執事の戒め
3階廊下の窓から眺める大河ステラフーユグリスチの流れは心を落ち着かせる。それは、ただ、見慣れたものであるからということだけではないと思う。
天気が良い日は、対岸の港湾都市ケーニヒストルータが見えることもある。今日は少し曇っているせいか、ケーニヒストルータは見えない。
夕陽でオレンジに染まる大河の美しさも捨てがたいが、やはり青い空の下で光を反射してきらきらとした流れを見せる晴天時の昼食後ぐらいの大河の姿がもっとも美しいと感じる。
ここ、サンドアクエ子爵領の領都サンドレイには、ケーニヒストル侯爵家の屋敷がある。
サンドアクエ子爵は子爵とはいえ誰の寄子でもない、トリコロニアナ王国の国王から爵位を授かった直臣の貴族だが、対岸に港湾都市ケーニヒストルータがある関係でケーニヒストル侯爵家と密接な関係を持つ。
サンドアクエ子爵領は、もちろん子爵領らしい狭さではあるが、この領都はケーニヒストルータとの交易で潤っている。
はっきりいえば、サンドアクエ子爵は、トリコロニアナ国王に忠誠を誓いながら、ケーニヒストルに依存している、ということになるだろう。
あのアインという少年は、他国の貴族の領都にケーニヒストル侯爵の屋敷があると知って驚くでもなく、「大使館のようなもんか…………」とつぶやいていた。まさに、この屋敷は大使館のようなものだ。
大河を見て、「でけぇ川……」と平民らしい言葉でつぶやく姿は年齢相応の子どもに見えたが、それまでに見せてきた姿は、天才児とか麒麟児とか呼ばれる者のそれだったと思う。
ここまでの旅で、ヴィクトリアお嬢さま付きの護衛騎士であるビュルテとユーレイナの二人が、何度も指導を受けていた。
少年に指導を受ける姿は、どう見ても逆だろうと思わせられた。
だが、指導を受けた二人は、明らかに強くなっていると感じた。
二人とも『鍛えし御業』を発動させるのが格段にうまくなっていたし、ビュルテに至っては『極めし御業』を教わって、使えるようになっていたのだ。
この二人がケーニヒストルータに戻れば、ケーニヒストル侯爵家の騎士団の序列が大きく変わりそうだ。
無事にサンドレイまでたどり着いてからは、すぐに姉弟ともいなくなってしまった。
交易船が2か月に1度と説明したら、「毎日じゃないんですか?」と驚いていたことに、こちらが驚かされた。
毎日ケーニヒストルータとサンドレイの間に船を行き来させても積荷はほとんどないだろう。
それぞれの領地で、さまざまな産物を生産し、輸送し、集積して、そして交易するのだ。交易品をケーニヒストルータに集めるには2か月に1度でも船便は多いくらいだ。
ここがもっとも近い町だから、2か月に1度、船が出る。トリコロニアナ王国以外の別の国の他の町への船は4か月に1度だったり、半年に1度だったりするのだ。
今回は最短時間でケーニヒストル侯爵領へと戻るために、陸路でここを目指した。
この屋敷に到着したことで、ヴィクトリアお嬢さまの安全は確保できた。
あとは2か月に1度の船に乗り、ケーニヒストルータへ行くだけだ、そう伝えると、「次の船はいつですか?」と聞かれて、運悪く船が出たばかりだったので次は赤の半月の10日だと説明すると、「じゃあ、ちょっと旅でもしてきます」と言って、姉のイエナとすぐに町を出て行ってしまった。
あの行動力があるから、あの強さなのか、あの強さがあるから行動力もあるのか、どちらだろうか。
あれから報酬の話もまともにしていない。本当に何かを要求するつもりがあるのだろうかと心配になってしまう。
余計なことだとわかっているが、受けた恩から考えると心配する程度では返せそうもない。
アインとイエナ。あの二人がいなかったら、お嬢さまはもちろん、私も今ここにはいなかったに違いない。
メフィスタルニアで起こったあの異常な事件は、それだけ危険なものだったのだから。
「…………オブライエン殿。お嬢さまが、大旦那さまへの手紙を確認してほしいとのことです」
ヴィクトリアお嬢さま付きの筆頭メイドであるセリアが話しかけてきたので、私はセリアを振り返る。
彼女も、メフィスタルニアでの生き残りの一人だ。お嬢さまと共にメフィスタルニアへ行ったメイドたちの中では唯一の生き残りだ。
お嬢さまは手紙を書いていたか。
船は2か月に1度だが、手紙は違う。鳥が運ぶ。
特にここ、サンドレイとケーニヒストルータの間には大河しかないため、鳥ごと手紙を奪われる可能性もほとんどない。可能性は0ではないが、極めて低い。
それにしても、旦那さまではなく、大旦那さまへ向けて書くとは。
よっぽど、あの二人のことを気に入ったようだ。だが、気に入った、という程度で済ませてはならない相手だと考えているのかどうか、話してみる必要がある。
「執務室は、ニールセンの邪魔になるでしょうから、そうですね、第三応接室なら空いているでしょう。1時間後に、そちらへ」
