第12話 勉強会が終わってから.....の?
結構厄介な勉強会になった.....。
思いながら俺は迫る二人+一人に全てを解説する。
俺が.....幼稚園の頃に栗谷以前に助けられていた事。
そして親父の影響も有り引っ越して行った事。
今になって不登校になっている事。
全部を、だ。
その事に七水と栗谷は少しだけ羨ましげに来栖の事を言っていたが。
途中で七水が笑みを浮かべてこう提案した。
会いに行きませんか、と、だ。
俺は目を丸くした。
「.....来栖さんが苦しんでいる.....その事は事実だと思います。だから.....応援.....じゃ無いかな。えっと.....会ってあげたいです。私.....心配です」
「私も」
「勿論、俺もだ」
「.....お前ら.....」
全くな.....本当に。
やるとなったらそのまま動くから。
俺の仲間は本当に最高だと思う。
だけど.....。
「.....来栖が会うかどうかなんだが」
「会ってくれないですかね?」
「分からないな。.....今、アイツは不登校だ。だから.....気持ちが揺らいでいると思う」
「.....そうだな.....」
途中から勉強会じゃ無くなったな。
苦笑して思いながら.....俺も顎に手を添える。
そして考えた。
どうやったら会えるか、と、だ。
「.....取り敢えず家に行ってみない?みんなで」
「.....そうだな。それは良いかも知れない。だけど.....驚くかも知れないから先ずは俺だけで行ってみる」
「任せても良いか」
「ああ」
テストが終わってから行ってみる。
本当に有難うな、みんな。
と俺は笑みを浮かべた。
その笑みにみんなは顔を見合わせて笑顔になる。
「.....勉強しようぜ。取り敢えず」
「だな。智明」
「おう。休憩は終わりだ」
「.....じゃあやりましょうか」
俺達はそのまま勉強を再開し必死にして。
そのまま雪道さんと栗谷に挨拶をして帰った。
その帰宅中の話だ。
誰かが俺の家の前に立っていた。
☆
「久々だね」
「.....来栖.....お前.....家から出れるのか?」
そこには褐色の肌の女の子が立っていた。
俺の家の前ってよく女性が立つな.....。
苦笑いながらも.....嬉しかった。
八重歯が特徴的で.....顔立ちは成長した女性になっている。
顔立ちは本当に美少女だ。
だけど.....髪が伸びたな。
俺に対して柔和な笑みを浮かべるが.....。
「.....久々だな」
「.....うん。久々。今起きたから.....」
「そうなんだな。何しに来たんだ?」
「お母さんには反対されたけど.....君に会いたくなったから.....何とか家を出て来たの。.....その、君のお父さんは今も.....」
俺は首を振った。
離婚したんだ、と告げる。
それから少しだけ目線をズラす。
あの男とはもう二度と会いたく無いからな。
と俺は来栖を見た。
「.....そうなんだ。じゃあ.....今はお母さんと?」
「そういうこったな。久々で会えて嬉しいよ」
「.....君の気持ちに応えれなかったの.....ごめんね。必死の告白だったのに」
「構わない。若気の至りだ」
俺は苦笑する。
そして来栖を見た。
取り敢えず家に入らないか、と誘導する。
来栖は、そうだね、と笑みを浮かべた。
「.....じゃあ家の鍵を開けるから」
「うん」
それから俺達は家に入った。
そして.....来栖に、座ったら良い、と促す。
来栖は頷いてから腰掛けた。
そして俺は床の座布団に腰掛ける。
「.....本当に久々だね」
「.....そうだな。でもどうやってこの家を知ったんだ?」
「色々ツテを辿ったんだ。あはは」
「.....情報力が凄すぎるだろ.....」
来栖は控えめな笑みを浮かべる。
イジメている奴らが信じられないな。
こんな良い子を.....。
俺が惚れた女の子を、だ。
何だか怒りが湧く。
「.....来栖。お前.....」
「仲ちゃんって呼んでよ。久々に」
「.....それはちょっとキツイ。仲で良いか」
「あはは。許してやろう」
言いながら仲はニコッと笑んだ。
俺はその姿を見ながら.....口角を上げる。
そして立ち上がった。
それから仲を見つめる。
「何か飲むか?」
「.....じゃあお茶を下さい」
「分かった。待ってろ」
「.....うん」
しかし.....困ったもんだな。
何を話したら良いか分からない。
久々に会ったのは良いけど.....だ。
思いながらお茶を淹れる。
そして思い付いて俺は言葉を発した。
「.....今度さお前の家に行って良いか。みんなと一緒に」
「.....あ、お仲間さん達と?」
「そうだ。良いか」
「歓迎だよ。でもその汚い部屋になっているから.....片さないとね」
そんなの適当で良いよ。
お前の気持ちは全部分かるから。
と俺は笑みを浮かべながら運んで来る。
君は相変わらず優しいね、と仲は呟いた。
「.....でも.....窓から君を見ていたけど.....もしかして恋人が居るの?君」
「.....ハハハ.....冗談を」
「え?割と本気で思っていたんだけど」
「アイツらは確かに俺が好きだ。でも.....俺は.....昔の事が有るから愛せない」
仲は見開いた。
そして.....そうなんだね.....、と申し訳無さそうに俯く。
俺は直ぐに慌てて言葉を言う。
お前のせいじゃ無い、と。
「.....親父を止めれなかった.....俺が悪いんだ」
「.....君は何時もそんな感じだね。自虐する様な.....」
「それが俺だからな」
「止めた方が良いよ。それ」
仲は厳しい口調になった。
それから心配そうな感じになる。
俺は見開いた。
君はもう幸せになって良いんだよ。
私が保証出来るから。
父親とせっかく別れたんだから.....と。
俺に向く。
「でも現にお前を.....」
「全部貴方のお父さんが悪いんだよ。何で君が謝るの?」
「.....」
「.....君は贖罪はもう出来てるよ。もう十分だと思うよ」
俺を抱きしめる仲。
そして俺の背中を摩った。
俺は本当に子供の様な感じの様に見える。
自分自身でそう思った。
「頑張ったね」
「.....お前本当に母性有るよな。そういう所に惚れたんだよ俺」
「あはは。でも付き合うとするなら私とは釣り合わないよ。今の君はね。本当に輝いてるよ」
「.....」
そして暫く。
俺たちは抱き合っていた。
それから.....離れてから笑みを浮かべる。
そして、アハハ、と笑い合った。
思ったけど俺.....恥ずかしい事したな.....。
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