第11話ラミアさまって、どういうこと
「ふふっ・・あのね、あのね・・・。」
「私、名前つけてもらたんだよ・・・・アティって言うの・・・・。」
アティは、よほど嬉しかったのだろう、周囲の村人に言ってまわり。「そうかい・・アティ様かい。よかったねえ・・・。新しく、お姉さんもできて、よかったね・・。」そう言って、村の人達も笑顔で答える。その時のアティの笑顔は、本当に天使の様な可愛らしかった。
しばらく、その光景を見ていると、「あの~、ラミアさま?・・・。」そう言って、グラスが、話しかけてきた。
「ラミア様とアティ様は、これからどのようになさるのですか・・・。」
「私は、本当は、このあと旅に出るつもりだったけど、アティのこともあるから、辺境の地にある、家に、もどろうと思っているよ。アティに力の使い方や御劔の事も教えないとだからね。そう答えると、グラスは、「お願いがあります!」そう言って頭を下げてきた。
グラスの話では、この村は元々遊牧民の人達の村で、各方面を回っていたのだが、人と魔族の戦いのせいで、一ヶ所に落ち着こうとして、このラーファイド王国に来ていたが、王国は、財政難から、できるだけ保護は約束してくれたが、受け入れは待ってほしいとの返事であった。そんな中で、今回の騒動が起こったのである。そこで、私の住む、辺境の地に、連れていってくれないか?と言った話であった。
「辺境の地は、只、広いだけで、何もないし、魔物もでるし、開拓からしないとダメだから、大変だよ。それでもいいの?」
「はいっ。一から私たちで作りあげるなんて、やりがいがあります。それに、ラミア様を主として生きて行きたいのです。」
「私が主?ちょっと待って、私は、皆を纏めることなんてできないよ。」
「いえっ、ラミア様とアティ様の御姉妹は私どもの恩人であり、主であります。村人を纏めるのは、私がやりますので、私どもを連れていって下さいませ。そして、これは村人の総意の願いなのです。なにとぞお願い申しあげます。」そう言って、頭を下げてきた。まあ、土地は余っているし、アティのためにも、村を作るのもいいかもね。でも、ひっそりと普通に暮らすはずが、村人の主となっちゃったよう~。まあ、20人程度の村だったら、なんとかなるよね。辺境の地は、お兄ちゃんたちのおかげで、[御劔の地]みたいになってるし、問題なし。
「じゃ、いっしょにいきますか!」
そして、私とアティは、王国のギルドに帰ってきている。村人の出発には2、3日ほしいとの事だったので、その間に、私のやることを済ますことにしたなだよ。それは何かと言うと、可愛い天使のアティの服とかを揃えることだよ。あと、村での事を報告して、ついでに<ケルペロス>も処理しないとだしね。
そして、ギルドの扉を開き、受付にいたシェーンさんに声をかけた。
「こんにちは、ギルドマスターに取り次ぎをお願いします。御劔の名で・・・。」
「御劔の名で・・・で、ございますか?」
「そういう案件だと言うことです。」
「わかりました。少々お待ちください。」そう答えると、シェーンさんは、2階へと向かっていった。
「お待たせいたしました。マスターが部屋に来て下さいとの事です。」
部屋に入ると、マスターのドリトルと、SSSランクのミリアさんが揃っていた。
「どうしたのだ?御劔の名で面会とは・・・。」
私は、これまでの成り行きを説明した。城門でのアティへの暴行、村への魔獣の襲撃と成り行き、今後、村人の辺境の地への移住、そして、アティの御劔継承の件を話し、それらに<ケルペロス>が関与して、尚且つ、メンバーが魔族であった事実を説明すると、ドリトルは、私と、とくに、アティに頭をさげた。
「すまなかった。まさか、ギルドのクランのひとつが魔族であり、そんな非道をしていたとは、俺の監督責任だ。<ケルペロス>については・・・」
「<ケルペロス>に対しては、私が処理しますよ。ドリトルさんとミリアさんには、国王への対応と村人移住認可、再発防止をお願いしますね・・・。うふふっ。」
そう言って、私とアティはマスターの部屋を後にした。
その後。マスターの部屋では。
「なあ、ミリアよ、ラミア、処理するっていったよなあ。あれって・・・やっぱり」
「そうですよねえ・・・<ケルペロス>がなくなったってことだとおもいますよ~」
「やっぱり・・・・・。そうだよなあ・・・・。」
そんな会話をしながら、お茶を啜りながら、遠い目をして、天井を見上げる二人だった。
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