3、新しい日

第80話 大博、誕生日を迎える

穂高の家で混乱が起こったが取り敢えずは.....落ち着き、その為に一応.....俺の誕生日は無事に迎える事が出来ていた。

俺の家でパーティーが開かれており智明がジュースを持って騒いでいる。


この場所には穂高、智明、鞠さん、御幸、滝水、仲、エリーさんが集まってくれて。

名前が無い人は忙しくて集まる事が出来なかったが.....プレゼントをくれた。

みんな.....俺を祝ってくれた。


「という事で.....今日は.....祝うぜ.....オボン一枚での男裸祭りでな!!!!!」


バシッと頭を鞠さんにぶっ叩かれた。

智明は、いやいや冗談だって、と苦笑い。

俺は、当たり前だ、と言い聞かせる。

苦笑しながら、だ。

それから智明は、えー改めまして、と咳払いして声を発した。


「穂高ちゃんの件で色々有って.....穂高ちゃんが戻って来て良かった!という事も加えて乾杯すっぞお前ら!!!!!」


「「「「「オウイェー!!!!!」」」」」


今日は母さんは仕事だ。

だから忙しいので祝えなかったが俺に.....昨日、30日に誕生日プレゼントを、おめでとう、とくれた。


仲は緑色に光るひし形のペンダントが入っていて。

俺は.....ひし形のその緑色のペンダントをみながら俺は母親に頭を下げた。

有難う、と言いながら、だ。

俺はそれを思い出しながら笑みを浮かべる。


「という事で誕生日と言えば誕生日プレゼントだ。という事で俺は誕生日プレゼントとしてはお菓子の詰め合わせを買ってきたぜ!」


「あ、有難う。ってかお前.....いや、良いけど俺は子供か?」


「俺はクソ真面目だぞ」


「いや.....良いんだが.....」


智明はニコニコしながら駄菓子の詰め合わせを持ってくる.....って。

よく見りゃ何か乗っている。

純白の手紙だな。


智明らしくないんだが、と思っていると鞠さんが、全く素直じゃ無いんだから、とやれやれと苦笑する。

うるせぇ!、と智明は赤くなる。

俺は?を浮かべた。

そして微笑んでくる鞠さん。


「.....そのお手紙の台紙を出したのは私です。そして書いたのは智明です」


「.....は?マジかよ智明お前。クソ珍しい。気持ちが悪いな」


「うるせぇな.....お前に感謝の気持ちを伝えたかったんだよ!悪いか!」


いやいや乙女かよ。

とは思いながら俺は.....恥じらう智明をクスクスと見つめる。

そして苦笑い混じりの笑みを浮かべた。

それから俺は手紙を早速広げる。


(よお。兄弟。俺とお前が出会ってから結構経つよな。結構、衝撃的な出会いだったから俺は鮮明に覚えてるぜ。俺としては一番出会って良かったと思ったのはお前に寄り添う事が出来る。それが良かったと思ってるぜ。お前は.....本当に傷付いているからな。だから俺が居ないと駄目だから。.....お前に出会ってから俺は本当に毎日が幸せで.....楽しいぜ。これからも宜しくな兄弟。誕生日おめっとさん)


