賢い命のつなぎ方

世も末コウセン

第1話俺はカタツムリ?

俺はカタツムリだ…。

動きがトロイとか散々言われるが、そんなことは関係ない…。

金貨のようにキラキラと光る雨の中俺は壁に張り付いている。

ジメジメとしたところは俺の代名詞でもある。

俺は、目の前に鳥のフンを見つけた。

(食べ物がないんだ…仕方ない…)

俺はあまり気が進まなかったが、そのフンを綺麗に平らげた。

「ふぅ…味はまぁまぁだな」

俺は次なる餌を探してのそりのそりと動き出す…。

ふと、頭の中で星が浮かび上がる。

(なんだ?クラクラする…)

俺は今自分がどうなっているのかわからなかった…。

金貨のような雨に映る俺の触覚は木の実のような色になっている。

(なっ!?)

俺は自分が誰だかわからなくなる…。

(俺は…誰?俺は…俺はカタツムリ…いや、違う…)

俺はそんなことを考えながらのそのそと日向へと進む…。

鳥が迫ってきている。

(逃げないと…)

だが、体がうまく動かない…。

俺は鳥に食べられてしまった…。

俺は賢い生き物の命を繋ぐための仲介役となったのだ…。


その後、僕たちはさらなる命を繋ぐ…。

やぁ、初めてまして。

僕はロイコクロリディウムと言われている寄生虫だよ。

カタツムリに寄生して命を繋ぐ寄生虫さ。

次はどこのカタツムリに寄生しようかな…。

完。

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