第29話やっと来ましたよ。この時が

「お待ちください、そんなに急がなくても大丈夫ですよ~」


「はあ・・はあ・・まってよ~」


「待てないよ~。この日を楽しみにしてたんだから~」


私はアティ。先日やっと15才になって、念願の<冒険者>になるために、此所ラーファイド王国のアーレスにやってきたんだ。そして、子供の時から一緒にいるモモとリリも一緒だ。


「リリ、早くしろよ~、そんな大きい胸してるから早く走れないんだぞ。」


「胸の大きさは関係ないとおもうよ。モモちゃんも同じぐらい大きいしね。」


「何をいってる。アティ様を見ろ、息も切らして・・・やべえ。」


「わ・た・しの胸がどうだって・・・モモちゃん・・。」


先を走っていた私は、立ち止まって振り向くと、二人は青い顔をして立ち止まる。


「い・・やあ・・アティ様が小さいって意味じゃないんですよ~どちらかって言うと大きいほうだと・・・」


「そうよ・・・それに・・まだ成長期だし・・これから大きくなるよー。形は一番綺麗だしね~」


「はあ・・・もういいよ・・二人とも本当に変わらないなあ・・」


「其を言うならアティ様も・・・ね。」


「そうそう・・、御劔の里の次期主なんですよ~自覚してます?」


「わかってるよ~・・・ははは。」


こんな会話ができるのも、この二人だからであって、大事な友達だからだ。


ちなみに、私は15才になって髪型を変えたのである。前髪を額の所で揃えてボブのショートで毛先を外に跳ねさせている。服は変わらず着物にスカートである。ただ、まだ神刀は持たしてはもらってないが、子供から持ち続けているミスチル入りの木刀を持っている。必要なら魔力を注いで切れるしね。


リリとモモは髪型などは変わってないのだけど、二人とも胸にメロンを二つ付けているのが気になるし、二人の服装も、リリは大きく胸元が広がったメイド服に自分の背丈程の大剣を背負っている。モモにいたっては、ビキニ姿にミニスカートのメイド服で両手には手甲を付けている。


(こんなカッコしたメイドがいたら目立ってしかたないよねえ・・・)


まあ、そんな会話をしていると目的のアーレスの町が見えてきたのだった。






アーレスの城門に近ずくと、相変わらず入門者によって列ができていた。


「懐かしいなあ、ここでラミア姉さんと会ったんだよ」


「そうなんですね。ところで・・・あれっ・・なんでしょう?」


そう言ってリリが指を指す方向に、数人のメイドとタキシードのおじさまがいて、こちらに向かって手を振っている。


「アティさま~。りり~。モモ~。」


見覚えのあるメイドさまが大きな声で呼んでいた。


「リリ、モモ、あの人は・・・。」


「はいっ、ジェシカさんです。今はラミア商会のアーレス支部長だったはずです。」


ジェシカさん、シルカさんの右腕的な存在でアマゾネスでは珍しい大魔法師であり、散々私たちをしごいて(訓練)をしてくれた人である。私たちは互いに顔を見あってから、深く溜め息をついた。

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