第2話 出会い

これが、私の「能力」!?

「ねえ、あなたの能力はなんだった?」

「…『この能力と同じ能力を持っている人と出会った時に発動する能力』です…」

「!?」

本当に、なんでこんな意味不明な能力なんだろ。なんかもっと、目からビームとか、手から爆弾とか、もっとドーン!バーン!ズドーン!みたいなやつかと思ってたのに…

「そんな能力、今まで聞いたことなかったよ。」

「う~…じゃあ、なおさら発動できないじゃないですか~」

「う~ん…じゃあ、あなたの場合同じ能力を持った人を探さないとだめみたいね。」

リサさんは、そうやって言うと、へへっと笑った。最初に出会ったのが、優しい人で良かっ…

ズドーン…

「大変だ!イリューが出たぞ!みんな逃げろ~!」

な、なにがあったんだろう…

「大変!イリューが出たらしいわ。はやく逃げないと!」

「あの、リサさん。イリューって、何ですか?」

「あぁ…ここにでる怪物のうちの1つ。異世界の竜だから、イリューって呼ばれてるんだけど…って、ひかり!後ろ!」

「えっ…」

私が後ろを向くとそこには、大きく手を振りかぶったイリューがいた。

あっ…私また、死ぬんだ…。

ー「あぶないっ!」

「きゃー。子供をかばった女の子が、車にひかれたわ!誰か、救急車を!」

段々と暗くなっていく視界に、最後に映ったのは、一筋のひかりだった。

それが、ここだったのに、私からまた、ひかりを奪うのだろうか。

「何、ぼけーっとしてんだ!」

誰…。

イリューと呼ばれる怪物の腕を、その男は、スパンと切りつけた。

「はやく、逃げろ!」

そう言う男に、その怪物は炎を吐き出した。

「あぶないっ!」

私がそうやって男の腕をつかんだ瞬間、眩しい光が私たちを包んだ。

そして、イリューと呼ばれる怪物は、バタリと倒れてしまった。

「…お前、もしかして。」

これはもしかして、能力!?

その男は、ポケットから小さな紙を取りだしてその紙を開いた。その紙には、私と同じ「この能力と同じ能力を持っている人と出会った時に発動する能力」と書かれていた。

「これ…」

私も紙を見せた。

「これが俺たちの、能力。」

そう、これが私たちの後に伝説として語り継がれる「出会い」である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界怪盗~異世界で、怪盗やってます。~ 駒込ピペット @yonnsenndo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