お祝い

いやあ、ソフィアちゃんもは学校に行くことを決め、コレットとクリスは魔法を唱えれたんだ。これは早速お祝いをせねばなるまい。どうしようかなー。やっぱりケーキかな?


「ただいまー」


そんな事を考えながら皆で我が家に帰ってきましたよっと。


「さて、それじゃあ私は一旦家に戻ってから、ソフィアと一緒に親のとこへ行ってくるよ」


「ほいさ」


エルフの長老から学校の説明案内とか教材に入学手続、色々婆さんの家に送られてるのだろう。やっぱりご苦労な事だ。今度胃薬でも送ってあげよう。全く、人の心労を増やすとは何て婆だ。やっぱりクリスとコレットにはお婆ちゃんの真似しちゃいけませんって言っとかないと。


「皆お帰りなさい!」


「お帰りなさいませ」


「ただいまー」


玄関を開けるとルーとアリーがいた。俺が帰るとよく2人が迎えてくれるが、いやはや本当によく分かるな。


「皆さん帰りなさい」


「おー、お帰りなさいなのじゃ」


リビングの方からも凛とセラがあああああああああああまままままままままさかあああああああ!?


婆さん助けてええええええええええええええええ!


「あなた!?」


「あらあら」


「パパばいばいー」


「ばーい」


「ごめんよすぐ戻ってくるから!」


すぐ後ろにいたジネット達を驚かせてしまったが急がなければ!

街中で出していい速度で婆さんの後を追う!


いた!


「なんだいそんなに慌てて?」


「助けて婆さん!」


「わわ!?」


ウチのお婆ちゃんなんでしょ早くして!


「生憎だけどクリスとコレットの婆はしてるけど坊やにはしてないね」


そんなこと言ってる場合じゃねえんだよ!

無理矢理婆さんをおんぶしながらソフィアちゃんを抱きかかえて来た道を逆走する。


「到着! 凛とセラをお願い!」


「はいよ」


「あの勇吾様?」


「なんじゃなんじゃ?」


まだ玄関でポカンとしている凛とセラを婆さんに託す。多分そうだ多分そうだ多分そうだ。

婆さんが2人のお腹に手を当てて目を瞑っている。それを見たジネットとリリアーナの2人はひょっとしてという顔だ。


「ふむ。間違いないね。おめでただよ」


いやったあああああああああああああああ!


「セラ! 凛!」


出来るだけ2人のお腹を圧迫しない様に抱きしめる。


「え? え? おめでた? 私が?」


「にょほほほほ。にょほほほほほ」


「ああ妊娠してるよ。まあ経験者のリリアーナとジネットもいるし、アレクシアもいるんだ。そう困る事も無いだろう」


「私が、私が……ひっく、ううううう勇吾さまぁぁあ」


「よしよし。皆とがんばって行こうね。ありがとう凜、セラ」


「はい!」


「うむ!」


理解できていない凛と嬉しそうに笑っているセラに婆さんが結果を伝え、事態を掴めた凜が嬉し泣きしながら抱きしめ返してくる。セラもそうだが、凜は特に子供を欲しがっていたからよかったよかった。


「おめでとう」


「おめでとうです凜ちゃんセラちゃん!」


「うふふおめでとう」


「うわあ、お腹に赤ちゃんいるんだ! おめでとう!」


皆がセラと凜を祝福している中、当然ながら最も感激しているのは


「ぐすっぐすっ。おひい様ぁおめでとうございます。ぐすっ。おめでとうございます」


アリーがぽろぽろと涙を流してセラを祝福している。結構感激しやすいアリーだが今回は限界を超えている様だ。


「ありがとうなのじゃ。よかったら今後はわしの子共々頼んでいいかの?」


「勿論でぐすっ。勿論でございますぅ! ひっぐ」


泣き止まないアリーだが、顔はセラと一緒で満々の笑みだ。


「ああ、セラの方は大人の姿になった方がいい。母親の体が小さいと未熟児になるかもしれんからね」


「おお! では変身!」


「ねーねだれー?」


「だれー?」


「お主等分かって言っておるなあ? この口め、ほれつんつん」


「きゃああ!」


「えっへえっへ」


大人の姿になったセラを最初は本当に誰か分からなかった子供達だったが、今ではお約束の様に誰と聞くようになっている。今もセラに口をつんつんされて喜んでいるからスキンシップの一環なのだろう。


「クリス、コレット。2人はお兄ちゃんとお姉ちゃんになるねー」


「クーにーに?」


「コーねーね?」


俺の言葉に首を傾げる我が子達。もうちょっと説明が必要だな。


「凜とセラのお腹には赤ちゃんがいるんだ。だからクリスとコレットは、お兄ちゃんとお姉ちゃんになるんだよ」


「あかちゃん!? あかちゃんいるの!? どこ!? クーにーに!?」


「コーねーねになるの!?」


理解した子供達が顔をぶんぶんと振り回して辺りを見ている。


「今はお腹にいるのじゃ。ほれ、ここじゃここ」


「コレットとクリスが私の子の兄と姉か。ふふ」


「クーいまからにーに! にーにここだよー」


「コーはねーね! ねーねはここー!」


「ちーん!」


コレットとクリスがぴょんぴょん跳ねながらセラと凜のお腹に語り掛けている。俺とアリーが今日ティッシュを使い尽くすかもしれない。


「じゃあお兄ちゃんとお姉ちゃん。ちーん! お祝いにケーキとか一杯買いに行こうかー! ちーん!」


「にーにいく!」


「ねーねもいく!」


ついでにティッシュも買わなければ。


お袋!親父! あんたらに新しい孫が出来て、上の子達はお兄ちゃんとお姉ちゃんだぞ!































「それでは魔界連合による別世界侵攻作戦の会議を始めよう」






















ー馬鹿め! なぜわざわざ最も気を張っている時に手を突っ込む!-

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