第2話 ツリーハウスへようこそ
「え?めっちゃ綺麗やん!」
玄関に入ったあたしは驚愕する。
田中さんの話だと空き部屋は6部屋、つまり九人が生活している共用部なのに靴が散らかる事もなく掃除も隅々まで行き届いている。
「普段からこうですよ、管理人がきちんと指導していますから」
へー、凄い。
「管理人さんも常駐しとんしゃーとですか?」
「ええ、施設の管理とともにコンシェルジェのような役割もしています、潮田さんも入居されるなら何時でも声をかけていただいて結構ですよ」
え?ここ家賃2万よね?共益費が五千円だけどそれで賄えるの?
「実は管理人と言ってもここの持ち主でして半分趣味みたいなもんなんですよ、あ、こちらがキッチンです」
リビングとカウンター型で繋がったキッチンはIHとシンクが3セットずつ設置してあり同時に沢山の人数が沢山の料理をしても大丈夫になっているみたい。
壁際にはオーブンレンジと普通のレンジ、大きな業務用炊飯器と普通の炊飯器、更にはロティサリーグリルなど調理で使う機械は一通り揃っている感じだ。
「あ、ここの調理器具は備品なので誰でも使うことができます、冷蔵庫も共用と個人用ありますからお好きに使ってもらって結構ですよ」
え?家電買わなくて良いってこと?
「リビングは皆さんの憩いの場ですので大型TVを置いてあります、もちろんお部屋にもアンテナは来ているので一人で見たい番組や録画したい場合は自室で構いませんし録画はリビングのレコーダーを使ってもらって構いません、まぁリビングのレコーダーは地上波なら全チャンネル録画されていますから残したい番組だけ2日以内にディスクに書き出してもらえば良いんですけどね」
あたし聞いたことある!すごい高いレコーダーについてる機能だそれ!
「洗濯機も乾燥機付きで5台ありますし物干し用のサンバルコニーもありますから下着などは乾燥で干したいものはバルコニーを使う方が多いですね」
ここは天国ですか!?
「ということは自分の部屋って...」
「まぁ実家の自室みたいな感じで使っていただければ」
そう言って田中さんは部屋の鍵を開ける。
「素敵すぎやない?」
現在空き部屋は6部屋、全て見て回ったがデザイナーズマンションのような打ちっぱなしの部屋から完全な和室、純白のお洒落な洋室など全部綺麗でお洒落な部屋ばっかり。
しかも全室オーシャンビューでベランダも広い。
こんなの断る理由が見つかんない!
「あたしここに住みたかです!よろしくお願いします!」
あたしは宣言した。
すると田中さんがニコニコしながら。
「ツリーハウスへようこそ!
改めまして、私ここのオーナー兼管理人をしております
と紳士的に頭を下げてくるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます