第6話そうだ・・・お兄ちゃんのせいにしよう・・

(もう!お兄ちゃんのバカ)


流派処か名前までバレてるんじゃ誤魔化しようがないじゃない。もう隠しようがないけど、Lv999ってことはバレる訳にいかないよね・・・。偽装したLvですら人外状態みたいだしなあ。


少し考えて、名案が浮かんだ。(そうだ・・。この際、妹って事はバラして高いレベルなのは、お兄ちゃんのせいにしよう。)お兄ちゃんの強さを知っているなら、私が少々強くてもギルドマスター的には、問題ないよね。(まあ、知らなかったのだから、しかたがないのだけど、名前バラして、偽装Lvも高くしちゃった、お兄ちゃんが悪いのだから・・・ゆるしてくれるよね・・たぶん・・・・)




「そうです・・・。私は亜門の妹のラミア・御劔です。ですが、くれぐれも言っておきますが、私は兄のように強くはありませんよ。たしかに、Lvは高いかもですが、ならったのは、型だけですし、私自身が目立つ行動が嫌なので、冒険者ランクも、ずーーーと、最低のFランクのままで結構です・・・。素材の買い取りと町への通行ができれば、それだけで、いいので・・・。」っと言うと、その場のいたドリトル、ミリアとシェーンの3人は顔を見合わせる・・・。(金髪で和服を着た御劔の名前の美少女が目立たないって無理な気がするのだけど・・・。)っと思いつつ「えっ、それじゃ永久Fランク冒険者って事を希望するって事なのか?」っと言うドリトルの質問に私は首を縦に振った。






しばらくの沈黙の後に、これ以上ここにいるのは不味い気がするので「それでは、私は、失礼しますね。登録証はカウンターでもらえるのですか?」


「ああ、受付に言ってもらえたら、すぐに渡せますよ。」シェーンさんの返事を聞き席を立とうとしたとき、「ラミアさんは、これからどうするの?」っとミリアさんが聞いてくるので、「2、3日は王都にいる予定ですが、その後は、わかりません。多分、旅にでると思いますよ・・・。」そう言って部屋を出ていった。








受付に行って登録証をもらうと次は宿屋を探すことにした。だけど、広い王都で良い宿屋を探すのは中々難しく、(あーあ、受付のお姉さんに聞いておけばよかった)と、後悔していると、遠くの城門の方から子供の声がしてきた。


普通は聞こえる距離ではないのだけど、私には、すぐ近くのように聞こえる。Lv999は伊達ではない。


「お願いします。お姉ちゃんを・・・。村の人達を助けてください・・・。」


そこには、5、6才の白髪で角を生やした鬼人少女が城門の兵士に泣きながら助けを求める姿があった。

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