6、夏だ!

第64話 夏!ビキニ!海!.....デート

期末考査となった。

俺は出せる力を全て出してから2年の半分目の期末考査を迎えた。

今までの事を全部思い出したりする。

それは何故かと言うと、懐かしい思い出になり身が引き締まったりするから。

だから思い出していた。


嫌な記憶がある。

楽しい記憶がある。


だから今の俺が成り立っている。

その事に感謝と。

そして.....全てに思いを寄せて。

激戦の中に突入した。



「まあこれは酷い結果だな。相変わらずだがハッハッハ」


「あのな.....まだ期末考査もしょっぱななんだが」


「まあしょっぱなだろうが何だろうが俺にとっては何時でも酷い結果だからな」


ハッハッハと高笑いで爆笑する智明。

今、俺達は隙間の時間の休憩中だ。

その為に俺は智明にただひたすらに苦笑いを浮かべている。

すると御幸が寄って来た。

にこやかに、だ。


「何の話をしているの?」


「おー。御幸ちゃん。えっとな。御幸ちゃんと信也さんの噂だ」


「.....へ!?!?!」


目をパチクリして真っ赤に赤面した御幸。

おい智明テメェ。

さらっと嘘を言うな。

御幸がメチャクチャに驚愕しているだろうが?

俺は盛大に溜息を吐きながら見つめる。


で、そう俺達はしていると教室の外に鞠さんがやって来た。

俺は?を浮かべながら.....見る。

鞠さんは俺達に手を振っていた。

智明が直ぐに向かう。

俺達も顔を見合わせて向かう。


「えっと大博さん。.....お礼を言いに来たんです」


「.....お礼?何のお礼だ?」


「私とお姉ちゃんの、です。智明も.....本当にお世話になりました」


「有難い。鞠さん。でも鞠さんも頑張ったからお互い様だよ」


だが鞠さんは、いや。

智明と大博さん。

そして穂高さんに皆さんが居たから。


こんな感じで居られたんです。

と笑顔を見せる鞠さん。

俺達は顔を見合わせてから静かに笑みを浮かべた。

それから智明を見る。


「智明。良かったな。鞠さん」


「おうよ。兄弟。頑張った結果だな。アッハッハ」


「あはは」


「はい」


そんな感じで話して居ると。

向こうから今度は工藤先輩がやって来た。

俺は?を浮かべてやって来た工藤先輩を見る。

確か上の階だよな?3年の教室って。

何の用だ?、と思いながら教室から出てから工藤先輩の元に向かう。


「大博君。お久しぶりだね」


「.....えっと。どうしたんですか?」


「いや。結構前に声を掛けようと思って.....そのままだった。.....いや。違うかな。今まで引っ張っちゃったの。それにようやっとその事を思い出したからね。丁度思い出した今日ぐらいが良いかなって思って」


「.....?.....あ、でもえっと.....本当に俺も色々あったからですね。忙しかったですから」


俺は少しだけ過去を思い出す。

あの日、御幸を助けたから.....御幸の兄の捕まった幸から。

だからゴタゴタになってしまったし。


すっかり俺も忘れていた。

思いながら工藤先輩を見る。

工藤先輩は、そうなんだね、と笑みを浮かべた。


「話はね。私ね、君の事を知っているって言ったよね。実はね。私.....君とどうも一緒に遊んだ仲だったみたいなの。結構昔だけどね。最近思い出したんだ。とっても短い期間だったから」


「.....え?それってマジですか?」


「うん。とは言っても恐らくは覚えてないよ。何でかというと私は6歳だった。君は5歳ぐらいだったからね。当たり前と思う」


「え?そんなに昔ですか?」


うん。

あ、でも安心して。

私は君の事を好いて七水さんから奪ったりしないから。

と笑顔を見せる工藤先輩。

俺は、え!?、と赤面する。


「え?知らないと思ったの?アハハ。そういうのは隠し通せないよ。それがこの世界だから。.....でもそれはそうと君はあの頃から輝いていたよね。本当に面白い人で.....だから覚えているんだね。私」


