第31話 智明を恥じらせる作戦 4、と出会い
色々有りながら翌日になり。
仲は穂高にも配慮で別の部屋で寝るから、と言って別の部屋で泊まり。
因みに仲の母親と父親には.....状況などを伝えたが。
父親はキレている様だった。
相変わらず物分かりが悪いなと思う。
相変わらずの感じで溜息が出る。
俺は少しだけ複雑に思いながら夜の間少しだけ起きていて考えた。
仲と父親の関係を良くしたいな、とその様に、だ。
具体的には今日考えよう。
思って寝たのだが.....。
☆
「.....」
「大博さん。起きて下さい」
「.....?!」
寝ていると声がした。
俺は目をうすらだけ開ける。
そして横を見ると。
何故か穂高が、可愛い、と呟きながら立っている。
そしてそんな穂高は俺が目覚めてないと思ったのか次に俺の耳元で赤くなりながらとんでもない事を言い出した。
少し詰まりながら、だ。
「.....大博さん。早く起きないとキスしますよ」
「.....じゃあしてくれ」
「ふぇ?お、お、お、起きていたんですか!!!!?」
改めて目を覚まして穂高を見てみる。
穂高の目はぐるぐる回っていた。
のけ反って、だ。
真っ赤になって本気で恥ずかしいのだろうけど。
そう言ったからにはしてもらおうじゃないか。
「キスしてくれるんだろ」
「それは寝ていた時だけです!!!!!」
「ほーう。恥じらっているのか?お前らしくない。ハハハ」
「.....でもキスしたいのは事実ですけど」
へ?と思っていると。
俺の頬を持って優しく唇によって塞がれた。
まさかの事に驚愕しながら穂高を見る。
穂高は俺の唇から唇を離してモジモジしながら、えへへ、と話す。
そしてニコッと可愛らしく笑みを浮かべる。
「やった」
「.....マジにしてくるとは.....」
「大博さんが悪いです。挑発するからです」
「.....そ、そうですね」
そうしているとドアがゆっくり開いた。
そしてスマホを構えた.....仲が顔を覗かせ.....おい。
ちょ、ちょ、何やってんだ!?
仲はスマホから顔を上げてニヤッとする。
そしてこう呟いた。
「いいものが撮れた」
「いや.....お前.....というか撮った写真どうしてんだよ」
「勿論。現像して.....大博の恥じらいに使う」
「何.....だと」
いやいや勘弁して下さい。
穂高も真っ赤になっているじゃねーか。
本当に勘弁してくれよ。
だがそんな事もお構いなしに仲はニヤニヤしながら俺と穂高を見てくる。
「幸せそうな二人。良いね!」
「仲さん.....」
「取り合えずやり過ぎるなよ?」
「やりすぎとは感じてない。私は当然の事をしている」
当然ってお前さん.....と言うか。
それはそうと穂高が何でこの家に居るんだ?
思いながら俺は穂高を見る。
穂高、お前どうして居るんだ?と言葉を発した。
「あ、そうですね。仲さんが気になったから来ました。えっと.....呼び掛けたので他の方々も来ますよ」
「智明とか御幸とか鞠さんとか?」
「うん。ですね」
それは本当にか.....。
やれやれと思いながら俺は頭に手を添える。
そこまで大ごとにしなくても良いと思うが.....。
思いつつ俺は仲を見つめる。
仲は驚いた様な顔をしていた。
「.....私の事は放って置けば良いのに.....」
「馬鹿。何を言ってんだ。お前は俺達の仲間だしな」
「ですね。大博さん」
「.....」
唖然としていた仲だったが。
