主人公解説

前書き

ちょっと投稿に間があったことと、意外とユーゴ本人の解説はなかったので……。



 ユーゴ。または新島勇吾。


 ご存じ駄目おやぢの中の駄目おやぢ。


 かつては現代日本の高校に通っていたが、大陸世界に迷い込まされてしまう。そのため最終学歴中卒であり、せめて高校は卒業したかったと思っている、今では4,50代の中年。


 迷い込んだ当初はおっかなびっくりだったが、次第に自分の力を自覚したことと、故郷に帰れないことにイライラし始め、10代後半から20代の頃は本当に触れてはいけない男だった。


 そして30歳代になると帰還をほぼ諦めており、ジネット達と会うまでに正真正銘の草臥れ果てた中年と化していた。この変貌ともいえる草臥れた状態は、彼を知らない多くの愚か者が、逆鱗に触れてしまう要因となり、ベルトルド総長などが懸念している。


 最近若いころのやらかしが掘り返された。戦闘力の最大値はそれほどでもないが、常に苛ついている若いころと、極限を超えてしまった力を持つものの、家族の危機以外にはキレることが無くなった現在。どちらがマシかは議論の余地があるようでない。大真面目にどちらも厄過ぎる。


 中学の頃には両親と死別しており、そこから大陸世界で放浪を続けたため、家族というものに対する愛着が強すぎる。それ故に、普段は温厚そのものでも、家族が害される可能性があればブチ切れてしまい、人が変わったかのように豹変してしまう。


 とは言え普段は本当に常識人であり、妻たちにとってよき夫。下町の子供達にとってはよきおっさん。子供であるクリスとコレットに対しても甘やかしている場面が目立つが、きちんと道理を説明したり、してはいけないことは教え、叱るときは叱っているので、親馬鹿であっても馬鹿親ではない。


 だがやはり、なによりも特筆すべきはその戦闘力。この世の誰よりも重くなれながら、しかも誰よりも速いという怪物の中の怪物。そして圧縮に圧縮を重ねた、人型の大虚無にして大暗黒に至れる。


 そして若き日に山を消し飛ばし、底の見えない大穴を拵えていたことすら過去の話。今ではただ拳を打ち付けるだけで星すら圧壊させてしまう、この世にあってはならない存在。


 その破壊に例外は存在せず、いずれ宙という枠組みを押し潰し、その中身である概念現象すらも消滅させることが可能なことを考えると、全てを内包した“世界”そのものとすら相対できるだろう。


 結果として、大陸世界に眠る多数の脅威へのカウンターとして機能しているが、そのカウンター機構そのものが世界の脅威なのは間違いない。


 しかし、だからといって対処をしようとは誰も思っていない。そんな対処を考えられるような中途半端な強さではないのだ。そのため、ユーゴの昔を知る者達は、完全に彼をなまはげ扱いしており、出来るだけ関わらないようにしている。


 ‐破滅に対する特効薬なのは間違いない。それも即座に効果がある。だがしかし、用量と用法を間違えると、世界が消し飛ぶ薬を使う勇気はあるか?-


 ◆


 ユーゴと関わりがある各国家。


 祈りの国。近年の被害者国家としては最大のダメージを受けている。竜などの脅威に対するカウンターとしては頼りになると思っているが、事実上のトップであるベルトルド総長とドナート枢機卿が、ユーゴのやらかしを知っているため、常に胃痛を覚えている。また、若手のホープであるマイクが、いつのまにかユーゴ対応係の様になっている。


 エルフの森。神と密接な関わりがある割には、近年までユーゴと接触がなかった。更に、彼が大暴れしているところを直接見ていないので意外と平穏無事。


 ドワーフの本拠地、山の国。近年の被害者トップが祈りの国なら、かつての被害者トップは山の国。若きユーゴが、故郷へ帰る手段を見つけるため、付近の山にある遺跡を荒らしまわっていたので、遭遇する可能性が非常に高かった。そのせいで、ユーゴのやらかしを知っているものが数多くいるため、彼は近年、全く山の国に行っていない。


 海の国。ある意味幸せな国である。世界を食らう者の騒動において、ユーゴが神に指名されて事態解決に尽力したことを知っているので、なんとなく凄い人なんだと認識している者が多い。

 が。

 数人ほど昔のやらかしを知っているため、そのギャップに胃を痛めてるとかなんとか。


 魔の国。被害者というよりは自業自得。なにせ当時の王が、よりにもよってユーゴの妻ジネットが妊娠しているときに暗殺を企ててしまう。それに逆鱗をこれでもかと刺激されたユーゴが、実働部隊を塵に変え、暗殺組織の長の首をねじ切り、当時の王を廃人に追い込んだ。


 騎士の国。魔法の国と紛争を起こし、間接的にバジリスクを復活させてしまう。その後、騎士の国を更に混乱させようと、“蜘蛛”や“7つ”、“骸骨”などが暗躍していたものの、ユーゴが密かに始末している。つまりユーゴは恩人と言えなくもない。


 夜の国。吸血鬼の王族であるセラが、ほとんど駆け落ちでユーゴと去ったので、かなりぎくしゃくした関係。


 小大陸。なんであの山、頂上がごっそり無くなってんだ? え? なにこの穴? 底が見えないんだけど……。


 一部裏組織。いやあああああ! 誰か助けてえええええええええ!


 魔法の国。今現在は大丈夫。今現在は。最高魔導士エベレッド? さあ……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る