「.....」


「君が幸せになった事は私にとっては本当に全てが.....君自身の様に嬉しいんだ。だから.....必ず。必ず君は七水さんを幸せにしてあげてね。じゃ無いと嫌だよ?」


「.....!.....はい」


応援しているからね。

あ、じゃあ.....時間も無いかもだから戻るね。

そう言いながら工藤先輩は髪を翻して手を振りながら去って行った。

俺は.....笑みを浮かべながら見送る。

そうしていると智明がやって来た。


「よお。どうしたんだ?工藤先輩なんて?」


「.....いや。俺達の旅路を応援しているってさ」


「.....?.....そうか。あ。.....話が終わったなら良いか?」


「あ?どうしたんだ?智明」


実はな.....一応3日以上経ったとかで律子と面会が出来るようになった。

と智明は苦笑気味な顔で俺を見てくる。

裁判所とかの認識もあるみたいだけどな。


言葉に俺は見開きながら智明を見つめる。

智明は、ま。とはいえ一組だけみたいだけどな。面会できるの、と智明は更に肩をすくめながら苦笑いを浮かべる。


「.....それにしても律子が反省していればいいが」


「.....何も変わらないだろ。アイツだしな。まあ一応お前には言ってこうと思ってな」


「.....」


この世の中は本当に複雑だな。

色々な人が居る。

律子みたいな奴とか、だ。

俺は思いながら智明を見る。

智明は、戻ろうぜ、と俺の肩にダチがする様に手を回す。


「智明。お前は会いに行ったのか?」


「当たり前だが会ってないな。まあ.....律子の親はどうか知らんが」


「会ったとしてもろくなこと無さそうだしな.....」


「反省してなければな。噛みついて来るだけだと思う」


智明は苦笑いを再びに浮かべる。

俺は、だな、と返事しながら目の前を見る。

そこには手を振っている御幸と鞠さんの二人が居た。

俺と智明はその二人に手を振りながら戻って来る。


「次はまたテストか.....面倒なこったな」


「俺は大丈夫だがお前は」


「大丈夫な訳がない。ハッハッハ」


「いやお前.....」


このクソ馬鹿は相変わらずだな。

俺は苦笑いを浮かべながら智明を見る。

すると智明は、あ、と声を挙げる。

それはそうと夏になったぞ兄弟、とニタッとしながら言う。

ん?夏は夏だな。それがどうした、と俺は目線だけ動かす。

すると智明は人差し指を空に掲げた。


「夏と言えば.....胸!!!!!おぱーいだ!!!!!俺にとってはマジに天国!ハッハッハ!」


「おう。そうか。一度死んで来いお前」


「そんな事を言うな!兄弟!お前だって穂高ちゃんのビキニが見たいだろ!」


「オイコラ!想像してしまったじゃ無いか!マジに死ね!!!!!」


クラスメイト、特に女子が、うわ、的な目をしている。

智明の首を絞めながら俺は盛大に溜息を吐いた。

コイツが居る限りは本当に俺に居場所はねぇな.....。

俺は額に手を添えながら智明の首を絞める。

そうしていると御幸が慌てて入ってきた。


「もうやめてあげて!はーくん!死んじゃうよ!?」


「そ、そうだぞ。大博。殺す気か.....。蒸し暑いのに更に身体がヒートアップするっての.....」


「喧しいわ。反省しろっての。テメェ」


でも確かに夏といえば海だよな。

何時か行きたいもんだ。

思いながら俺は顎に手を添える。


ここら辺にも海あるしな。

行ってみたい。

久々に、だ。



海といえば。

簡単に言えばバカンスだと思う。

バカンスといえば。

まあ.....そうだな。

休憩だと思う。


(海行きたいか。穂高)


(そうですね。海といえばバカンスですね)


(俺のダルダルの体を見たい馬鹿なんているのかね)


(私はどんな大博さんでも好きです)


ニコニコしているスタンプを送って来る。

そう言われると恥ずかしいんだが.....。

でもこうなったら行くしかないよな。

みんな誘うか?


(私、大博さんと二人きりが良いです)


(.....え?)


(最近はイチャイチャが少ないです。だから.....嫌でなければ、ですが)


恥じらっている様に見える。

俺はボッと赤面した。

それから、そ。そうか、と返事をする。

穂高は、はい、と返事しながら、でもその次は皆さんと一緒に行きたいです、と笑顔の感じで送って来る。

俺は笑みを浮かべて、だな、と返事した。


(デートは何時にする)


(私は.....あ。今週の土曜日はどうでしょうか?)


(そうだな。それは良いかも知れない)


(じゃあ今週ですね!とっても楽しみです)


こうして.....今週の土曜に俺と穂高はデートをする事になった。

それも丁度、この街の海で、だ。

俺は柔和な笑みを浮かべる。


智明.....すまん。

お前らに黙って今回はデートするぞ。

二人きりが良いからな。


(それはそうと大博さん。水着は何を着て行ったらいいですか?)