「あら、大河を眺めてのんびりしていらしたのでは?」
「のんびりしていたのは仕事の合間の休憩です。1時間で終わらせるべきことを終わらせますので」
「わかりました。では、後ほど」
一礼してくるりと背を向け、スカートを揺らして去っていくセリア。お嬢さまへの忠誠は間違いないメイドだ。生き残ったのが彼女で本当に良かった。
そんなことを考えながら、自室へ向かう。
急いで仕事を終わらせて第三応接室に向かわなければならない。
おそらく、ヴィクトリアお嬢さまは、伝えた時間よりも10分以上早くいらっしゃるだろうから。
約束の15分前に、第三応接室に入る。
そこにはすでにヴィクトリアお嬢さまとメイドのセリアがいた。
「…………申し訳ありません、お嬢さま。遅くなってしまいましたな」
お嬢さまをお待たせするなど、執事失格である。それがたとえ、約束の時間よりも早かったとしても、である。それにしても、早過ぎるのだが……。
「わたくしが早くきてしまったの、じい。謝る必要はありませんの」
そう言われても謝るのが使用人の務めだ。私は頭を下げて、お嬢さまの向かい側に座る。
「それでは、お急ぎのようですので、さっそく読ませていただくとしますか」
私がそう言うと、ヴィクトリアお嬢さまが便箋を差し出す。それを私は受け取り、目を通していく。
メイドのセリアがお茶を入れてくれた。お茶請けにはスコーンが置かれて、ジャムが2種類、用意されていた。
大旦那さま……ケーニヒストル侯爵はヴィクトリアお嬢さまにとっては実の祖父にあたる。父であるフォルノーラル子爵ではなく、祖父であるケーニヒストル侯爵に手紙を書こうと考えた理由は読んでみるとすぐにわかった。
アインとイエナを侯爵家に取り込むように、と。つたなくも、精一杯の言葉で、ヴィクトリアお嬢さまはケーニヒストル侯爵に訴えていた。
……この町に到着してすぐ、私が侯爵へと連絡してあることは言わないでおこうとは思う。
だが、気になる言葉がいくつかある。
「お嬢さま。お尋ねしてもよろしいですかな?」
「じいに聞きたいのはわたくしの方ですの。どこか気になるところがありますでしょうか?」
「聖女、そして、勇者。このふたつの言葉は、軽々しく使うものではございません」
自分の口でその言葉を出してしまうと、逆にすんなりとその言葉がふさわしいと思ってしまったのが不思議だった。
イエナは聖女で、アインは勇者。確かに、そうかもしれない、と思ってしまったのだ。
「なぜ、このように書いたのでしょうか?」
「…………わたくし、メフィスタルニアに嫁ぐために、メフィスタルニア家についてたくさん学びましたの。その中の、メフィスタルニアに残された聖者イオスラムの予言と、イエナさま、アインさまがどうしても重なるように思えるのです」
「聖者の予言、ですか」
お嬢さまだけではなく、メフィスタルニア伯爵家の嫡男であるエイフォンさまも、聖者の予言については口にしていたはずだ。
私としては、どちらかというと、『メフィスタルニアを魔の呪いから解き放つ』というところに、今回の一件が『魔の呪い』にあたるのではないか、と感じていたのだが、お嬢さまの解釈はどうも違うようだ。
「…………癒しの御業を惜しげもなく使い、戦うみなを支えていたイエナねえさまは、まさしく聖女に見えましたの。そして、光魔法を放ち、見事な剣技で死霊を次々に倒すアインさまは、やはり勇者と呼ぶ他ないのでは?」
「予言には確かに『聖女』という言葉が出てきていたと思います。ですが、『勇者』という言葉はどこにもなかったと記憶しております。違いましたか?」
「確かに、聖者イオスラムの予言の中に『勇者』という言葉はありませんの。ですが、神殿で聞く伝承でも、光魔法の使い手は『賢者』か『勇者』だったと記憶しております。それに、アインさまの戦うお姿は、『勇者』と呼ぶにふさわしい活躍でございましたの」
頬を赤く染めたヴィクトリアお嬢さまが、あの少年、アインのことを語る姿は、どうしようもなく、やるせない思いにさせる。
ヴィクトリアお嬢さまがどれほどの想いを彼に寄せたとしても、ケーニヒストル侯爵家として必要な政略に使う駒であるヴィクトリアお嬢さまのその想いが叶えられることはないだろう。
まさしく身分違いの恋、である。
身分違いの友情ならばまだ叶えられたかもしれないが、恋となるとそうもいかない。私自身、身分違いの友情のお陰で今がある。
ただ、もし、本当にアインが洗礼で『勇者』となったのであれば、そういう可能性も生まれるかもしれないが、おそらくそれまでにヴィクトリアお嬢さまには新たな婚約者が選ばれることになるだろう。
いや、その想いが…………ヴィクトリアお嬢さまの想いそのものが、『勇者』という言葉として手紙の中に浮かんできたのかもしれない。
ヴィクトリアお嬢さまに、恋の自覚はあるのだろうか?