「.....」


「.....何か言えよ!?ハズイだろ!!!!!」


智明はあわあわと慌てる。

すまん。

嬉しくて何も言えない感じだな。

そして笑いが出そうだ。

でも.....智明がこんな事をしてくるとはな。


「智明。有難うな。これお前から貰って一番嬉しいプレゼントだ」


「おま!!!!?ひっでぇな!」


「ハハハ。ってかまあ今までのも最高だったけどな。表現の仕方が悪かったな」


「全くよ」


そして俺達はハイタッチを交わす。

それからニヤッとした。

智明はジュースを飲んでから穂高を見る。

それから、じゃあ穂高ちゃん次出すか?、と笑みを浮かべた。

穂高は頷きながら立ち上がる。


「穂高も有るのか?」


「はい。当たり前です」


頷きながら笑みを浮かべる。

それから穂高は小さな箱を取り出した。

そして俺に見せてくる。

何だこれ?まるで.....指輪のケースの様な。

穂高はニコニコする。


「開けて下さい」


「.....お、おう?」


それから開けると。

そこには指輪が二つ入っている。

というか所謂ペアリングだ。

俺は目をパチクリして顔を上げる。


「これは.....?」


「私が昔、お父さんとお母さんと一緒に行った金鉱山の観光名所の場所の砂金が入ったリングです」


「.....お前.....高いんじゃ.....」


「私が自分で作りました」


みんなが驚愕する。

え!!!!?と思いながら、だ。

それからよく見ると確かに形が不揃いだ。

穂高が片方を持つ。

それから胸に手を添えた。


「永遠に一緒だって事を.....表現したかったんです」


「.....穂高.....」


「だからもし結婚する日が来たら.....左手薬指にこれを嵌めて下さい」


「.....オイオイ。みんな居るのに恥ずかしいんだが.....」


アハハ、と穂高は笑みを浮かべる。

みんなクスクスと笑いながら楽しそうに俺を見てくる。

唯一智明だけが、鞠俺達も、と言ってぶっ叩かれている。

恥ずかしいでしょ!、とツッコミ。


「でも智明。確かにこういうのあっても良いね」


「だろ?叩くなよ」


「恥ずかしいの」


「.....そりゃないわ.....」


ハッハッハ、と俺達は笑い合う。

それからいつの間にか司会役になっている智明が、んじゃ次は誰が!?、と頭に触りながら仕切った。

すると仲が、じゃあ私が、と手を挙げた。

それから、大博、と俺を見つめてくる。



仲のプレゼントは服、夏服の上着だった。

御幸、滝水、エリーさん、鞠さんはそれぞれで御幸がぬいぐるみ、滝水がライトノベル、エリーさんはペンダント、鞠さんは.....パソコンだった。

鞠さん盛大過ぎるだろ。

と思って俺は目を丸くする。


「鞠さん凄い.....」


「パソコンって俺も欲しいんだが」


羨む智明を置いて鞠さんはニコッとした。

今までのお礼の分も含まれていますよ、と、だ。

俺は、そんな.....、と思いながら目をパチクリする。

そして鞠さんはパソコンを指差す。


「最新機種ですし.....。.....ぜひ使って下さいね」


「い、いや有難いです.....けどその、申し訳無いです」


「気にしないで下さい。私が.....お礼をしたかったんですから」


「.....有難う御座います」


それから俺はみんなにお礼を言う。

みんな俺に、誕生日おめでとう、と拍手をしてくれた。

そして笑顔を見せる。

俺は少しだけ恥じらいながら頬を掻いてそして笑みを浮かべた。


「感謝だ。みんな」


「イェー!!!!!ハッピバースデー!!!!!イヤッフー!!!!!」


「煩い。智明」


「は、はい」


いきなり叫んだ智明に対する鞠さんのコントと。

それから.....みんな苦笑い。

俺はその様子を見ながら少しだけ俯く。


今まで.....俺は死ぬ事ばかりを考えていた。

だけどこの世界はまだ.....望みは有るんだなって。

その様に感じれてくる。

俺は思いながら顔を上げた。


「有難う。みんな。こんな俺の為に」


「当然ですよ。みんな智明さんに助けられたんですから」


「そうだぜ。兄弟」


「はい」


俺はほぼ何もしてない。

みんなが強かったりしたんだから。

俺は.....少しだけ涙を浮かべながら拭った。

本当に嬉しかったから、だ。

そして.....感謝しか無い。


「みんな.....貴方を支えます。助けられた恩義は忘れないです」


「.....本当にお前らに出会って幸せだよ俺は」


「私達もです」


だね、と顔を見合わせるみんな。

俺は.....ジュースを飲みながら.....ケーキをそのまま食べた。

このケーキは仲が持って来たものだ。

わざわざバイト代を掻っ捌いて買って来てくれた。


何だろうな。

俺は.....祝われているだけで良いのだろうか。

何もしてないのにな。

ただ迷惑を掛けているだけの様な気がするのに。


「仲。有難うな。フルーツケーキ」


「今日はお祝いだからね。だから全然気にしなくて良いよ」


「.....そうだけどな。お礼を言わないとな」


「.....気にしなくていいのに。ハハハ」


そして俺は智明からマイク代わりの雑誌を丸めたのを奪ってから。

頭を下げてみんなに向いた。

それから.....涙をこらえながらお礼を告げる。

有難う、と、だ。


「マイク返してくれ。兄弟。でもおめっとさんな」


「有難うな。智明」


これから先も宜しく。

その様に告げながらどんちゃん騒ぎ。

それから.....俺は考える。

明日からまた頑張れそうだ、と。

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