第39話彼は落雷に打たれる
ドゴンと雷鳴が轟いて、生徒たちは怯えていた。
「おい、校庭に落ちたぞ!」
「マジヤバ!」
「あれ? 人が倒れてるんだけど」
「なんだって⁉︎」
もう、教室はドタバタである。
俺は校庭で倒れていた。意識はあるし、体も微弱にだが、動かせる。
「やらかした……雷鳥と契約を結んだのを忘れてた。『契約式魔術』が発動したのか」
『契約式魔術』……いわゆる魔獣の力を使用して発動させる癖者魔術である。
俺は生徒たちに向けて一度だけだが、この『契約式魔術』を発動させたことがある。あの憎たらしいほど分厚い教科書に封印をかけた時のやつだ。
その時の魔術が『ズリルバインド』である。この魔術は封印魔法であるからなにかしらと面倒な羅列を並べなければならない。そこで、魔法陣も必要としないで魔獣の力を使えるこの魔術が生まれたのだ。この魔術のデメリットは魔獣と契約を結ばないといけないということ。
「おい! ピグロ先生が雷に打たれた」
他の先生が俺に近寄ってくる。
「だ……大丈夫です」
「雷に打たれて大丈夫なわけあるか!」
そう言われて俺は保健室に連れて行かれた。
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