私はちらりとメイドのセリアに視線を送る。
セリアは私の視線に気づき、ほんのわずかに首をかしげ、それからすぐにうなずいた。
…………これでは分からんな。ヴィクトリアお嬢さまはアインに恋しています、という意味かもしれない。
ヴィクトリアお嬢さまがアインへの恋心を自覚しているかどうかは、後でセリアに聞いてみることにしよう。
手紙の『勇者』という言葉をどうするか。侯爵に恋心を知られることになるかもしれないが、直接ヴィクトリアお嬢さまのあの顔を見るまで気づかないかもしれない。
ヴィクトリアお嬢さまの恋心に気づいたら、侯爵はどうするだろうか。
エイフォンさまとの婚約解消はもはや既定路線だ。私からもそのように上申している。では、急いで次の婚約者を見繕うか? いや、慌てて決めるということはないか? そこにヴィクトリアお嬢様のアインへの恋心があると知れたら? 変化はあるか?
奇跡とも言える光魔法の使い手だ。しかし、アインはあくまでも平民。侯爵家に取り込むのに、ヴィクトリアお嬢さまを使う必要はないだろう。
せいぜい寄子となっているどこかの男爵の養子にしてから侯爵家の養子というところか。いや、あの力。それでも足りないかもしれない。
重要なのは、今回の御礼という形に見せて、どのようにアインやイエナを侯爵家へと縛っていくのかということだろう。
しかし、『勇者』か。重い言葉だ。
伝承では、およそ1000年は『勇者』が現れていない。
トリコロニアナ王国での情報収集で掴めた部分的な内容だが、ファーノース辺境伯領で魔物の動きが活性化しているというものがあった。
メフィスタルニアの一件も、魔族がらみである可能性が高い。あのイエナという少女は、嘘をつきそうにない。まっすぐ過ぎる。
まあ、それがお嬢さまのご友人としては得難いものになるのかもしれない。
歴史学者によると魔族や魔物との戦いが起こる時、『勇者』が生まれるのではないかと考えられている。『聖女』もそうだ。確かに、北方での動きは、おかしなものだと思える。
だからといって、本当に『勇者』が生まれるのか、また、その『勇者』がアインなのか。
そんなことはどれほど考えても結論は出ないだろう。
ヴィクトリアお嬢さまが手紙に聖女や勇者と書いたからといって、そこまで気に留める必要はないのかもしれない。子どもらしい夢や憧れとも思える。
実際にイエナは癒しの御業を使えるし、アインは光魔法を使える。その事実は書かれているのだ。
侯爵家に取り込む、という方針もヴィクトリアお嬢さまが書くまでもない。
侯爵ならば即、そのように対応するだろう。
問題は、あの、アインという少年。
そう簡単には、侯爵家に取り込むことはできないだろう。
ハラグロ商会から純利益の3割を受け取っているというその才覚。
そして、あまりにも圧倒的なあの強さ。
その点はもう私が先に知らせてはいるのだが……。
「……お嬢さま。おおむね、この内容でよいとは思います」
「まあ、それなら……」
「ですが、もう少し、書き直した方がよい点がございます」
「あら、どこを?」
「……お嬢さまのお気持ち、お心が、ここには書かれておりません。これでは、子どもが政治的な報告書を背伸びして書いたようなものです。大領地の領主であるケーニヒストル侯爵への手紙とはいえ、お嬢さまにとって侯爵は祖父でもあります。もう少し、孫らしい、お嬢さまのお気持ちを付け加えられるとよろしいでしょう」
「わたくしの、気持ち、ですの?」
「はい。イエナさまとは、御友達になれたのでしょう? その時の喜びや、どのようにイエナさまを慕っているのか、お書きになるとよいと思います」
「まあっ!」
ヴィクトリアお嬢さまがぱっと花が咲いたように笑う。だが、すぐにその笑顔をおさめる。
「…………おじいさまはそのような手紙を読んで、喜んでくださるの?」
……無理もない。ヴィクトリアお嬢さまは、それほどケーニヒストル侯爵と深く接した記憶がないのだから。
幼児の頃には、それはもう、目に入れても痛くないという状態ではあったが、それは大人であった私たちの記憶であって、ヴィクトリアお嬢さま本人の思い出ではないだろう。
大領地の侯爵など、多忙を極めている。また、嫡男とはいえフォルノーラル子爵は自身も領地持ちだ。ヴィクトリアお嬢さまも子爵領で過ごした時間が長い。
