第7話~アクト~
えりが倒れて1週間が経ち、そろそろ2週間が経ちそうな時、なんか反応した。
もう分かってきてる。海斗時代から感じてきたんだ。
これは双子の姉からのメッセージ。
そろそろ目覚める。 そんな、気がした。 オレはどうしても空かどうかを確認する必要があるった。
空だったら目覚めたらこの状態にびっくりするし、空にだったらオレが海斗だってことは伝えときたい。
そして、メイドたちが要らぬ心配をしないように注意事項を言っておく必要がある。
「ねぇねぇ、ユア〜。」
「はい。なんですか?アクト様」
「ぼくねぇ、えほんの字おぼえたい!
文字、教えてほしいな、」
(だから、本取りに行くために出ていけ。)
「…分かりました。速いと思いますが、本を持ってくるだけ持ってきておきますね。ちょっと待ってもらいますけど、一人で大丈夫ですか?一緒に、」
「ここでいい子に絵本を見てます。」
遮りるよう被せて言い、ニッコリと笑って追い出した。
それからユアが出ていった瞬間、エリが目を覚ました。あ、危なかった…セーフ、
エリは寝た状態で周囲を見て、急に起きあがった。
「ここは…いっ、」
「きず、ひらくよ、」
さすがに、1週間以上寝たきりだからだろうか、まだ完治してなかったのか、頭痛をしだしたエリに向かって、一応おかしくないように子供言葉で言った。
エリがこっちを見ると(誰?)と思ったのか
その後すぐに苦しみ出した。記憶が流れてきたのか?
「…アクト…」と僕の名前を呼んだ。
でも、オレは確信した。エリは空だ。優しい瞳、いるだけで心が暖かくなる。
あぁ、良かった。こんなに嬉しいことは無いだろう。
でも、エリは覚えているだろうか?
前世のこと、オレのことを…
そっからエリは考えているのか、動かなくなった。だから、オレも集中する。こっちでは初めて使う。エリのことを空のことに全神経集中させる。
(私のせいで、海斗もみんなから距離を取られて…
海斗はきっと私を恨んでる。)
前は聞こえてくる、と言うよりも感じるという感じだっが、
今は聞こえてくる。
魔法があるからこういう心を読めるのも普通なのかな…それともやっぱり双子だからか?
(最後に海斗に謝りたかった、私の、私のせいで…)
「別に恨んでなんかない。」
あ、声に出ちゃった。
……まさか、空がこんなふうに思ってたなんて…ごめん、
(ふふ、、私ったら、都合のいいように解釈して、)
やっぱり空はネジが外れてる。俺の声聞こえてたのに…
おれのことやっぱり分かんないかな…
とりあいず、オレのことを見て欲しくて、もう一度言った。
「オレはうらんでなんかないよ。」
(あれ?私霊感あったっけ?)
あぁ、ふふ、
「あいかわらずだねぇ…」
ギギギギ、そう聞こえてきそうにエリは首をこっちに向けた。
「…あのぉ、」
あ、この反応はオレのこと忘れてたな…
ねぇ、気づいて、海斗だよ。
「…か、いと……」
あぁ、伝わった。分かってくれた。
嬉しい。嬉しい。
…っふ、こんなに自分が単純だと思わなくった。
「…せいかい。」
泣きそうな声を我慢して呟いた。
あ、ポロポロとこぼれていく涙はとても綺麗だ、変わってない。本当に変わってないんだ。声をあげずに泣くこの美しい泣き方は空から変わらない。
それと同時に空の沢山の思いが伝わってくる。
オレは空の思いを受け止めて、空自身も受け止めた。
今までと違う感触、もちもちしてて、すべすべしてる、赤ちゃんの肌。でも、今までと変わらない、暖かくなる感じ、
あぁ、おれの宝物がここにある。そう強く感じる。
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