第31話冒険者登録

ラミア商会の底力に驚きと感動を覚えつつ、ジェシカさんたちと別れ私たちは、冒険者ギルドにやって来た。


そこは、外からでも聞こえるぐらいの賑やかさで、「おい、今日のウルフの相場はいくらだ~」とか「ねえちゃん、酒のおかわりくれ~」とか、「あなた、魔法師?臨時パーティー組んでくれない?」とかいって騒いでいた。そう私たちが入るまではね。




チリリ~ン。


私たちが中に入ると、そこにいる冒険者の目が私たちに向いて一同に静かになって、次には、「おい、オーガの女だぞ。」「側にいるのってアマゾネスだよなあ。結構綺麗じゃねえか」「一体何しにきたんだ。クエスト依頼かなあ」等といってヒソヒソ話が始まった。しかたないよね。亜人種とはいえグラマーな美少女3人が行きなり入ってきたのだし、リリとモモは不快感で一杯だったが私は気にせずに一人の女性の元に向かった。


「お久しぶりです、シェーン・レイモンドさん。私アティです、覚えていらっしゃいますか?」そう告げると、さっきまで厳しい目でギルド内を監視していた女性の表情が一変し優しい顔になった。


「アティちゃん。あっ、今はアティ様だっけ。本当に久しぶり~綺麗になって、最初判らなかったわよ。」


「シェーンさんも相も変わらず美人ですねえ。ギルドマスターは、いらっしゃいますか?」


「あの親父は奥で昼寝でもしてるんじゃない。でっ、今日はマスターに用があるの?」


「いいえ、あの~私も15才になったので・・・。」と恥ずかしそうに言うと、シェーンさんは直ぐに判ってくれたように「登録ね。3人ともでいいのかなあ?」と用紙を準備してくれた。シェーンさんは私やラミア姉さんの事を知っている少数の内の1人であるので助かっている。


「じゃ、これに名前とレベル、それから職業を書いてね。あとアティちゃんは名前アティだけでいいよ。じゃないと色々面倒だからね。」


そして、必要事項を書いて渡すと、シェーンさんが、ふふっと笑って「お姉さんと同じ事をしているわ。本当になつかしいなあ」と言った


「どういうこと?」とたずねると「ラミアちゃんも登録の時レベル100って書いたのよ、初心者でレベル100は、ありえないのにね。」


しまった。ラミア姉さんからレベルは30って書くように言われてたのに・・。


「まあ、いいけどね。それと、リリさんとモモさんだっけ、職業近衛メイドって・・・ね。私は慣れているけど、他の人だったら大騒ぎよ。」


そう言って笑いながら手続きをしてくれたけど、私は急に恥ずかしくなって顔を隠してしまった。


そして、しばらくすると「はいっ、終わったわよ。これが<ギルドカード>よ。ようこそ冒険者ギルドへ。」


そう言ってカードを渡してもらった。これで、私も冒険者だと思うと感動して暫くカードを見続けていると、


「あのう、私たちのパーティー登録もお願いします、姉さんに強く言われているので。」


とリリが頼んでいた。


モモの話では、シルカさんがいくら頼んでもラミア姉さんがパーティー登録してくれなかったらしい、理由は内緒で出掛ける事が出来なかったからだそうだ。だからリリとモモには、すぐに登録するように言っていたらしい。別に私は気にしないけど、これって飛ばっちりだよね、あきらかに。


でも、これで手続きは終わった。すると、奥から1人の叔父さんが現れた。


「アティ・・アティじゃねえか。」


ここのギルドマスターのドリトル・マークだった。

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