……すまない、トリス。孫娘が祖父の愛情に気づくくらいの時間を使用人の筆頭として作ってやれずに、本当にすまなかった。いつかきっちり謝るとしよう。
「……ケーニヒストル侯爵はきっと、お喜びになることでしょう」
「そう? では、イエナねえさまのことを書き加えたいと思います」
「ああ、それと、エイフォンさまのことには何も触れていらっしゃいませんね?」
「あら……」
そういえばそうでした、という失敗を恥じる顔で、ヴィクトリアお嬢さまが顔を隠す。
ヴィクトリアお嬢さまにとって、エイフォンさまはあの二人よりもずいぶん心の距離が遠いらしい。
「どうしたら……」
「エイフォンさまの扱いに温情を求められるようなことも書き加えておくとよいでしょう」
「では、そうしますの」
私はヴィクトリアお嬢さまに預かっていた便箋を差し出し、ヴィクトリアお嬢さまがそれを受け取る。
この話は、これで終わりだ。
私は立ち上がる。
「では……」
「あ、待って、じい。じいは、もうアインさまと、報酬の話は終えてますの?」
……驚いた。ヴィクトリアお嬢さまが、今回の護衛の報酬のことを心配していたとは。
「以前、侯爵家でも見合ったものは用意できないと、言っていたでしょう?」
「……まだ、アインさまと報酬については話をしておりませんが、アインさまがハラグロ商会から受けている報酬と同じものは、難しいというのは間違いありません」
ハラグロ商会の純利益の3割を支払い続ける? そんなことをすればいかに広大な侯爵領とはいえ、領地経営が傾く金額になるだろう。
確かに、それだけの価値があるとも考えられる存在ではある。
だが、だからといって、実行できる訳ではない。強さだけに予算をかけられる訳ではない。
……それと同時に、そのようなことを実行したハラグロ商会が一気に台頭したことも認めざるを得ないのだが。
「……わたくし、イエナねえさまやアインさまと、これからもお会いしたいの。ねえ、じい。お二人はサンドレイに戻ってきますか?」
……戻ってくる、と、信じたい。しかし、改めて問われると、返答に困る。どこへ行ったのか、とにかく西へと向かったという報告だけは受けている。
あの二人のうち、特にイエナは、報酬など何も求めていない。見返りを求めない相手ほど、交渉が難しい。ただ、あの少女は一度懐に入れた者には甘いようだ。ヴィクトリアお嬢さまについて、まったく心配はいらないと言える。
弟のアインは報酬を求めるつもりだろう。
だが、交渉した上でほしいものが得られなければ、あっさりとこちらを切り捨てるに違いない。
そうでなければハラグロ商会からあのような大金を受け取れるはずがない。
ハラグロ商会にとって、彼は、切り捨てられては困る相手、ということだろう。切り捨てる相手なのではない。逆なのだ。切り捨てられるのはハラグロ商会の方なのだ。
だから、大金を用意する。それと同じことを侯爵家として考えることができるかといえば、否だ。
あの二人がサンドレイに戻り次第、報酬について話は進めなければならないだろう。
それを元に、出港前にトリスへ報せ、万全の準備を整えて、侯爵家にあの二人を取り込む。
彼が何を望むのか。
おそらく……いや、間違いなく金銭ではない。そんなものでは、あの二人を取り込むことなどできない。
だが、彼が何を望んでも、それを最大の形で満たさなければ、侯爵家に取り込むことはできない。
…………まだアインに会ったことのないトリスに、最大の譲歩が必要な相手だと理解させるのはなかなか大変な作業だが、それが今回の私の役割ということだろう。
長年に渡り仕えた使用人として、また、幼き頃からの親友として。
目の前で見ていてもその力が信じられない相手だ。手紙で読んだ程度で、何が伝わる?
ビュルテやユーレイナも使って、その価値の高さを示さなければなるまい。
その目で見た者として、エイフォンさまもうまく動かそう。
長き時を隣で過ごした友として。
親友に警鐘を鳴らす。
それは絶対に逃がしてはならない大魚なのだ、と。
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