(ん?それは.....何だろう)


(スク水でもいいですよ。大博さんが好きなら何でもします)


(俺は変態か.....。恥ずかしいんだろ?そう言うけど)


当たり前ですよね。

恥ずかしいに決まっていますよ。

と、赤面のスタンプを送って来た。

俺はその姿に苦笑いを浮かべる。


(恥ずかしいなら言うなよ)


(でも男の子ってそういうの好きですよね。スク水的なの。その.....智明さんに聞きました)


(いや、あのクソ馬鹿.....)


穂高よ。

変態に聞いてどうする。

穂高が汚染されてしまったじゃ無いか!


アイツ絶対殺す。

思いながら卑猥な笑顔を浮かべてそうな智明の顔を打ち消しながら。

画面を見る。


(穂高。良いか。アイツには頼るな。お前の人生がマジにおじゃんになる)


(でも.....的は得ています)


(そ、そうか。でもそうだが絶対に駄目だ。俺の穂高を渡したくない)


(じゃ、じゃあ止めておきます.....)


穂高は目を丸くした様な文章を送ってくる。

そうしてくれ、と俺は念を押した。

智明は良い奴だ。

でも穂高の成長にはエロの刺激が強すぎる。

俺は思いながら盛大に何度目か分からない溜息を吐いた。


(でもその、話が戻りますがやっぱりその、スク水.....やっぱり好きなんですか?)


(.....え?いや、おい.....)


(私は真剣に聞いてます。スク水が良いですか?)


(.....穂高。いや、お前.....積極的だな.....)


当たり前です。

少しだけでも.....大博さんに好かれたいから。

とまた笑顔のスタンプを送ってくる.....と同時に。


スク水の写真が送られて.....きた。

穂高のスク水の写真.....!?

うぉぁ!?


「ごふぁ!」


鼻血が思いっきり出た。

俺は、な。何を!、と穂高にメッセージを送る。

穂高は、えへへ、とメッセージを寄こした。

それから、これって可愛いですか?、と聞く。

それなりにふくよかな胸元に七水と刻まれている。


(ったく。当たり前だろ。俺の彼女は世界一可愛い。愛すべき女の子だ)


(.....ふぇ?)


(宇宙一可愛いって事だよ。穂高。愛してる)


(.....そ、そんな直球で言われると恥ずかしいんですが.....)


俺はニヤッとする。

おやおや?

それがスク水の写真を送ってきた少女の言う事かね。

と思いながら勝ち誇ったようにする。


コイツは俺が.....勝ったな。

と思っていたのだが。

穂高は諦めてなかった。


(じゃ、じゃあ.....これはどうですか!お互いに恥ずかしくなりましょう!)


(.....?)


再び写真が送られてきた。

写真は.....穂高の青を基調としたビキニ写真だ。

その為に椅子ごと後ろに俺はぶっ倒れた。

そして鼻に手を添える。


胸デカいし卑猥すぎる!!!!!

俺は鼻血を抑えながらスマホを見る。

そしてギリギリでキーボードをタイプしてメッセージを送った。

コイツという奴は!


(おま!お前!?)


(えへへ。参りましたか?)


(参った。降参だ。お前.....こんなに可愛いんだな.....)


鼻血が止まらん。

アハハ、ですよ。色々と大博さんの為に磨いていますから。

と胸を張る様なメッセージを送ってくる穂高。

俺はその事に鼻にティッシュを詰め込みながら.....苦笑した。


(全くな。何時からお前はそんな感じになった)


(女の子は男の子と一緒だと何時でも変わりますから)


(ハァ.....。他の男にするなよ?そんなの)


(世界一好きな貴方だけです。こんな事をするのは、です)


その様にメッセージをくれながら、えへへ、とメッセージを送って来る。

俺は何度目かも分からないぐらいの盛大に溜息を吐きながら。

穂高に、可愛いな、と送った。

そんな穂高は、格好良いですよ。大博さん。愛してます、とメッセージをくれた。

俺はそんな文面を見つめながら顔を上げる。


「今週.....土曜日に、か。楽しみだな」


それから目を閉じてから。

よし、と声を挙げつつ明日も有る期末試験に備えて勉強を始めた。

俺はとても幸せだ。

昔とは違って今は色々な人達が居る。

本当に.....昔とは違うな。


「.....」


だから自然と笑みが零れる。

もう怖くないな、俺は。

そう思いながら目の前の勉強をこなしていった。

そして翌日になって.....。

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