第2話
太樹の順番になった。血液をぐるぐる回す。得体の知れない機械と採血を取る人の顔が見えないのはとても不気味だ。
血液をとってアルコールをもらう。「ここに座っていてください」と女性の声に安堵感をもらった気がする。
ひとりは立てる男がいる。次の順番を待っている男性のようだ。
いきなり嘔吐する様に上半身を傾けて、目つきが変だと思った瞬間
襲いかかってきた。笑っている。楽しげな顔をしている。
前蹴りをしてその男との間合いをとって容赦なく叩く。だがその様子が身体が小さいから
そうしただけだとってくれなかった。
でも2人の防護服を着た人間には通らなかったようだ。
抑えるつけられる中、自分が笑ってるかのように感じた。マスクをつけたままというのがいけなかったのだ。
2人に抑えつけられる。太樹は余計な真似はしなかった。
ただ痛みを知らないのか、その男がすぐに回復して立ち上がった。そして次の目の前にいる女性に襲いかかっている。若い女性に抱きつき身体中を触り出した。
悲鳴を上げる。男はマスクもしてない。先程倒れた男だ。完全に濃厚接触である。彼には自分の思いしかない。
防護服を着た男たちが彼を抑えようする。僕は何もしないとわかったようだ。
その悲鳴に防護服を着た2人は駆けつけた。
何が楽しいだと思い憤りを感じたが彼は感染者かも知れないという言葉に冷静に後ろに下がっていく。
後ろには沢山の人たちがいる。そこから悲鳴が上がる。どういうことだ。もうこんなとこいられない。
Keep outという規制線を取り囲んだ駐車場を急いで潜った。なにしろ普通ではない。夢のようなステージだ。
夢と言っても悪魔だ。
太樹は自分の後ろを規制線を漕ぐって、跨いで逃げていく。どんどん足早になっていく聴衆。
周りでなんとなく見ているものも逃げ惑う。
中で医者まで外に出てきている。中で格闘する2人は警察を呼んでくれと叫んでいる。
単なる感染症だったはずだ。なぜこのような変異をしたのか、太樹にはわからなかった。
ただ 祖父の家に行こうと思うだけだった。祖父はもう他界している。おばあちゃんが1人残っている。
そしてアキナの家に行かないといけないと思った。
なぜなら好きだからだ。
好きなのに理由がない。好きな理由を求めるから嫌いな点が見えてくる。
駅に向かった。駅には沢山の人がいた。どうしたことだろうと思う。どこからこれだけの人が出てきたのかと不思議に思うぐらいだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます