2?、温泉旅行に行く筈が

第35話 温泉旅行の団体宿泊券

今日の事はあっという間の出来事だったけど。

みんなでどんちゃん騒ぎで気分爽快だった。

フラッシュモブをやってくれた人と共に、だ。

これでみんなの絆は(特に智明が)深くなった筈だ。


俺はその様に考えながら疲れた感じで夜、自室でメッセージを打っていた。

メッセージ相手は智明である。

悔しがっている。

俺はニヤニヤしながらメッセージを見ていた。


(いやぁしかしまんまとやってくれたな兄弟)


(お前が何時もやっているじゃねーか。何もやってくれたなじゃないぞ)


(言うねぇ。君という奴は。ハハハ)


(おう。んじゃまた今度遊ぼうな。智明)


その様に打つと、あたりめぇよ兄弟、とメッセージをくれた。

俺はそのメッセージを見ながら笑みを浮かべる。

全くな、本当に変わらずだ智明は。

考えながら画面を見ていると御幸からメッセージが来た。

俺は首を傾げる。


「.....ん?」


(大変だよはーくん)


メッセージだが何か慌てている。

俺は首を傾げながら見つめていると。

御幸はメッセージを立て続けに送って来た。

そのメッセージにはこう書かれている。


(この街の商店街のクジが当たったの。それも2泊3日の温泉旅行が)


まさかの衝撃的なメッセージ。

俺は見開きながらガバッと起き上がる。

いや、マジかよオイ。

そりゃ凄いじゃないか。

思いながらカタカタとキーボードを叩く。


(そりゃ凄いじゃないか。是非とも家族で行って来たらどうだ)


(それが.....団体旅行のチケットなのこれ。3人じゃ無いチケットなの。私達だけで使うの勿体なくない?)


(.....あー.....マジか。確かにな)


(どうしようかな)


いや、どうしようと言われてもな。

苦笑しながら頭をボリボリ掻く。

方法なんぞ無いだろ。

その様に考えながらメッセージを送る。


(因みに何人分だ?)


(私、仲ちゃん、穂高ちゃん、はーくん、智明くん、鞠さんが丁度入るぐらい。あと.....一人かな)


(.....うーん.....)


万が一だが俺達だけで行きましょう。

それは冗談だが普通に言えませんよね。

色々と面倒だ。


思いながら顎に手を添える。

どうしたものかな、と思うが.....。

身近に頼れる大人か.....うん?

居るじゃ無いか。


(仲の良和さんに頼んでみるか?そしたら行けないかな。俺達が)


(え?私達で行くの?.....あ、でもそれだったら行けそうな気がする)


(良和さんなら納得してくれるだろ。良い人だし)


じゃあ良和さんに頼んでみようか。

と御幸は嬉しそうにメッセージを送ってくる。

俺はそのメッセージに、だな、と打って送った。

さてそうなるとだが。


(仲、起きてるか)


(うん。どうしたの?)


(良和さんに頼みが有る)


(頼みとは?)


そうだなえっと.....旅行に行こうとしているんだが良和さんに保護者として付いて来てもらえるかという話だが、とメッセージを送る。

仲は顎に手を添える様な感じでそのままメッセージを送って来た。

メッセージを見る。


(無理かなぁ。お兄ちゃん忙しいから)


(そうか。やっぱり無理か)


(でも諦めるのは早いよ。保健室の先生ならどうかな)


(え?それは.....)


会った事は会ったが微妙な範囲だぞ。

しかも教師だろ。

それは如何なものか、と考えていると仲は写真を貼ってくれた。

その写真は保健室の先生と.....仲である。

俺は目を丸くした。


(確かに優しそうだな。先生。確か名前は.....)


(門松美鈴先生)


(だよな。門松先生なら大丈夫か)


(うん。私が何時もお世話になっているから)


これなら仲も安心か。

しかし.....穂高と鞠さんと.....色々厄介そうだ。

手続きが長くなりそうな気がする。

やはり無理か?


(智明)


(おう。どないした)


(お前は温泉に入りたいか)


(お?お前がやるならやるぞ。盗撮も覗きもバッチグーだ。因みに丸秘の機械あるゾ)


何を.....眉を顰めた。

は?コラ殺すぞテメェ、とメッセージを送る。

何を言ってんだこの馬鹿。

思いながらも咳払いしてやり直す。

そしてメッセージを送った。


(温泉に入りたいってのは旅行に行きたいかって事だ!馬鹿野郎!)


(え?お?旅行?何でそうなる?)


かくかくしかじかと説明すると。

智明は、マジか!、と目を輝かせるようなメッセージをくれた。

それから、そうなったらお前もやるよな?覗き、とメッセージを.....この野郎。

やっぱりお前だけは連れて行かねぇ、とメッセージを送った。


(やめてクレメンス。勘弁してクレメンス)


(覗くなよ。絶対に。通報するぞ。俺がシバくぞ)


(お、おう。勘弁してくれ。怖いぞお前)


(当たり前だ。威圧するぞ流石にそれは)


全くな、この阿呆は。

盛大に溜息を吐きながら次の奴にメッセージを送る。

その相手は鞠さんだ。

タップして鞠さんのアドレスを開いてメッセージを送る。

そして事情を説明すると。


(大丈夫ですよ。私は。親も納得するでしょう)


(そうか?.....有難うな)


(楽しみですね。皆さんと旅行なんて)


(おう)


そんな挨拶を見ながらまた別の人にメッセージを送る。

最後は穂高である。

打って送信すると穂高は直ぐにメッセージをくれた。

勿論行きますよ、とだ。

嬉しそうにメッセージをくれた。


(えへへ。デートしましょうね)


(お、おう)


(愛してます。大博さん)


愛してる、か。

しかし家庭の事情が有ると思うのだが.....有り難い。

思いながらメッセージを送る。

その事に穂高は絵文字と言葉で応答した。

俺も愛してる、と送る。


(大博さんに出会ってから.....本当に嬉しい事ばかりです。大博さん。これからも宜しくお願い致しますね♪)


(ああ。俺も宜しくだ。穂高)


(はい)


俺はそのメッセージを見ながら少しだけ草臥れたので頭を上にあげた。

そして天井を仰ぐ。

それからふと思った。

昔の俺だったら.....絶対に無かったな。


こんな事は、だ。

本当に変わったな、俺と思う。

考えつつ、よし、と言いながら笑みを浮かべて仲にメッセージを送る。

仲は直ぐに返信をくれた。


(仲。先生に許可を取ってもらえるか)


(あ、行くんだね。分かった。じゃあ今から.....)


それから門松先生話すと許可を貰えた。

という感じでメッセージが送られてきて俺はそのメッセージを見つつ。

欠伸が出て来たので横になってから御幸にメッセージを飛ばした。


因みに御幸によると.....来週の月曜から2泊3日の旅行だそうだ。

その事をみんなに告げてから.....俺は撃沈した。

眠かったので、だ。

母親に許可を.....取らなくて.....は。

ZZZ.....。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る