「花とたゆとう」作者 和泉正人様
次の感想は、和泉正人様の「花とたゆとう」についてです。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896142962
まさに純文学で、静かな気持ちで主人公の正夫の気持ちに沿いながら最後まで読みました。
文章はお手本というように整っていて、私も純文学を書くことがあれば真似たいくらいでした。
定年間近な正夫がひょんなことから、ある女性に会う。それから始まる物語。恋や情熱を忘れた男が若い女性に惹かれ、恋が愛に変わっていく様子が手に取るようにわかりました。
所謂不倫なのですが、なんだか読み終わった後に爽快感がありました。
下記がネタバレ感想になります。
最後まで書きますので、未読の方は読まないようにしてください。
☆
正夫は本当に普通のオジサンで、それが風俗嬢に溺れていく。
恋に狂った同級生の末路などが話に出てきて、脳裏にバットエンドが浮かびます。
花蓮は風俗嬢で、毎日数人の男性を相手にしている。
だから、彼女の言葉が本当なのかと私も正夫同様に疑いながら、読み進めていきました。
きっかけは、彼女の友達で、同僚の無残な死。
そこから花蓮の本当の気持ちが出てきて、応援したくなりました。
同時に正夫はどうするのかと心配にもなってきます。
彼の同級生同様、駆け落ちなどして幸せになるはずがありません。
しかも娘に近い年齢の花蓮です。
終盤になって、彼女が結婚する話が出てきて、嫌な気持ちがもたげます。
もしかしてこのまま二人は逃げてしまうのか、もしかしたら花蓮の婚約者が気が付いて何か悪いことが起こるのでは?
最終的に二人はそれぞれの道を選び、幸せになるために歩いていく。
少し歪で、でもとても純粋な恋の話でした。
最終話が退職の挨拶というのも素晴らしかったです。
久々にネットで純文学を読ませていただきました。
この度は企画に参加してくださりありがとうございました。
次の感想は、相生蒼尉 様の「賢王の絵師 ~アイステリア王国中興物語~」です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894098923
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