第6話

「おばあちゃん 今から出るけど大丈夫?」

「大丈夫だよ」


「本当かい」

「本当だよ」


そう言って別れた。おばあちゃんはいつも心配かけない。


お爺さんのよう妻って感じだ。



集合体モデル


甲州街道に出る。さらに西へ遡る。


先程テレビでやっていた新型コロナウィルスの暴走。それが気になっていた。


脳に転移するウィルス。犬はひとを家族と考えている。当たり前の話だ。


狼が犬のみを家族と考えるのとはそれとは全く違う。もし犬が人を家族と考えないと考えると恐ろしい。


もし その記憶がウィルスの帰依によってあれほどまでに人が変化させるのか?


それが納得できなかった。確かに自分も人が傷つくとこ見ていた。何もせず ただ己のことだけに集中して逃げた。


それがどうしても許せなかった。確かに二度目はその男を連れて逃げた。その性で女性は助かった。


あの時点では助けたことに違いはない。と、自分に言い聞かせいた。


ここを曲がればアキナの家だ。小高い山の上にある。そこがアキナの家だ。



右折をすると小高いの山がある。山が見える。そして大量のゾンビもまた見えている。


太樹はバイクのタンクの横を指すって「頼むよ」と小さな声でさえづった。


サイドストームをかける。十分過ぎるほどにタイヤが温まる。『行くよ Go』


前から来る車はいない。前には大量の人々がいる。今や人ではないのかもしれない。


感染者たちだ。脳が感染したら元には戻らない。脳を他の細胞のようにつくったとしてもその人間以外には本物かもしれないが、本人にとってニセモノだ。


ブレーキを外すとZⅡは勢いをそのままにウィーリーをする。太樹はブレーキを引くわけでもなく、アクセルを閉じることもせず、立ったままに加速をしていく。


バイク制御をとってはバイクが真っ直ぐになると地面の平行線になるまで我慢する。


そして ギアを変えていく。スピードを乗ったバイクは次々と襲いかかってくる。人を弾き飛ばしていく。


スピードが緩むと人がやってくる。何も言わず、お襲いかかってくる。もう嫌だと思う。


いい加減近くなくるなと思ってくる。同じじゃないと違うと考えるようになる。


人を殺して何気なく生きられる人間ではないのだ。


なんでこんな世の中になってしまったと思ってしまう。


己のことのみばかりだ。


サイドストームをかける。周りあるものが弾けるとんだ。


一瞬空いた隙に走る。走る。必死に走る。アキナの家に向かって走る。


そして ピンポンを押した。なぜか先程の人波が嘘のように止んだ。


ドアが開く。「アキナ 大丈夫か?」

「・・・・」


アキナはなにも喋らない。ドレスの襟元が血がついていた。


それでも太樹は嬉しさからアキナを抱きしめた。

「痛いよ 太樹 なんだよ 突然」

「いいの」


「なにがいいのよ・・・じゃないよ」


おしまい 🤗






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