第28話彼は多種多様のスキルを使いこなす

俺はクラディアをおぶりながら、地面から飛び出す骨の攻撃をデマルスの力を借りてかわし続ける。


「待てよーー」


(どこにいるんだ?)


俺はデマルスのネックレスを外して、鋼色のネックレスを首にかける。


憑依ポゼッション


わたくしの出番でして?)


聖騎士龍“鋼鉄神龍アクドラルージュ”。

体のあちこちを鋼のように硬くして、防御力を上げるスキルを持つ龍だ。


(どうして、私が呼ばれましたの?)


(それはだな、敵の居場所を探りたかったからだよ!)


(了解いたしました)


振動感知サーチバイブレート


俺たちは足裏に力を凝縮して、敵の攻撃を待つ。


ドンと上の方から振動が伝わって、大量の骨が地面から生えた。


「上か……」


俺はネックレスをまた変更する。


憑依ポゼッション


(ワイの出番かいな?)


「あぁ!」


聖騎士龍“斬撃神龍オウスティー”。

斬撃神龍の名を持つので、基本的にはチェーンソーを使う龍で、なぜか、俺との相性が良く、こいつを憑依させるとほとんどの敵は倒せる。


「ほな行くでー」


「先生?」


クラディアはいきなり変化した俺の口調に困惑している。だが、戦闘中の俺は集中している時が多く、そんな声は届かない。


俺はクラディアをおぶったまま地面を蹴り、屋上まで飛び上がった。


「え?えぇぇぇぇ!」


やはり、クラディアの悲鳴は俺の耳には入らなかった。

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