君達には本当に頭が上がらないなと、と苦笑した。
そして笑みを浮かべる。
そして涙を拭う。
目じりに涙が浮かんでいたのだ。
俺と穂高はその姿を見ながら柔和に笑みを浮かべた。
「でもそこまでしてくれる必要は無いよ。本当に実際、逃げ場が有るだけ.....マシだからね」
「.....そうか」
「うん。でも本当に有難う。.....それはそうとさて.....良いとして君達はデートするんじゃ無いのか」
「は?.....いや、どっから聞いたんだ.....」
私は引き籠りだからね。
それなりに情報力は凄いんだ。
と.....ニヤッと笑みを浮かべる仲。
無駄に凄いな。
知らせてないのに、だ。
「デートはデートですが.....仲さんの事を考えてからしたいです」
「私に配慮する必要は無いよ。言って来たら良い。なんだったら今日でも」
「.....どうする?穂高」
えっと.....と困惑した様に苦笑する穂高。
それから、じゃあお言葉に甘えて、と俺に向いた。
そして、行きましょうか、と笑みを浮かべる。
でもそれだったら仲をどうするか。
「母さんには説得しているけど.....どうする?仲」
「私はもう一晩、頭を冷やすよ。じゃないと.....何となくだけど親父にそれなりに当たりそうだからね」
「分かった。それじゃあお前の言葉に甘えて行って来る。アイツらにも言っておくから」
「ですね」
じゃないと人疲れすると思うしな。
思いながら俺は仲を見てからスマホを見る。
智明とかに連絡しておこう。
その様に思いつつ智明とかに連絡した。
そして俺達は外に出てからデートに行く。
☆
「街に出たけど.....どうすっかな」
「そうですね。えっと.....花束を買いましょうか」
「花束?」
花束って言ってもただの花束じゃ無いです。
簡単には枯れないお花.....ブリザードフラワーです。
と人差し指を立ててニコッとした。
ブリザードフラワー?
「正確に言えば加工したお花です。なので簡単には枯れないんですよ」
「.....物知りだな」
「そうですね。女の子のたしなみです」
「.....じゃあそれを買うか。俺の金で」
駄目ですよ。
と穂高は俺の手を握った。
そして笑みを浮かべる。
恋人のご友人なんですから分割で払います。
と律儀に決める穂高。
いやしかし.....。
「だーめ。.....私がそうしたいんです」
「全くな。俺の友人の為なのに」
「あはは。その代わり私の友人の時に助けて下さい」
と満面の笑顔。
俺は、勿論だ、と答える。
それから柔和な表情を浮かべた。
そして、じゃあ行きましょうか、と俺に向いてくる。
「ああ。じゃあ行こうか」
「はい」
そして歩き出す。
そうして暫くしてから穂高が俺に再度向いた。
それから花咲く様な笑顔を見せる。
俺は?浮かべて穂高を見る。
「どうしたんだ」
「.....私の様な女の子がこんなに幸せなのが嬉しくて」
「今更だな。.....そんなに嬉しいのか」
「当たり前です。大好きな人が傍に居るんですから。こんなに幸せな事って普通は無いですよ」
天国のお母さんもきっと喜んでくれます。
と手を動かしながら俺を見てくる穂高。
俺はその姿を見ながら.....、そうか、と呟く。
それから歩いて行くとすれ違った奴に振り向かれた。
「おい」
「.....はい?」
突然、声を掛けられた。
それも.....金髪の頭をしたゴツイ不良の様な奴に、だ。
俺はその姿に眉を顰める。
一体何だコイツは?
