最終話 それぞれの君達に最大の祝福を

例えば。

この世界に.....モンスターが出る様なダンジョンの奥に一つだけの俺が求めている花が有るとするならば。

俺はその花に巡り合う為に相当な困難を乗り越えなくてはいけない。

その通り俺は.....相当な困難を乗り越えてきた。


先ず、親父。

そして仲の親父。

更に律子、幸。

穂高の親族。


与えられた絶望は全て超えてきた。

そして俺と穂高は結婚し、子供を妊娠。

今から描くのは周りの人達の動向の話だ。

みんな.....幸せになっている。



母さんは今も市役所に務めている。

そして俺を優しく見守ってくれている。

俺はその事には感謝しか無い。

ただひたすらに、だ。

母さんが.....俺の支えだから、だ。


先ず、御幸だが。

御幸は信也さんと付き合っている。

今も交際を続け、結婚への道筋を立てている。

結婚せずに今もまだ付き合いに至っている理由としては穂高を見守りたかったから、だそうだ。

そして御幸と信也さんは穂高の生まれ育った家で暮らすそうだ。

成長した甘ちゃんと蜜ちゃんと一緒に、だ。


そして智明と鞠さん。

結婚した。

それから智明の実家で二人で住んでいる。

その理由として智明は、だって俺は金を貯めるのが下手糞だからよ、と。

そんな感じで話していた。

その為、鞠さんが今は金銭面を仕切っておりいつか二人で暮らそうと約束しているそうだ。


それから仲。

彼女はケーキ屋の店長になった。

頑張った努力の末に、だ。

そしてまた付き合いを始めた男性が居るという。

その事には.....嬉しい思いしかない。

そして今、付き合いながらケーキ屋を営んでいる様だ。


良和さんは相変わらず花屋で店主をやっている。

ここ最近の話だが親父さんと打ち解けた様だ。

6年は経過しているが相変わらずのバリバリ元気。

その為に俺は苦笑いを浮かべながら.....良かったと思いつつ。

たまに花屋に向かっている。


満さんとキャシーさん。

この両者2名は結婚した。

結婚したってのはつまり.....同性婚だ。

俺はその事に驚きながらもみんな喜んでいた。

そして今、ひだまり、でカフェを二人で営んでいる。


野崎エリー。

今はテレビに出演し始めた。

メンタルを保ちたいと。

有名なVチューバーになったのだ。

彼女ならそこまではいけるかな、と思ったが。

予想外を超えた予想外だ。

チャンネル登録者は500万人を超えたらしい。

驚愕だ。


門松先生。

今は結婚して保健室の先生を引退した。

それから.....出産し、子供が居る。

俺はたまにメッセージをやり取りしている。

相手の人とは意気投合の様だ。

相変わらずだなって思う。


滝水は書店の金子要平さんが亡くなってしまってからその店の店主になった。

たまに行くがその度に滝水は俺にラノベを勧めてくる。

何年経っても変わらないな、コイツと思いながら見ている。


羽衣さん。

実家で今も暮らしているがまた彼女も愛しの男性を見つけた様だ。

その事に俺は羽衣さんにメッセージを送った。

良かったです、と、だ。

あの様な家だから.....どうなるか不安だったのだが。


そして周りのみんなも本当に幸せになっている。

俺は幸せって何だろうとか。

思っていたのだが。

これが幸せなのだろうとその様に思い始めた。

まだ解答は得られないが。


「穂高」


「何ですか?大博さん」


「愛って良いよな」


「いきなりですね。アハハ」


そんな会話をしながら俺達は幸せそうに笑顔を浮かべる。

そして.....俺達は待っていた。

誰を待っていたかって?

そうだな、智明達を、だ。

今日は久々にパーティーをするのだ。


何でそうなるかって?

今日が久々に集まる事が出来る日だから。

だから集まろうって決まったのだ。

その為に今、待っていた。


ピンポーン


「来ましたね」


「らしいな」


そして玄関を開ける。

そこには.....智明と鞠さんが居た。

よく見ると鞠さんのおなかが.....大きいような。

俺は智明を見る。

まさか、と。


「そのまさかだぜ。妊娠した。鞠は」


「.....お前。そんな重要な事を報告しろよ。何でだよ」


「アッハッハ。忘れてた☆」


「お前よ!!!!!」


鞠さんは盛大に溜息を吐く。

そしてハリセンを取り出した。

それから智明をぶっ叩く。

智明は、イテェよ鞠.....、と涙目になる。

主人がすいません、と謝る鞠さん。


「でも妊娠したんですね。おめでとうございます」


「穂高さんも。おめでとうです」


「あはは。ですね」


「さて智明。お前の様な頓珍漢は入れなくて良いよな。部屋に」


「ハァ!?何でだよ!入れてくれよお前!?」


イヤに決まってんだろ。

重要な事すらも報告をしないとかおかしいだろ。

俺に対して、だ。

絶対に部屋に入れないぞコイツ。


「謝るって!ゴメンゴメン!ゴメリンコ」


「謝りなさい。智明」


「す、すまん」


ゴメリンコってお前な。

反省しろよ。

俺は額に手を添えながら智明に苦笑する。

智明は、まあまあ、と言いながら酒を見せてくる。


「飲もうぜ。俺とお前で」


「.....ああ。そうだな」


「私達はジュースで」


「ですね」


そして部屋に入って来る智明と鞠さん。

俺はそれを確認してからドアを閉めていく。

今日もまた晴れ渡っている空だ。


さて明日は.....どうなっていくんだろうな。

思いながら俺は.....顎に手を添えながら穂高の呼び声に振り返り。

そしてにこやかになりドアを閉めた。


fin

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