第45話 大博、完全に自らの親父にキレる(緊急編集)

「何ですってぇ!!!!!」


智明に彼女が居る事を告げるとそんな声をみっちゃんが挙げた。

俺、白島さん、キャシーさん、御幸、穂高。

そんな感じで座って昼食を食べている。


とても可愛いハート形に盛り付けのパスタとか、だ。

草津温泉の名物じゃないが旨い。

それからソーセージとか。


その中で本名、白島満さんはワナワナ震える。

智明に彼女.....とギロッと俺を見てくる。

えっと.....これは言っちゃまずいヤツか?

そしてニコォッとした。

え?


「智明に彼女さんね。良かったわ。だって.....私は智明が一人と思っていたのだから。彼女が居ないのなら私が奪う予定だったけどね」


チュッと表情を見せるみっちゃん。

最後がとんでもない言葉だったが.....。

俺はその言葉を受けて安心した。

智明め、愛されているな、と、だ。


「智明は幸せになるべきよ。だって私が認めた漢だからね」


「.....それは俺も思います。アイツには幸せになってほしい」


「意見が一致するわね。アハハ」


「ええ。そうですね」


そうしていると。

電話が掛かって来た。

俺は?を浮かべて電話を見る。

その電話の主は.....良和さんだった。

俺は?を浮かべて、すいません、と手を挙げてから外に出る。


「もしもし?」


『ああ、大博。久々だな。えっとな.....今良いか』


「.....はい。大丈夫ですけど.....」


『実はな、少し嫌な話になる』


嫌な話?と思いながら眉を顰める俺。

そして空を見ていた。

それから良和さんはとんでもない言葉を発する。

それは.....衝撃だった。


『君の親父さんがその場所に居るだろ?俺.....君の親父の動向を調べていたんだけどな。君の親父さんは俺の親父から指示を受けてから偶然を装って君に接触したらしい。.....君の親父さんは本当にただの旅行だったみたいだけどな』


「.....な.....」


『俺の親父は.....嫌がらせを君にしたいみたいだ。仲の事を根に持っているみたいでな。君達が旅行に行ったのもどっかの伝で知ったみたいでな。仲は必死に隠していたんだが.....』


「じゃあちょっと待って下さい。なんで良和さんの親父さんは.....俺の親父の場所を知っているんですか?」


俺は写真を見た、と良和さんは答える。

写真って.....?と思っていると直ぐに答えが判明した。

良和さんは言い辛そうに言葉を紡ぐ。


『仲が良さげに飲み会で俺の親父と君の親父さんが二人が写っている写真を偶然に見たんだ。実はな、俺の親父と君の親父さんは仲が良いみたいだ。かなりだけど。きっかけは何か分からない。昔は相当に仲が悪かったみたいだけど。だけど今は違うらしい。電話でもしたんじゃないか?多分』


「.....良和さんはなんでそれが俺の親父だと?」


『あくまで予想だよ。君に顔が僅かながらにも似ていたからな。だったら納得がいくんだ。君が何故、草津温泉で親父さんと偶然に再会したのか、が、だ。殴られたのも理解がいく。多分.....嫌がらせだ。完全な』


「信じられない事を.....」


あくまで俺の親父は自らの手で下す真似はしない。

人に罪を擦り付けるタイプだからな。

君の身が心配だが......大丈夫か。

と聞いてくる。

俺は唇を噛みながらだが、答えた。


「大丈夫です。満喫してます」


『だったら良いが.....君の親父さんはまだ嫌がらせをしてくるかも知れない。覚悟がいるかも知れない。すまない。俺が親父を警察に突き出せればそれで終わるんだが.....突き出す為の証拠が無さすぎる。良いか。絶対に気をつけろ。これは思ったより大変な事かも知れない』


「.....はい」


じゃあ.....それだけだから。切るからな、と良和さんは、本当に気をつけろ、と電話を切った。

信じられない。

何を考えているんだ俺の親父は.....!!!!!

タッグを組んだ?

何処まで堕ちているんだ!!!!!


そうしていると。


メッセージが飛んできた。

俺に対して、だ。

そのメッセージの主は.....智明だった。

だが、鞠です、と件名に書いてある。

え?


(智明がいきなり男に殴られて.....いきなり殴られて暴行されてる.....!助けて!)


「.....は?」


俺は一気に青ざめた。

それからグッジョブに入ってから。

かくかくしかじかと全て説明してから。

俺は表へ飛び出た.....のだが。

キャシーさんは何を思ったのかスクーターを取り出した。


「行くわよ。智明を助けに。こっちの方が断然に早いわ」


「え、ちょ!?」


そして俺は後部座席に乗せられ。

そのままスクーターは人を避けつつ商店街を突っ切ってから。

智明の場所に到着した.....のだが。


裏路地の場所に人が集まり、その中央に親父が立っていた。

マジこれヤバイ、警察を呼べ、とか声がする。

何時からこうなっているんだ、とも慌てる声がした。

2分前には、とも会話が聞こえる。


智明はボコボコにされ青あざが出来ている。

ボロボロだった。

出血している。

その姿を見てから。


死の怒りが芽生えた。


キャシーさんが、智明!!!!!、と絶叫する。

鞠さんが涙を流しながら懇願している。

そして親父が智明の胸倉を掴みながら俺を見て暢気に挨拶をした。

コイツ.....この.....!


「よお。ひっさびさだな。.....朝ぶりか?大博」


「テメェ!!!!!.....も.....テメェ!!!!!!!!!!」


最大の怒りが俺の身を震わせた。

そして怒り任せに飛び掛かろうと後部座席から勢いよく飛び降りたその姿をキャシーさんが止める。

大博、落ち着きなさい、と、だ。


「大丈夫。大博。私がこのまま止めるわ」


「キャシーさん.....駄目ですよ。俺が.....!」


「いえ。私にやらせてちょうだい。ここまで激しい怒りも久々よ。まるで全身の毛がわさわさする様な.....そんな、ね」


と言いながら手をボキボキ鳴らしながら。

俺は少しだけビックリする。

キャシーさんは静かに怒っていた、から、だ。

そしてスカートを破る、キャシーさん。

動きやすい服装になる為か。


「良くもこんな真似をしたわね貴方。許されざる事をしたわ」


「.....あ?誰だお前」


「私の名前なんか覚えなくても良いわ。貴方はこの場所で私にボコボコにされるしね。後悔しても遅いわよ。私の大切な人によくもやってくれたわね」


そしてキャシーさんは構える。

空手のポーズだ。

本気の攻撃をする為か。

俺はその隙に智明に近付く。

智明は鼻血を流しながら、油断したぜ、と呟く。


「もう喋るなお前。マジにボロボロじゃないか!」


「.....いやー.....なんつうか。いきなり後ろから殴られた。油断したわー」


へへへ、と掠れ声で言う智明。

何でだよ。

こんな酷い真似を何で.....出来るんだ。


親父.....!

俺は涙が浮かんできた。

怒りじゃ無くて悲しい涙が、だ。

すると横に鞠さんがやって来てから智明の手を握った。


「智明を殴る手を止めようとしたの.....でも止めるなとボコボコにしたの.....あの男が.....腹いせだって.....」


「ここまでやるとか.....絶対に許せない.....」


絶対に許さない。

こんな真似をする馬鹿を野放しになんか.....。

くそうくそう!!!!!

すると智明が俺の手を握って来た。

背後から救急車の音がする。


「止め.....ろ。大博。俺は大丈夫だから。おまえが犯罪を犯すな.....」


その姿に俺は智明を抱き締めた。

くそう、と思って俺は.....号泣する。

そして到着した救急隊員がやって来る。

それからストレッチャーに智明は乗せられた。

鞠さんに向く。


「智明を頼みます」


「はい.....私が行きます。.....でもその、お願いです。無理はしないで下さいね。大博さん」


「.....はい」


そして横を見ると。

親父とキャシーさんが取っ組み合いをしていた。

喧嘩している。


俺はその姿を見ながら鞠さんに頷く。

そして鞠さんはストレッチャーに乗せられた智明と共に。

そのまま救急車と共に病院に向かった。

それを見送ってから俺は親父たちを見る。


「親父.....もう許さない。俺が.....ぶっ殺す」


そう呟きながら。

何時、襲い掛かろうか考えていた。

もう許さない。


智明にも、鞠さんにも手を出したお前を。

絶対に許す事は無いと思う。

と思っていると救急車が去ってから数秒も経たないうちにサイレンが聞こえてきた。

周りの人たちが来た来た!と声を発する。

キャシーさんがニヤッとする。


「.....貴方。警察が来たわよ。もう諦めなさい」


「.....ハッハッハ。ポリ公ごときがどうしたって?俺にとっちゃな。ポリ公ごとき大したもんじゃない。今までもそうだったからな!」


それからキャシーさんに殴りかかる親父に、止めろ!逮捕する、!と警察が叫んだ。

そして警察が手錠を、警棒を持って構える。

その様子に目線だけ動かしてチッと悪態を吐いた親父。

それから拳を引っ込めた。


「救われたな。大博。そしてお前。だが覚えてろ。俺が警察を出たらお前ら潰しに行ってやるよ。直接でな」


「.....」


俺は静かにジッと笑う親父を見つめる。

そしてそのまま警察に捕まった親父。

それで事件の幕は下りた。


一応、安泰が訪れたが。

俺にとって.....最大にして二度と起こってほしくない事件になってしまった。

そのまま直ぐに俺達は病院に向かう。

本気で許せない.....!

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