祖母との再会 2
「これは天使の羽とカラス天狗の羽だねそれも長の羽だよ。これは、どうしたの?」
「これですか? これは父さんがくれたんです。父さんは昔から妖や天使が見えたみたいで天使から友達の証としてもらったみたいです。この羽は祖父の形見だと聞いています」
そう二つの羽を鞄にしまいながら、答えるとばあちゃんが言った。
「それについては私から話そうかね。だけど、長くなるからまた今度にしようか。ある一人の男の話だよ。とてもかわいそうな男のね。さて私の話をしようかね。私がなぜこの世界を選んだのかきになっているだろう?」
「いや、全然。好きなとこで生きたらいいんじゃない?」
そう告げるとばあちゃんは焦り始めた。
「聞きたいだろう? 私の話をさ。聞いておくれよ。」
「また今度ね。ねえ琉さん、ここってどんなものが食べられるの? メニュー出てきそうにないしさ」
「このタイミングで僕に話を振るの?! 話したそうだし聞いてあげなよ」
琉が焦っていると扉がガラガラっと開き狐が入ってきた。狐と言っても狐の耳を付けた男といっていいだろう。
「マスター! 生一つ頼みます! ってあれ? 珍しいお客さんだね。人間が来るとは珍しい。茜も連れてくるべきだったか。失敗した。おや? 雪絵どうしてそんなに残念そうな顔をしているの? 誰かに振られたようなそんな顔だね」
そう言うとばあちゃんの顔がぱっと輝いた。
「花伊なら私の話、きいてくれるかい? 私の昔話をさ。この子は聞いてくれないんだよ」
「そうなのか? 聞いてもいいけど。その前に、えっと君は誰? どうしてここにいるの?」
そう聞かれたので僕は自己紹介する。
「僕の名前は
「なんか悪いな。雪が。申し訳ないことをした。それなら、ご飯を食べて今日はお帰り。ご飯を食べながら雪絵の話を聞けばいい」
「分かりました。眠さに耐えきれず寝てしまうかもしれませんがその時は起こしてください。おすすめありますか?」
と僕が聞くと花伊さんは答えてくれた。
「分かった。起こすと約束しよう。なんだ雪。メニュー出してないのか。マスター直筆のメニューがどっかにあるだろう? それを出せばいいのに……。マスターメニューどっかにある?」
そう言われた恭さんはメニューを取りに奥に行ってしまった。その間におすすめを教えてくれた。
「僕のおすすめは肉豆腐だね。お肉がジューシーで美味しいんだ。ああそうだ、もし君が起きなければ僕が君を家まで送り届けよう。君の住所を教えてくれるかい?」
「すみません。お言葉に甘えます。僕の住所は月の都菫区梔子町の2の6の9です」
「教えてくれるんだね。でも少しは警戒しないといけないよ? 僕が悪い人だった場合大変なことになるからね」
そう忠告してくれたので僕はお礼を言った。
「ありがとうございます。確かに初対面の人に住所は教えてはいけませんね。以後気を付けます。」
そう言うと彼は満足そうに笑った。そして恭さんがメニューと鳳凰ルージュ梅酒のソーダ割、生ビールをテーブルの上においてくれた。
「ありがとうございます」
そういえばばあちゃんの存在をすっかり忘れていたなと思いばあちゃんの方をみると少しすねていた。
「わたしの存在忘れていたね?」
「うんごめん。すっかり忘れてたよ」
そう言いながらも僕はメニューを見る。そこには若鳥のからあげや塩ラーメン、マスター特製サラダなど様々なものが書かれてあった。
「マスター、肉豆腐と若鳥のからあげと特性サラダをお願いします」
そう注文すると恭さんは静かに頷き調理を始めた。
「君、結構はっきり言うんだね。いいね気に入った。今の会社やめて僕のところで働かない?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます