななかったからよかったけど。もしかしたらペレットも、無理したせいで死んでたかもしれない。だから、ウチらを頼って欲しかった。もっと安全な方法を選んで欲しかった。もう、全部過ぎたことだけどさ」


「……『も』って、もしかしてシャロさん、」


「知ってるよ。みんな、変によそよそしかったし。そうなのかなって思ってたら、ジャック兄ぃ……ウチのお兄ちゃんもフラムも、本当に帰ってこないしさ。マオも居なくなったばっかりなのに……みんな居なくなって」


 言いながら、琥珀の目がペレットから逸らされる。

 


「身近な人が居ないってのが、こんなに苦しいなんて思わなかった」


 シャロは瞑目し、すっとペレットから顔を遠ざけた。

 緊張感から解放され、ペレットはすっかり忘れていた呼吸を再び始める。無酸素状態にあったためか、ばくばくと高鳴る胸元を押さえて、少年はシャロを見た。


 シャロは、哀しそうな目をしていた。


「だから、ペレットもさ。勝手に死なないでよ。ずっと、一緒にいてね」


「……あの。死ぬ気は全くないですし、こっちもそのつもりですけど。なんか、変わりましたねアンタ。俺のこと好きになったんスか?」


「――え?」


 突然、きょとんとするシャロ。彼は口元に手を添えて、自分の発言を振り返り、


「あ、え、今ウチなんか言った!? なんて言った!?」


「は? え、ずっと一緒にいろって……ゔぇっ!?」


 振り抜かれた拳に頬を打たれ、奇声を上げて横に倒れるペレット。

 ちょうど、座席の肘置きの部分が脇腹に刺さって、追加でダメージを食らう。


「は、え、なに……?」


 何故殴られたのかがわからず、じんじんと痛む頬を押さえながら困惑。一方、暴力を振るった当人は慌てて背もたれの位置を直すと、『あの、あの!』と壊れたように繰り返しながら震える指でリモコンを操作し、


「みっ、みみみみ」


「み?」


「みみ、見て欲しいものが! あって!」


 明らかにおかしな様子でボタンを押し、真上を指さすシャロ。それにつられて天井を見上げると、淡い青色に光っていたモニターが青がかった黒色に変わった。


「ぷら、ぷっ、プラネタリウムって言うんだけど!」


「プラネタリウムが何か知らないっスけど、そんな慌ただしい感じで見るものなんスか?」


「あっ、慌ててないよ!? その、ほら、あっあっあっ落とした」


 かたん、とリモコンが床を叩く音。その直後、シャロの輪郭が思いきり下にしゃがんだのが暗闇でもわかって、呆然としていたペレットは噴き出した。


「……慌てなくていーっスよ。俺はちゃぁんと待ってますから。で、何見せてくれるんです?」


「そ、その、星の……星の歴史がわかるらしい……よ?」


「曖昧っスね」


「ウチも、最初の方しか見てなくて……けど、綺麗だったし、じーっと見れるから嫌なことも考えなくて良いし。まぁ、楽しみにしててよ」


「別に、あんたが作ったもんじゃないでしょ」


「む。そこは触れちゃいけないんだよ、相変わらず空気が読めないなぁ」


 そろそろ気持ちが落ち着いたのか、ぶつくさ言いながらリモコンを拾うシャロ。彼が手を動かすと、紺色のモニターに白い大きな星が映った。


 それから画面は遠ざかり、白い星を囲む星々が映った。無数にあって数えられないが、ナレーション曰く、その中の1つが自分達の住んでいる惑星らしい。

 画面いっぱいに散りばめられた銀や、青や、赤の星がペレット達を照らす。


 何の星だか全くわからないが、スピーカーから流れてくるステレオボイスが1つ1つ丁寧に説明をしてくれた。


「――は」


 それはシャロの言った通り、意識を吸い込まれるような映像だった。まるで本物さながらの星々の美しさに、ペレットは途中から薄く口を開いて見入っていた。

 そしてシャロも、リモコンを拾い上げて立ったままの姿勢で上を見上げ、瞳に宇宙を宿していたのだが、


「シャロさん」


 名前を呼ぶと、青白く照らされた少年の顔がこちらを向いた。



「――ありがとうございます」


 そう言うと、シャロの口元が悪戯っぽく歪められる。

 なんだか偉そうで癪に触ったが、気持ちが少し楽になったのは事実だ。


 それに、彼にはこのカオが似合う、とペレットは思った。


「――どういたしましてっ」


 シャロは、得意げに笑った。

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