第13話 《第一封印昇華》
「確かあったよな?《鉱物斬》」
永遠と捌くのに飽きてきたので記憶の中にある【騎士】系統のスキルを唱えると黄土の光が剣を包む。
「さてと【自己加速】」
脳の回転速度及び反射神経を重点的に上げる様に組み込んだ【自己加速】により全てを流す。ただ数分もしないうちに俺の動きに適応し緩急を付けてくる。その動きは魔物が半分人間が半分と混ざっておりなおかつ何処で手に入れたかは知らないがあの《武魔鋼将》のものもある。
「魔術使うか?」
魔術は本当の意味で俺の切り札だ。一般的に主流である魔法とは違い魔力を術式を介して昇華させこの世に示すのが魔術であり通常の魔法封印では無効化されないという利点がある。一応魔法もそれなりには使えるが魔術(俺の技量として)には劣るものがある。
「まああくまで【騎士】なんだけど…」
普通は防御をして防いで隙を突くものなんだが生憎とそんな事を選ぶほどでもない。剣の腹で打撃と共に短剣に装備を変える。こうなるともう完全に剣士というか双剣士である。まあ戦闘していればレベルが上がるのは戦闘系ではわりと当たり前なので。
その瞬間に上からしなるように伸びて来た槍を咄嗟に短剣を重ね合わせるようにガードする。
「《クロスガード》ってコレ双剣士のヤツなんだけどな」
やはりオフに出来ないせいか【救世主】の特性が満遍なく活かされてしまう。別段悪いことではないのだがこうして慣れてしまうのは良くないのであまり使わないのだが。出力もそんな高いないし。ただきちんと受け止めている以上はそれでいいのだけど。
「コレ…まさかな」
一度しか使っていない《クロスガード》にすら対応して襲いかかってくる順を微かに入れ替え常にどちらかの短剣は防御に回す必要が出てくる。まるで超級職級の戦闘能力を有しているかのように。
「…面白いな」
ただもう既に稼働範囲を見切ったし予想限界能力も大体把握した。
後方に跳ぶと同時に薙ぎ払いを重ねる。それは【双剣士】のスキル《クロスザクス》。それは矢を払い槍の穂先を僅かに逸らし急所を外す。その上で細剣の突きを《クロスガード》で防ぐ。
「まあ見られたくはないけどな…」
魔力を霧散させて存在を認知し辛くする。多分あの2人には簡単に見えるだろうが仕方ない。そこは割り切ろう。元々【救世主】を見せているわけでもあるのだし。そう考えリミッターを解除して身体能力を【騎士】【救世主】【賢者】【封印神】の現在のステータスを完全開放する。…【騎士】以外に物理関係と敏捷性が上がる幅がそこまであるわけでもない。まあだからこそ良いんだけど。
「じゃあ《
【救世主】の無制限スキル使用などを捨てる事になるが【天職】2つを捨てずに最大限の上昇ならこれが1番である。まあ【封印神】って才能特化でないとなれないとは予測はしているけどさ。
「…抜け道って怖いよな《その武に光あれ》《猛き心身は増幅せよ》」
…魔術は普通に使えるもんな。
攻撃には使わないとは言えども身体能力強化や武器強化は普通にできるし。それに重ねることも出来るから。
「【
【賢者】によるステータスの増幅により更に動きを機敏にする。見えるし動けるし考えれる。それは俺本来のスタイルの1つに近づいていく。高速起動での撹乱を行い着実なまでに一撃で仕留める。【抜刀神】を最大限に活かすが故に身に付けたスタイル。たった1つの職と【天職】の組み合わせで上昇させていく。そしてそれは超級職を封じたが故に超級職以上に匹敵する能力を得ていく。
「さてと勝負だ同格」
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