第5話 恥ずかしい告白///
「……何で魔女学科に……?」
「私の母が魔女でしたから。私も、魔女になるんです。なので……魔女で神秘魔法を使うとか、恥ずかしすぎて死んでしまいます!絶対に内緒にして下さい!」
……確かに、魔女なのに神秘魔法持ち……しまらないかも知れない。
「忌々しい……神秘力と魔力が相反するせいで、生まれつき魔法が苦手なんです……魔法が苦手な魔女とか、何の呪いですか!」
「……薬品専門の魔女もいる、とは聞いた」
「……はい、そうなんですけど……魔法薬の生成に必要な魔力すら無く……店では、神秘魔法を使って狩りをしてきた素材を並べて体裁を整えて……本当に惨めです」
既に自分の店を持っていたのか。
「私、レベルを上げたいんです。これでも、少しマシにはなったんです。せめて70……いえ、100とかに上げられれば……」
「まあ、レベルを上げた結果魔力が成長しているのなら、望みはあるな」
最悪のパターンだと、レベルアップで苦手ステータスが下がるからな。
俺は剣の適正が下がった。
「これからよろしく頼む。2人で、レベルを上げよう」
俺も、レベルを上げたい。
あいつに勝って……闘技大会で優勝して……武勲を上げて身分を上げて……そして、ミレアに釣り合う男になって……
ミレアにとって、俺が眼中にないのは、百も承知だ。
幼馴染としては仲が良いが、恋愛対象や……ましてや、結婚相手としては意識の外だろう。
ミレアに相応しいのは、あいつ……
みんなそれは分かっている。
……そうか。
俺がミレアと幼馴染……それを知っているからこそ。
あいつは、戦士学科に居座るのかも知れない。
くそ……
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ひゅひゅん
10体……11体。
クリスタルガーディンアンを切り伏せる。
物理防御と魔法防御が高い、厄介な敵。
低レベルの頃は大分苦しめられた。
ボウッ
アースワームのアシッドミスト。
高範囲のブレス……ソロなら耐えるしかないそれを……
「
ルルイエが無詠唱で放った魔法が、ブレスを掻き消した。
「
ルルイエの魔法が、アースワームを撃ち抜き、絶命させる。
強い。
このあたりでは俺もルルイエも、余裕が有りすぎる。
次回は上級ダンジョンに行こう。
「最初から上級ダンジョンにすれば良かったな」
「……先輩が此処までの実力だとは思わなかったので」
「ルルイエの実力も相当だな。ひょっとしたら、その魔法、ミレアより上か……?」
「ミレア……
「いや、神秘魔法の使い手としては、一応公式記録では最高位だからな、あいつ」
そもそも使い手が数えるくらいしかいないんだけど。
「あいつって……先輩、ミレア様とお知り合いなのでしょうか?」
「ああ、そうだ。俺はミレアの幼馴染……不釣り合いだけどな」
ルルイエは、小首を傾げ、
「んー。つまり、先輩が高みを目指しているのって……ミレア様が関係しているんですか?」
ぐさ。
鋭い……
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観「魔力と相反する力……職業病だな」
歌「そうですねー。まあ、彼女が力を隠しているのは、格好が悪いからだけでも無いんですけどね」
観「公式記録を塗り替える存在……相当な力量、という事か」
歌「他にも格好悪いからって隠している魔女がいるかもですねー」
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