クソがっあんのじじぃ!!!

やばい。近づくにつれてどんどんオーラが濃くなってる。



序盤に普通出なくね?な?

(俺はまた誰に言ってるんだ)


いっつデジャヴ





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あー、いた。



さてまあここは勇者らしく正々堂々名乗っていきますか。




「俺の名はノア。お前の名を聞きたい。」




???「俺の名はウルル。魔王様の1番の家臣であるロイド様の1番の弟子であるルーン様の1番弟子だ!!!」




な、長ぇよ。だるいよ。ていうかこのオーラの量で下っ端も下っ端って実はこの世界結構やばいんじゃ…




「そうか、これ以上街を荒らすのはやめてもらおうか。ていうかここ始まりの街だよね?なんでこんなとこに魔族がいるの?」




「魔王様はついこないだ神から啓示を受け取り、更に力を蓄えた。そのおかげで俺たち下っ端にも力を分けて下さり、多くの土地を支配することに成功した。この街は仕上げだ。」





なん…だと…神から啓示を受け取った?だと…?




神に裏切り者がいる…まずいな。



これは早々に魔王倒してその神を捕まえないと。




「なるほどな。まあいい、お前はここで死んでけ。」




「勇者気取りが粋がっても所詮人間。魔王様には誰にも勝てないことを今この場で示してやる。」




そう双方が言い終えた瞬間俺は電光石火を発動しそのまま突っ込んだ。



「なに?早いだと。強化された俺よりも早いとは貴様なかなかやるな。」



やっべー。いまので致命傷を与えるつもりだったんだけど。ピンピンしてんじゃん。



これは、想像以上だ。その神ぜってぇー許さん!



「次はこちらからだ。ダークソード!」



いや、そのままw


酷くない?ネーミングセンスを問うよw



っと危ない



俺を縦に真っ二つしようとしてきた剣を軽く避け、そのままカウンターを決めにいく。



あ、俺加護が少なすぎて当たったらやばいからね。



「オラァ」 




そのまま懐に入り込み胸を斬る。



『ザシュッ』




さすが聖剣。俺と違って有能、優秀。




「グフッ。しょうがない。まさかこんな辺鄙な街で能力を解放することになるとは。」



突如やつの体を闇が覆い、魔力量が上昇していった。



俺はレベルが低すぎて魔力も無いんだよっ!羨ましいなおい。




「ハハハ。魔王様から賜ったこの能力さえあればお前なんて一瞬だ。行くぞっ」



「グッ」




なんだこの力半端ない。



やつと俺の剣は鍔迫り合い状態だが徐々に押されている。



やるしかないか。




俺は剣をひねりあげ奴の剣を弾く。




「聖剣ちょっと無理させるぞ」



まるで応えたかのように聖剣は輝く。




「神域解放!」




文字通りこの技は神の領域。到底人間には出すことができない技だが、勇者補正によって出すことができる。



そうして俺のステータスは2倍に跳ね上がった。




「おらぁぁぁぁ」



やつの首を俺の剣が捉える。




「な?!」




そして俺は首を落とした。




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まさかこんな序盤の街でいきなり神域を解放するなんて。これはまずい。



もっとモンスターを狩って加護を手に入れないと。



あれ?



あいつの体から紙が。一体誰がどうして?




『親愛なるノアへ』



この手紙を読んでるということは無事にウルルを倒すことができたみたいだな。

僥倖僥倖。流石わしの孫だ。

後な、お前が勇者になったらすぐ世界が救われてつまらんと思ったから魔王を強化しといたぞ。

多分奴らは神から啓示を授かったー!みたいに喜んでいると思う。

言っておくがこいつは魔王軍の中でも雑魚だ。

こいつを倒したからといって慢心せずに努力をしろ。

いくらお前でも1人で魔王を倒すのはきついだろうからな。

女の子に聖女の役割を与えておいた。

テヘッ

自分で探して仲間にしなさい。




『じいちゃんより』




俺は手の震えが止まらなかった。もちろん嬉しさではない。




何が『魔王を強化しといたぞ』だ、

何が『女の子に聖女の役割を与えておいた』だ。




『テヘッ』じゃねーよ!!!



しかも神に裏切りがいると思って心配したけど無駄だったじゃねーか。



お前まじで俺に世界を救わせる気ある?




フーフーハー



これだけは言わせろ
















「クソがっあんのじじぃぶっ殺してやるー!!!」











それはそれはとても元気な声が始まりの街

『アトラス』に響いたと後日ご婦人のティータイムで話のネタになるのだった。

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