さんじかんめ たいいく

「今日は10m走をするゾビよー! 背の順に並ゾビべー」


 次は体育。

 この授業もかなり苦痛だ。というか苦痛じゃない授業なんて無いかもしれない。


「よーい! ゾビ!!」


 背の順に並べられたゾンビ達が白い線の前に立ち、体育ゾンビ教師の掛け声に合わせて腕を振りながら歩き出す。

 そう、歩き出す。10m走とは言っているけれど、歩いている。

 というのも、何故かゾンビは『走ってはいけない』という制限が付いているらしくて、走ろうとしてもこの様に歩くような速度でしか移動が出来ないらしい。

 なので、ゾンビじゃない私も走ろうとして走れなくて歩く速度で走ってしまうという、普通に歩くのとは違う感じで歩かなくてはならない。

 これがかなり難しくて最初のうちは何回か転んだりした。逆に転ぶのはゾンビ的にOKらしいのだけれど、『内臓が零れ落ちるからよくないゾビ』という事で推奨はされてない。


 ちなみに、ゾンビは新陳代謝が無いので月に一度の女の子の日で見学をするのは不可能だ。

 体操服も未だにブルマーのままだし。女の子にとっては最悪の環境だと思う。

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