第3話最強の初心者
「ここが冒険者ギルド」
私の目の前には、中世のヨーロッパを思い出す様な町並みの、その中のひとつである石つくりの建物の大扉があり、中からは、大勢の話し声や怒鳴り声などが聞こえてくる。
「神様。お願いですから変なイベントは、いらないので静かに登録させてくださいね。」っと祈りつつ扉を開いた。
チリリ~ン
扉を開くと呼び鈴が鳴り、中にいる多くの冒険者たちの視線が私に集まった。一瞬の間合いの後に続くヒソヒソ話。
「おい、見ろよ」「エルフだよ。エルフ」
「きれい~」「和服の金髪美少女って反則でしょ」などと話している声を無視してカウンターの一人の女性の元に向かった。
「いらっしゃいませ~。初めての方ですか?」
カウンターの女性は、にこやかに笑顔で対応してくれる。
「はい!。冒険者登録をお願いしたいのですが・・・」
「わかりました。それでは、私が案内させて頂きますね。私の名前はシェーン・レイモンドと言います。シェーンと呼んでくださいね。」
そういうと、机の下から一枚の紙と水晶玉を出してきた。
このシェーン・レイモンドと言う女性は茶髪のセミロングで青い目をした、受付嬢にはもったいないぐらいの美女だったし、同じ女性から見ても魅力的な、お姉さんっと言った感じである。
「それでは、お名前と年齢を教えてください。」
「はい。ラミア・御劔です。15才です。よろしくおねがいしま~す。」と答えると周りで聞き耳を立てていた輩が騒ぎだした。
「おい。聞いたか?」「ああ~、御劔だってよ」
「もしかして、あの御劔か?」「いや、違うだろう。あの御劔は男だって話だしな」
スミマセン。それ、お兄ちゃんです。
5年も経ってるのに、まだ噂されているんだなあ。
まあ、しかたないか~。国一つ潰した男だしなあ。これは、そうとうに気を付けないと目立ちすぎる。
などと考えながら紙に必要事項を書いて、次は水晶玉である。
「この水晶玉で各ステータスやランク等が登録される事になりますので、手をかざしてください。」と、シェーンさんが促してくる。
私は自分のステータスを見せる訳には行かないので、亜門お兄ちゃんが、普通の冒険者並みに偽装していて、これは、クリス姉さんに教えてもらった魔法で、よほどじゃないと、バレることはないっていってたっけ。
そんな事を思いながらも水晶玉に手をかざすと、その水晶が激しく光だして、慌てて、手を離した。そして、それを見ていたシェーンが固まっていて再起動に数秒かかったが、次に、その水晶が表したステータスを見て、また固まった。
あれ?もしかして偽装されてない?
シェーンさんが再び再起動して聞いてくる。
「ラミアさん、本当に冒険者登録って初めてなんですよね。初めての登録でLv100なんてありえない事なんですけど・・・SSSランクの冒険者でもLv85ぐらいなんですよ・・・」
「えっ、Lv100って普通じゃないんですか?」
「一般人はLV15ぐらいで、強い初心者でもLV18ぐらいですよ」
やばいよ~偽装してても人外クラスだったよ~お兄ちゃん、どうしてくれるんだよ~
「アハハハ~ちょっと師匠が鍛えすぎたようで・・・・」っと苦しい言い訳を聞いてくれる訳もなく、
「ちょっと待っててください」
そう言って、奥にあった階段をかけ上がって行った。
どうしよう・・・もうすでに、最強初心者の冒険者になってしまったかも・・・・これは、かなり目立ってるよね。今さらLv下げれないし、本当のLvが999なんて絶対にバレる訳にはいかないよ~~~。
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