第4話 レア技能……ミレアだけにね

がしょん


前方から迫るのは……アイアンゴーレムが1体、クレイゴーレムが2体……


「先輩、まずは1体おびき寄せ──」


ひゅん


俺の斧が、アイアンゴーレムを切断。


ひゅ


続けてクレイゴーレムを切断。

終。


「……は?」


ルルイエが怪訝な声を出す。


「どうだ、レベル上がったか?」


「え……あ、はい」


レベル1なら、今ので5くらいまで上がったんじゃないだろうか。


「あの……今の、何をやったんですか?」


「何って……普通に近付いて、袈裟斬りにしただけだが」


「……全然動きが見えなかったんですけど……」


レベル1の魔法職に視認される戦士の方が問題だと思うが。


「レベルが上がって、ステータスが上がれば見える様になるよ」


結構ゆっくり動いていたしな。


--


「とりあえずこんなもんか……どうだ、大分あがったか?」


ざっと100体程、色々切り伏せ。

くそ……この程度の敵じゃレベル上がらねー……

というか、こっそりレベル60とかの敵混じってたぞ。

この洞窟、変異性じゃないだろうな。


「……先輩、強いんですね」


「まあ、弱くはないと思う。上には上がいるが」


「戦士学科って、先輩程の力でも1位になれないんですね……認識が間違っていました」


「上は化け物だな」


何がライバルに勝ち越してないから、だ。

お前、俺が勝った事ないじゃねーか。

さっさと特殊学科行けよ。


「で、今はレベルが幾つだ?」


ルルイエは、困った様な顔を浮かべ……


「先輩……固定パーティーの件ですが」


「ん?」


「組んで頂けるんですよね?」


「ああ、そう言っているだろ」


さて、レベル10は超えている筈だが……


「……レベル上がっていません。今のレベルは46です」


「うおおいっ!」


そりゃ1階層の雑魚じゃレベル上がらないわな。

勝手に低レベルと決めつけていたが……こいつ、高レベルか。

まあ、高レベルなのに魔法が使えないって時点で、かなりきついんだが。

というか、魔女だよな?

レベルが上がれば何かのステータスは伸びる筈で……魔女なら魔力は上がる筈だが。

あいつみたいに、本来魔女学科じゃないのに居座ってるだけか?


溜息をつくと、


「仕方が無い」


「あの……」


「最下層を目指すぞ」


最下層付近であれば、多少敵は強くなるし。


「ちなみに、盗賊技能とか、戦闘技術とか……何か伸びている能力はあるんだろ?」


無能者、という事はないだろう。

そこまでレベルを上げられるという事は、何らかしらの戦闘技能が高い筈だ。


「……神秘魔法です」


俯き、恥ずかしそうに呟く。


「ちょ」


神秘魔法。

超レア技能。

神官職が使う神聖魔法の上位互換で。

特殊学科確定の最優良能力。


王族、上位貴族……一般市民でも上位聖職者候補……限られた人しか所持しない能力だ。

ちなみに、俺の幼馴染のミレアも、この能力の所持者。

まあ、流石にミレア程の威力ではないだろうけど。


------------


観「おい、タイトル」

歌「タイトル……ですか?」

観「いや、何でも無い。気にするな」

猛「ほーほー、そうです、何でもないですよ、ほーほー」

歌「……?」


観「主人公、普通に強いな。速度低下している筈なのに」

歌「まあ、普通に高レベルですからねー。流石に中級ダンジョンでは余裕です」

観「無事強そうな仲間を見つけて……本格的に上級ダンジョンに狩り場を移せる感じだな」

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