不安そうな穂高を後ろにやりながら聞く。
「何の用ですか?」
「.....俺の兄貴(不良同士で言い合う仲)がこの街のどっかの奴にやられて骨折したんだが.....情報的にお前がかなり似ているんだが。お前じゃねーよな」
「.....兄貴.....」
顎に手を添える。
そして直ぐに幸が頭を過った。
俺は、マズいな、と考えて否定する。
そして言ったのだが。
「ああ。そうか。まあどっちでも良いけどお前の顔どうも気に食わねぇ。目付きと言い」
と言った瞬間。
俺はその男に勢いよく殴られた。
少しだけ血が飛ぶ。
まさかの事に穂高が、大博さん!!!!!、と声を思いっきりに上げる。
そんな穂高に、来るな!、と言い聞かせながらその不良を睨む。
まさかいきなりこんな事をするとは。
「お前の目つきが気に入らねぇんだよ。いやマジに。さっきからムカムカする」
「それだけで殴るのかお前は」
「不愉快な奴は潰したくなるんでね」
「.....」
参ったな。
唇から出血している。
困った.....コイツも締め上げないといけないのか。
と頭に過るが首を振った。
直ぐにそんな考えが浮かぶ。
締め上げる、か。
そんな事はしたら駄目だよな。
穂高の為にも、だ。
チラッと穂高を見てから思う。
「えっと、話し合いで決着をつけませんか」
「嫌だね。むかつくし」
「.....」
取り繕った笑顔をしていたが。
敵は一人と考え出した。
俺は.....眼付を鋭く変える。
これは本格的に骨折とかに追い込んだ方が良いか。
このままでは穂高が危ない気がする。
と思っていると。
突然その不良の背後から声がした。
巨大な影だ。
「よお。お前ら。何やってんだ?」
「.....あん?何だテメェ」
「あ、俺?.....俺は通りすがりの通行人だ。ってかそんなもんどうだって良いんだけどよ。俺の店の前で大騒ぎすんな。人の目も有る。やるなら別の所でやれ」
目の前の店を指差す男性。
そう言う男性を見る。
エコバッグに革ジャン。
そしてジーパンを履いて身長は180ぐらい有る。
ロン毛と言える髪型をしており褐色の肌だ。
と言うかこの男何だか.....会った気がする。
いや、正確には会った覚えはないが身近に感じる。
思って穂高を守っていると不良がその男に食いついた。
「意味の分からねぇ事を言うなコラ!!!!!」
だがその拳を易々とバシッと片手で受け止めた。
俺は驚愕しながら見る。
かなりその手はごつい手をしている。
不良も俺も驚愕しながら見開く。
手が掴まれて全く動けないようだ。
「そこの彼氏」
「はい?」
「あまり言いふらすなよ。今からやる事」
「え?」
そしてそう言うなり思いっきり不良を受け止めている手の反対側の手でぶん殴った。
その勢いで回転して飛んでいく不良。
しかもお前、バウンドした.....。
信じられないぐらいの力に俺はとっさに巨人を見る。
横から穂高が俺の手を握ってくる。
ハンカチで俺の血を拭きながら、だ。
「ったく。オラオラうるせぇんだよ。騒ぐなって言ってんのによ」
手をブラブラさせて溜息を吐く巨人。
俺と穂高は唖然としながら巨人を見つめる。
巨人はニコッとした。
よく見るとかなりのイケメンだ。
10センチぐらい違う俺の頭をポンポンと叩いた。
「アンタ.....強いな。殴られても女の子を守ろうとしたろ?すげぇと思う」
「俺が強い?アンタの方が強くないか?」
「いやいや。確かに俺も強いけどさ。でもそういう別精神大事だから。強いって言うよりも遥かにな」
しかしそれは良いけどあの殴ったのどうしようかね。
言いつつバキバキと手を鳴らしながら首を鳴らす巨人。
殴った不良を見つめた。
そんな不良は目を回して気絶している。
それから俺に向いた巨人。
穂高が恐る恐るでその巨人に聞く。
「あ、貴方の名前は.....」
「ああ、俺?.....俺は来栖。来栖良知(くるすよしとも)だ」
まあ宜しく、とニカッとした男。
俺達は名前に、え?、的な感じで更に驚愕した。
それってまさか仲の兄貴.....?、と思ったのだ。
俺は直ぐにその男に聞いた。
「アンタ.....仲という女の子、知っているか?」
「あ?.....ん?5年ぶりぐらいに聞いたな。俺の妹だが。.....って言うか何でその名前を知ってんだ?」
「.....マジか.....」
偶然にも程が有る。
そう思わずにはいられない感じだった。
まさかだろ。
思いながら俺は驚愕に目を丸くした。
そうしていると良知さんがハンカチを渡してきた。
「それはそうと忘れていたが傷は大丈夫か」
「.....あ?.....ああ」
「良かったら俺の花屋来いよ。少しだけ休んでいけ」
「.....え?」
そこの店だと指差す良知さん。
俺と穂高は驚愕しながらその店を見た。
なんという偶然なのだろうか。
その様に思わずに.....居られなかったが。
何故、仲の兄貴が此処に?と謎が深まるばかりだった。
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