褐色(かちいろ)

今日は雨が降ってる。

「んんー…」

朝から体調が悪くて学校を休んだ。ベッドの上で次はなんの絵を描こうかな、と考えていると、ふと色の本が目に入った。

「いい色ないか、さ〜がそっと。」

ペラペラめくっていく。

「この色いいな、あとはこの色かな、」

とりあえず全部見ていくことにした。

「あ、この色、、」

彼にぴったりな色だと思った。黒に見えるほどの藍色。

「よし!描こう!」

月も似合うかな、狼も似合うかな、気が付くと3時間は経っていた。

「あ、、もうこんなに経ってたんだ。」

久しぶりにこんなに夢中になって描いていた

「喜んでくれるかな…」

彼の顔を思い浮かべて、微笑んでしまった。

そういえば、笑ってるところ見た事ないなぁ、これ見たらちょっとでも笑ってくれるかな〜なんて。

「出来た〜!!」

絵を描き終わったころには、下からお母さんが

「瑠香〜雑炊食べれる?」

と聞いてくれた。

「うん!食べたい!」

出来上がった絵を机の上に置いてから下へ降りた。

「喜んでくれますように。」

そう心の中で思いながら。

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