第28話ラミア商会

「ラミア商会?」


私が頭の上に?マークを付けて首を傾げていると、アティが答えてくれた。


「えっとね。<ラミア商会>って言うのはね、シルカさんが始めた商会で、この里で作った物とかを色々な国で売って商いをしてるって言ってたよ。沢山売れているから、お店も沢山になって有名になったって。」


シルカさんって、そんな事もやっていたんだ。メイド道に目覚めた筋肉アマゾネスだと思っていたんだけど、最近 里がやけに建設ラッシュが起こって里の感じが国みたいになってきてるとは思っていたけど、私たちの家も「城を建てましょう。」とかシルカさんが言ってたけど、ここは、このままがいいって言ったら、家の回りが城みたいになって、お城の中庭に家がある様な形になってるし、里には、<商店街>や<着物工場>なんかもできてて、皇国や王国の商人の姿も見るようになった。そして、周辺のオーグやオーガ、ドワーフにドライアドたちといった知恵ある魔物までも移住してきて、人と魔物の共和国みたいになって来ている。


「・・これって、明らかに国だよね・・・。皇国と王国に根回しがいるんじゃ・・・」そんな事を考えていると、あることに気がついた。 「・・じゃあ、ここの主である私って・・・女王ってことなんじゃ・・・。」


やばい、やばいよ。そんな立場はダメだよ~、目立ちすぎる~。私はシルカさんを呼んだ。






「お呼びですか?ラミア様。」


シルカさんが家にきたので、話を聞くことにした。


「シルカさん。<ラミア商会>について聞きたいのだけど・・・。」


シルカさんの話では、始まりは、やはり天使アティの一言だった。


皇国の王子が里に来て、しばらくした頃、冒険者の話からアティが、「じゃ、この里を離れたらメイドさん居ないんだ~。それだと色々知っておかないと大変だね~。どこに行ってもメイドさんが居てほしいなあ」と言った一言にシルカさんがハッと気がついたのである。


「主が何処にいても側で尽くすのがメイド道である。ならば、主が何時、何処にいようと尽くすべきだが、それは私でなくてもいいのではないか?」


そして、気ずいたのである。アマゾネスには<忍>と呼ばれる男のアマゾネスがいる。彼らに各国で商売をさせて、そこにメイドを配置又は育てれば、ラミア様が何処に行ってもメイドがいるではないかと・・・。そして、皇国との民間交流開始と同時に実行したのであった。


「そして、今では、各国で200店舗、メイド軍団総勢1000人が待機しており、まだまだ拡張中でございます。」


メイド1000人?200店舗?拡張中?何それって感じで座りこんでしまった。


「でも、よく揉め事もなく、200店舗もだせたよね。なんだかんだと妨害を受けそうなんだけどね・・ははは。」


「妨害?でございますか。大丈夫でございます。邪魔になりそうな闇組織などは、先に潰しておきますので、治安が良くなったと感謝されてますよ。」


もう、笑うしかないよね。


「あっ、それと、各店舗にはラミア様アティ様の肖像画を飾りメイドたちには、ラミア様アティ様に尽くすように教育をしておりますので、ご安心を・・・。」


って、何を安心しろって、それに、世界的に私の名前が広がって、目立つなんてレベルこえてるよ~これじゃ名前すら言えないじゃない。

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